虹裏img歴史資料館

1 22/08/19(金)23:07:08 No.962492636

「お、おまっ…！　なんちゅー恥ずかしいセリフを！」 「だめ…でしたか？」 　私が申し訳なさそうに呟くと、ブンブンと首を横に振りながらシップは私を抱きしめました。 「そういう言葉はだなぁ、然るべき場所とタイミングで言うもんだ」 ドクンドクンと早鐘を打つような我が友の鼓動に、私もドキドキしてしまいました。 　カラン、コロン。カラン、コロン。 　下駄の音を軽やかに鳴らしながら、手を繋いで二人してゆっくりと直ぐ其処の隣町へと歩きます。 　お祭りの会場は神社。境内へと至る道路から既に屋台が軒を連ねて居ました。 「この賑やかな空気、とても良いなあ」 「そうですね。心がホッコリします。幼い頃もこうして仲良く夏祭りに参加しましたね」 「金魚すくいで独り占めして屋台のおっちゃんに泣かれたり、綿菓子デカく作りすぎてかーちゃんに怒られたりしたなぁ。金魚はすぐ返したけど」 「シップはやんちゃでしたからね。私も人の事言えませんが。ブロマイド欲しさに型抜きや輪投げ、ボール入れと虱潰しに貰っていきましたからね」

2 22/08/19(金)23:07:37 No.962492894

「アタシがジェラシー妬く様な年頃でなくて良かったなー」 「今の私には隣に貴女が居ますから。ゴールドシップ」 　ジリジリと音を立てる暖色の灯りに灯されて、私の直ぐ隣に立っている美しい女神は嬉しさと照れくささの入り混じった表情で呟くのでした。 「お前、いつの間にヒトをたらしこむ言葉なんか覚えたんだよ」 「貴女が私に教えましたし、私は貴女にしかこの言葉を囁きませんよ」 　そう言い返すと、私の可愛い友人は顔を赤くして、私の手を握りしめて境内へと続く１０数段ばかりの階段を登るのでした。 　境内の中も、屋台が軒を連ねて居ました。そして其処彼処で見かける見知った顔、顔、顔… 　でも、私達は声を掛ける事はしませんでした。何故ならカップルで有ることは一目瞭然。ヒトの恋路を邪魔する奴は、ウマ娘に蹴られて死んでしまえ。と古事記にも書いてあります。

3 22/08/19(金)23:08:01 No.962493087

　ぶらぶらと屋台を巡っては、チープでありながら、その時その瞬間でしか味わえないグルメに舌鼓を打ちます。お祭り。其れこそが味の真骨頂。幼頃は小さなガマグチと百円玉を握りしめて。今は悠々と財布を持って。 　そうこうしている内に、花火の打ち上げがそろそろ始まる事を知らせる放送が鳴りました。シップが私の手をクッと持って歩き出しました。 「行こうぜジャスタ。最高のショーを見せてやんよ」 「我が友？　一体何方へ？」 「細けえ事は気にすんな。ゴルゴル探検隊、しゅっぱーつ」 　そう宣言しながら、我が友は私の手を引いて、神社を抜け出し、道もない草地を分け入って行きました。地面は傾斜し、上り坂である事を理解します。 「やー探すの苦労したぜ？　花火の打ち上げの位置と高さからベストポジションを割り出すのをよう」 「もしかして昨日の夜、合宿の宿を抜け出してたのは…」 「おうよ！　この為よ！」 　私はふぅ～…と深く溜息を零しました。

4 22/08/19(金)23:08:28 No.962493283

「我が友？　私達はまだ未成年なんですよ？　未成年の深夜徘徊は学校側としても黙って見過ごせる事じゃないんですから…」 　其れに何よりも貴女の身が危険に晒されたら…と言葉を続けたその時 　バンッ…　と光の華が咲きました。 「な？　キレーだろ？」 　大輪の光の華を背景に笑う芦毛の女神は、それはそれはとても美しくて…私は息を呑む事しか出来ませんでした。 　私は草の上に座らされ、そのすぐ後ろにぴったりと、我が友が抱き着いて来ました。 「綺麗だな」 「…ええ」 　ドドン…。パン…。と響く花火の音。シュワシュワと微かに聞こえる、火薬の燃え果てる音。嗚呼。夏の象徴の一つを、誰にも邪魔されずに私達は二人占めしている。 「…合宿ももう終わるな」 「えぇ、終わりますね」 「残暑が過ぎたら、もう秋だな」 「はい。夏は遠くへ行ってしまいます」 「…また、夏祭りに来ような」 「えぇ、きっと」

5 22/08/19(金)23:08:57 No.962493531

　シップが私の顎に指を伸ばし、唇を近づけました。ドンッ！　と花火が鳴る度に、私達のシルエットが薄ら暗い草むらへと伸びていきました。 　やがて、ゆっくりとシルエットは草むらに倒れ込んでいき…花火の大きな歌声に紛れて、微かに甘い悲鳴が、夜風に流れていった…。

6 22/08/19(金)23:11:14 No.962494637

書き込みをした人によって削除されました

7 22/08/19(金)23:12:30 No.962495246

尾終い 数ヶ月ぶりのゴルジャス怪文書です 頭のギアが真面目に仕事してくれないので ストレートに甘酸っぱい物を書きました

8 22/08/19(金)23:19:32 No.962498683

久しぶりの貴方を待ってましたよ！

9 22/08/19(金)23:20:26 No.962499112

甘い…

10 22/08/19(金)23:23:34 No.962500559

この気だるいほどの甘さを待っていた ゴルジャスはどこまでも甘々でいてほしい

11 22/08/19(金)23:24:52 No.962501109

>綺麗だ… ありがとうございます！　ありがとうございます！ >久しぶりの貴方を待ってましたよ！ ありがとうございます！　そう言って頂けて感謝の極みです！ >甘い… ありがとうございます！　出来るだけ甘酸っぱく書きました！

12 22/08/19(金)23:25:50 No.962501536

>この気だるいほどの甘さを待っていた ありがとうございます！ >ゴルジャスはどこまでも甘々でいてほしい 夏の気怠さにゴルジャスの甘さは身体に良いですからね

13 画像ファイル名:1660920068200.png 22/08/19(金)23:41:08 No.962507533

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

14 22/08/19(金)23:41:33 No.962507705

良いですよね 大きな綿菓子買って、分け合って お手々ベタベタになって、ハンカチで拭いて貰うの

15 22/08/19(金)23:42:52 No.962508175

>No.962507533 うわぁーーー！！ 絵「」ャスタのお絵かきありがとうございます！ 久しぶりに貰っちゃいました！

16 22/08/19(金)23:46:08 No.962509377

こう、良いですよね！良い！ 花火の煌めきを見上げながら、その音や美しさ、火薬の匂いを身体で感じて 嗚呼、夏も終わるんだなぁって言う夏っぽい表情のジャスタ、良いですよね！！

17 22/08/19(金)23:48:22 No.962510202

久しぶりのいちゃいちゃゴルジャスごちそうさまです

18 22/08/19(金)23:48:57 No.962510399

>久しぶりのいちゃいちゃゴルジャスごちそうさまです ありがとうございます！　どう致しまして！

19 画像ファイル名:1660920760435.png 22/08/19(金)23:52:40 No.962511752

>うわぁーーー！！ >絵「」ャスタのお絵かきありがとうございます！ >久しぶりに貰っちゃいました！ こちらこそ待ち望んでおりましたよ！ 自分でも怪文書を書いてみましたが貴方のせいで甘々なものしか書けなくなりました…

20 22/08/19(金)23:55:25 No.962512765

>こちらこそ待ち望んでおりましたよ！ >自分でも怪文書を書いてみましたが貴方のせいで甘々なものしか書けなくなりました… 追加のお絵かきありがとうございます！甘い！！ 私の所為で甘い物しか書けなくなったら、私は責任をとってもっと一杯甘い物を書かないといけませんね！ 最近シップをゲームのホーム画面に立たせていると椅子に座って我が友を観察してるジャスタの幻覚が見えるように成りました。

21 22/08/20(土)00:13:27 No.962519930

甘々で素晴らしいです！ またゴルジャス書いてほしいですね

22 22/08/20(土)00:14:45 No.962520453

まんまんし…おしっこ出るし…

23 22/08/20(土)00:16:53 No.962521261

こんなところにもたぬき湧いてて草

24 22/08/20(土)00:16:56 No.962521282

>甘々で素晴らしいです！ >またゴルジャス書いてほしいですね ありがとうございます！ また筆を取りますね！