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22/08/01(月)23:49:18 レース... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1659365358227.png 22/08/01(月)23:49:18 No.955682418

レースに生徒会活動、更には学園の代表として広報活動も行っている"皇帝"シンボリルドルフ。クラシック3冠も含めたすべてのレースで圧倒的な走りを見せ、未だにレースでは無敗である。その圧倒的な実績と美貌から、彼女を才色兼備、完全無欠のパーフェクトウマ娘であると思うファンも少なくはない。だが、彼女には世間には決して公表できない欠点があるのだ。それを知っているのは彼女の家族と、友人の中でも特に彼女と親しい数人、そしてトレーナーである俺だけであろう……… 「ルドルフ、この間の生徒会の権限をもっと強くしようって要求、やっぱり通らなかったよ」 「期待はしていなかったが、やはりな。ヒトミミはどうも、年下の小娘に自らの無能を暴かれるのが怖くてたまらないようだね」 そう、彼女は幼少期に受けた教育の過程でウマ娘優位主義の思想家に傾倒していった結果、極端な思想に染まってしまっているのだ。もちろん、世間の前ではそんな姿を晒すことはないが。 「何度も言ってるけど、その"ヒトミミ"って呼び方、やめたほうがいいんじゃないか?」

1 22/08/01(月)23:50:00 No.955682669

「私も人前でこんな言葉遣いはしないさ。むしろ君がヒトミミであるにもかかわらず、絶対の信頼を置いている証だと思ってくれないか」 「人前であるかどうか以前に意識として問題があると思うよ、その呼び方は」 「トレーナー君、君も採用試験を受けたなら知らないはずがないだろう。ウマ娘という存在はヒトミミよりも肉体的にも、精神的にも優れている。それなのに、歴史上我々は何度も虐げられてきた。私達が代々受け継いできた神聖な競技であるはずのレースも、今では多くのヒトミミの利権や思惑が絡んで穢されている。そもそも、人とウマ娘の融和などという欺瞞に満ちたヒトミミに都合のいい綺麗事も近代に入ってからヒトミミが一方的に…………」 「わかったわかった。もう何度も聞いたから分かっているよ………前々から思っていたけど、そんなに人間が嫌いなのになんで俺と契約なんてしたんだ?」

2 22/08/01(月)23:50:49 No.955682935

「君のように世間のヒトミミと同じような感性を持った存在が側に居ないと私の理想を実現するのに不都合でね。歴史上、自分に都合のよい存在ばかりを側近に残した為政者はみな失脚していった。ウマ娘であってもね。それに君は、私のジョークの練習に付き合ってくれただろう?」 「そのバランス感覚があるのにどうして人間差別なんてしてるんだよ…………」 「為さねばならないことを為さずに済ませておけない性分でね。あらゆるウマ娘が幸福になること、そしてヒトミミの呪縛から完全に解き放たれること、それを達成するためにはどんな努力も苦では無いよ」 「後者はスカウト前に言っておいてほしかったな………本当に」 彼女の"すべてのウマ娘を幸せに"という理想、そしてそのためにあらゆる努力を重ねる彼女を見てスカウトを決意したときの俺の感動を返してほしい。まぁ、彼女もそんな思想が人々に支持されないということは理解していて、俺を除く一部の本当に信頼している友人にしかこのような面は見せないのだが。なおさらタチが悪い気もする。

3 22/08/01(月)23:51:17 No.955683112

「生徒会の権限強化の件は一旦保留にしよう。私がこれから更なる結果を出せばヒトミミ達も私達の提案を受け入れざるを得なくなってくるさ。今は臥薪嘗胆の時、というわけだ。さて、トレーナー君、そろそろジャパンカップに向けての練習を始めようか」 ………………………………………………………………………………………… 「結果は3着!シンボリルドルフ遂に敗北!とんでもない番狂わせが起こったレースとなりました!」 数日前からルドルフの体調が優れない中迎えたジャパンカップ。ついに連勝記録は止まり、彼女は初めてセンターではない位置で歌うこととなった。絶対と思われていた皇帝の敗北、世間からの落胆の声は大きかった。

4 22/08/01(月)23:51:38 No.955683223

俺は彼女のトレーナーとして本当にやるべきことを出来ていたのだろうか?彼女は、その理想の形はともかく目標に向かってあらゆる手段を講じて努力していた。だが、自分はどうだ。練習メニューですら半分ルドルフが考案していたような状態であったのに、彼女の体調管理もろくに出来なかった自分は彼女のトレーナーとして存在する意義があるのだろうか。唯一、胸を張って出来たと言えるのは彼女のジョークの特訓に付き合ったことだけだ。当然、世間からも同じことを指摘する声が止まなかった。皇帝の腰巾着、それが俺の評価だった。 しかし流石は皇帝と言うべきか、彼女はそんな声を気にも止めない様子で次のレース、有馬記念へ向けたトレーニングと年末に向けた生徒会業務をこなしていく。俺もそんな彼女を見て、自分のすべきことをこなそうと必死についていく。心の中で、本当に自分は彼女のトレーナーに相応しいのか問い続けながら…………

5 22/08/01(月)23:52:07 No.955683414

その日もいつも通り、彼女の生徒会業務を手伝っていた。 「全く、無知なヒトミミの悪口雑言は仕方がないと分かっていても不愉快なものだね、トレーナー君」 「君がもう既に全盛期を過ぎていてここからは負けが続くだろうって話かい?」 「いや、トレーナー君の話さ。どうも崇高なウマ娘ファンの皆様は君のことを私に付いて回るだけの小判鮫とでも言いたいらしい」 「…………反論できないな。この間のジャパンカップの敗北、あれは間違いなく俺の責任だった。それに俺は君の理想のために何かを成し遂げられてもいない」 「君はどうも自分を過小評価するきらいがあるな。ヒトミミでありながら私から信頼されている、それでは君の自信にはなりえないだろうか?」 「君の人間への偏見を無くせるほどの働きを見せることができていないわけだしね。何より自分自身が皇帝の付属品であるという世間の評価をどこかで受け入れてしまっているんだ。正直、契約を解消したほうがお互いのためじゃないかって思ったりもするよ」

6 22/08/01(月)23:53:55 No.955684035

その瞬間、部屋の空気が凍る。二人しかいないこの部屋で、威圧感を出しているとしたら彼女しかいない。しまった、何か彼女の逆鱗に触れてしまったか。恐る恐る彼女の顔を覗くと、今までに見たことがないほど冷たい目をした皇帝がそこには佇んでいた。 「………それは私としては絶対に許せない発言だな。君が何も知らない愚か者たちの声に耳を傾ける必要は無い。何より、ここまで来て投げ出そうとするのは私の理想に泥を投げつけるようなものだよ」 まるでこれ以上疑問を持つなと命じる独裁者のようだ。思わずこちらも従いそうになるが、皇帝のトレーナーであろうとするならば、ここで引き下がってしまっては納得できない。 「で、でも君の理想には人間は含まれていないだろう?どうしてそこまで俺に執着するのか、教えてくれないとこちらも不安だよ」

7 22/08/01(月)23:54:23 No.955684198

「その気になれば、君を無理矢理組み敷いて私のモノにすることもできた。むしろ駒としてはそちらのほうが都合が良かっただろう。そうしなかったのは、君がヒトミミでありながら私の理想を笑うことなく、私の本心を知ったあとも尚、私のために尽くしてくれようとしたからだ。そのような存在は私が生きてきた中でも、私が学んできた歴史の中にも見たことがなかった。確かに私の描くすべてのウマ娘の幸福にはヒトミミの存在は含まれていない。だが、その理想を実現するためには君の存在が不可欠だと感じた。そしてそれ以上に、私は君に興味がある。これが理由だよ」 「あ…………うん、ありがとう………」 どうやら自分は思っていた以上にこの怪物に気に入られてしまっていたようだ。 「それで、トレーナー君。さっき言っていた契約を解消するという話、未来永劫、考えもしないと誓ってくれるか?」 「分かった。これからも皇帝のトレーナーとして、できる限りのことをやっていくよ。契約解除なんて、もう言葉にもしないよ」 「そうか、分かってくれたか!……うん、私も君を手放すつもりは毛頭無いのでね。これからもよろしく頼むよ、トレーナー君」

8 22/08/01(月)23:54:36 No.955684275

ふっと肩の力が抜ける。あんなに怒った彼女を見るのはこれで最後にしたいものだ。しかし、思っていた以上に俺は彼女から評価されているようだ。彼女の期待に応えるためにも、弱音を吐いてなんていられないな。 「全く、この調子ではいつまで私の理性が持つか分からないな」 「……………え?」 「軽いジョークだよ。君の言うとおり、洒落以外の冗談も取り入れてみたのさ」 「…………そう信じることにするよ」

9 22/08/01(月)23:55:09 No.955684456

思想が偏ってる会長の話を書きたくて書きました。 キャラ崩壊を許してくれ

10 22/08/01(月)23:56:11 No.955684813

>思想が偏ってる会長の話を書きたくて書きました。 >キャラ崩壊を許してくれ いいよ

11 22/08/01(月)23:57:33 No.955685299

ちょっと怖すぎる そのうちクーデター起こしかねん すでに根回しすんでそう

12 22/08/02(火)00:02:49 No.955687208

黒い面があるルドルフは妙にそそる ぶっちゃけどストライク

13 22/08/02(火)00:03:04 No.955687304

過激な事言ってるやつ程家庭を持つと腑抜けるんだ

14 22/08/02(火)00:03:49 No.955687580

ヒトミミの子供が生まれたら考えが変わるのか辛く当たるのか自虐史観を植え付けるのか

15 22/08/02(火)00:05:20 No.955688117

ライオンっぽさが強い会長もいいもんだ

16 22/08/02(火)00:06:25 No.955688480

大丈夫?実は段々絆されてない?

17 22/08/02(火)00:07:53 No.955688932

むっ?…むっ!

18 22/08/02(火)00:08:34 No.955689161

多分シリウスが偽悪者ぶった理想主義者やってる世界線

19 22/08/02(火)00:18:25 No.955692766

シービーマルゼンが生徒会室に寄り付かない世界線のルドルフ いやマルゼンさんはクラシック出れなくて…みたいなパターンもあるか

20 22/08/02(火)00:21:40 No.955693875

>多分シリウスが偽悪者ぶった理想主義者やってる世界線 ウマ娘と人間の絆を誰よりも信じてそう

21 22/08/02(火)00:23:16 No.955694453

>ヒトミミの子供が生まれたら考えが変わるのか辛く当たるのか自虐史観を植え付けるのか そりゃもう初めてのよちよち歩きを理屈つけながらベタ褒めよ

22 22/08/02(火)00:43:51 No.955700561

書き込みをした人によって削除されました

23 22/08/02(火)00:44:22 No.955700713

>ちょっと怖すぎる >そのうちクーデター起こしかねん >すでに根回しすんでそう 最後はトレーナーが泣く泣くルドルフを裏切って自ら手に掛けそう

24 22/08/02(火)00:54:48 No.955703682

ここまで開けっぴろげに思想語ってるせいかわからんがトレーナーに抱いてる好意が死ぬほどストレートに伝わってきてこれは… いいね…

25 22/08/02(火)00:57:14 No.955704271

是非トレーナー君にはルドルフ厄介ファンのウマ娘の子に刺されてルドルフの信念を迷子にしてあげてほしい

26 22/08/02(火)01:12:35 No.955708189

これ完全にラスボスじゃん… トレーナー君が原因でやられちゃう奴じゃん…

27 22/08/02(火)01:14:36 No.955708699

興味深いコンセプトだった 本当に理想をやってしまうのか何かあった未来に進むのかこの会長の今後が気になる

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