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22/08/06(土)00:09:49 泥のは... のスレッド詳細

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22/08/06(土)00:09:49 No.957070454

泥のはなきん

1 22/08/06(土)00:21:55 No.957075169

「うろちょろしないでよ」 「分かっていますとも。マスターからの申し付けは守ります」 と、そんな約束をしたのがスーパーの駐車場での出来事。およそ10分前のこと。 「えっと…非常食多めに買っておかなきゃ…。何があるか分からないし…」 ぼやきながら私はカートの買い物籠へレトルト食品やカップ麺を放り込んでいく。 もしかしたら屋敷から出ずに籠城戦をしなきゃいけないようなことになるかもしれない。 あの屋敷はおぼろげに覚えている両親の話では強固な結界が敷かれているという話だが、それも先日ランサーにあっさり侵入されたばかりだ。 それでも何の用意や考慮をしないままというのは思考停止だろう。できることはしておかなきゃ。 最悪セイバーは何も食べなくてもいいということらしいが、私はそういうわけにはいかない。備蓄、大事。 「…普通に卵や野菜も必要だし…肉や魚は、まぁ最悪缶詰でも…あれ?」 生鮮食品のコーナーへ伸ばしかけた私はふと後ろを振り返った。 …いない。先程まで大人しく私の後ろをついてきていたセイバーの姿が影も形もない。 思い出されるのは鮮魚コーナーで生け簀を泳ぐ魚たちへ物珍しそうに目を輝かせていた姿───

2 22/08/06(土)00:22:13 No.957075278

「っ、もぉ…!あのぽやぽや王子は…!」 カートを反転させ、急いで棚と棚の間を戻る。割と広いスーパーなので迷子になるとそれなりに大変だ。 不意に誰かを轢かないようギリギリのスピードを早足で維持し、すぐ通路へと出た。 きょろきょろと視線を左右に振ってあのモデルみたいにすらりと高い人影の居場所の見当をつけようとする。 ───探すまでもなかった。 「御婦人、あなたにお怪我が無くて心より安堵しています。ですがどうかお気をつけて」 通路の脇でちょっとした遠巻きな人集りができていた。その中心にセイバーはいた。老婆の手を取って。 甘いマスクに柔和な笑顔。穏やかに見知らぬお婆さんを見つめている。 手提げ鞄を引っ掛けたお婆さんはといえばセイバーに手を握られて「ありがとうごめんなさいね」と応じていた。 でも分かる。私にも分かる。あれはちょっと照れている。舶来の凄い美男子から丁重に扱われて。歳を忘れて少し女が戻ってしまっている。 つい固唾を呑んで見守ってしまった私の前で、お婆さんは何度も礼を言いながらカートを押していった。 周りの人の視線が逸れていく中、今度こそ猛然と私は老婆を見送るセイバーへと詰め寄った。

3 <a href="mailto:〆">22/08/06(土)00:22:25</a> [〆] No.957075352

「何してるの…!」 「おや、アイカ。はい、御婦人が躓かれて手荷物が散らばってしまったのでお助けした次第です」 微笑むセイバーは当然のように言った。 その揺るがぬ清廉さに思わず二の句が継げなくなる。…と同時に私はほんのりと安心していた。 そうか。私が契約したのはこういう英霊なのか。 人を助けることを当たり前とし、それがどんなに些細でも躊躇なく実行できる。 透き通るような善性。誰もが美徳とすることをそのままに形にする。 それを実行することの意外なほどの難しさを現代を生きる私たちはよく知っている。 きっとこういう人なんだろうというのは分かっていたはずなのに、いざその証明を目の当たりにするとほっとする。 「あんまり目立つようなことは避けて。セイバーは目立つんだから」 「はい。申し訳ありません、アイカ」 些かも気分を害した様子なくセイバーは頷く。けれどきっと同じようなことがあれば同じように振る舞うのだろう。 悪い気はしなかった。彼を苦手と思う気持ちは相変わらずだが、苦手と嫌いは別の秤の感情だ。 再びカートを押していく。セイバーは私の後ろについて離れなかった。ほんの少しその距離が縮まった気がした。

4 22/08/06(土)00:40:26 No.957082129

子猫と大型犬って感じ

5 22/08/06(土)00:44:00 No.957083375

いやーセイバーは正統派に強いし人格者で非の打ち所がない…

6 22/08/06(土)00:44:33 No.957083563

私の王子様いいわよね…

7 22/08/06(土)00:45:41 No.957083937

>私の王子様いいわよね… 姉さん悪いんだけどもう私のだから…

8 22/08/06(土)00:51:30 No.957085824

でも不和は既に示唆されてるんだよね… この人ちゃんと私のこと見てない?って

9 22/08/06(土)01:06:43 No.957090345

ねこはこんなイケメンの何が不満なんだ…

10 22/08/06(土)01:26:56 No.957095546

セイバーの盛りに合わせるのと自前のスキルの表記に合わせてプロトアーチャーの便利道具をちょっと増やしたぜ

11 22/08/06(土)01:31:58 No.957096777

セイバーとアーチャー鬼つええ!どんどん新宿ぶっ壊していこうぜ!

12 <a href="mailto:ぬ">22/08/06(土)01:33:53</a> [ぬ] No.957097197

言い忘れてた アーチャーの人は弓鱒出た後にちょっと相談するのでそういうつもりでお願いします

13 22/08/06(土)01:34:24 No.957097281

アッハイ

14 22/08/06(土)01:39:03 No.957098263

セイバーに合わせるのはいいがそこ2人が逸脱しすぎてもあれだから気を付けて欲しいぜ

15 22/08/06(土)01:39:34 No.957098370

「セイバー…最優のサーヴァント。実力、人格共にまさしく英雄。非の打ち所がないですね」 セイバーの活躍をその目にしたブッカー神父は讃美歌を歌うように高らかに、まるで我が事のようにセイバーを誉め、飾り立てる。 神父の言葉に何故か引っ掛かりを感じた哀歌はピクリと眉を動かした。 「……何が言いたいの?」 なんの事はない哀歌の言葉だが、その奥底には刺がある。 「いえ、別に特段なにかあるわけではないのですが」 「本当に?」 はっとしたように自身の言葉を否定する神父に哀歌は更に言葉で詰め寄った。 「……確かにセイバーは完璧な英雄です。ですが、私には彼が貴女を通して別の何かを見ているような気がするのです」 「別の何か…」 神父の言葉に哀歌の表情が僅かに歪む。覆い隠されていた真実の片鱗が見えてしまったかのように。 「……失礼。今のは中立であらねばならない監督役として失言でした。忘れてください」 哀歌の変化に気付いた神父は深々と頭を下げる。 「不和の種は既に蒔かれていたか。まぁいい。Vanitas vanitatum.Et omnia vanitas…絆、繋がり、全ては虚しく意味はないのだから」

16 22/08/06(土)01:39:48 No.957098425

>セイバーに合わせるのはいいがそこ2人が逸脱しすぎてもあれだから気を付けて欲しいぜ 一応そこまで万能にはしないように気をつけてるつもりでござい

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