22/07/29(金)23:57:43 泥深夜 のスレッド詳細
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22/07/29(金)23:57:43 No.954538632
泥深夜
1 22/07/29(金)23:58:58 No.954539125
プロト槍はランサーの割にあんま速くねえな
2 22/07/30(土)00:02:46 No.954540679
機動力に優れるらしいけどいいのかな
3 22/07/30(土)00:03:48 No.954541080
逸話的にも原作ヴラド公と同じ城塞系ランサーだからな...
4 22/07/30(土)00:04:41 No.954541465
宝具の効果で高速移動できるし仕切り直しで逃げ足は速いし…
5 22/07/30(土)00:08:32 No.954543120
なら大丈夫か
6 22/07/30(土)00:15:14 No.954545809
サーヴァントはあと3騎か…
7 22/07/30(土)00:15:23 No.954545848
真名がコナル・ケルナッハなのにどうして勝利のコナルなんだと思ったら既にアーチャーのコナルがいるんだな
8 22/07/30(土)00:20:31 No.954547879
セイバーはまだかのう…
9 22/07/30(土)00:25:07 No.954549774
マスターはあと一人か
10 <a href="mailto:1/4">22/07/30(土)00:27:04</a> [1/4] No.954550508
「何をやっているんだ?」 背中から声をかけられてびくりと私は小さく肩を跳ねさせた。 ここしばらくずっと耳にしていたセイバーのものではない男性の声はただそれだけで否応なく緊張感を与える。 まして、それが一度は私を殺した相手だなんて。まだ3時間と経っていないのに慣れるわけがない。 それでも、みしりと嫌な軋みをあげながら身体の歯車は噛み合い、私を半身で振り向かせた。 「何って…夕飯の用意だけど…」 思ったより近くに立っていた偉丈夫を見上げながら辿々しく伝える。 こうして改めて見ると大きい。2mあるだろうか。それとも少し足りないくらいか。 顔を見ようとすると慣れないと首が疲れてしまいそうだ。その巨大な存在感を肌で感じる。 少なくとも今すぐはこの相手が私に二度目の致命傷を与えないと知りながらも背中に冷や汗が滲んだ。 キッチンに入ってきたランサーは表情の読めない顔でじろりと私の手元を見つめ、そして顎を指先で撫でながら言った。 「解せないな。どういうことだ」 「どう、って…夜の行動開始までに、何か食べた方がいいかなって」 「そっちじゃない。皿が2枚ある方だ。流石にそれ全部を食べるようには思えないんだが」
11 <a href="mailto:2/4">22/07/30(土)00:27:16</a> [2/4] No.954550574
指摘されて私はランサーの視線の方に目をやった。つまりは私の目の前だ。 作業台には2枚の皿が置かれていて、それぞれにおにぎりが整列して並べられようとしている最中だった。 台所にはランサーを除いて私しかいない。私が指を焼きながら握ったものだ。 釜に残った米で明日の分を握っておくなんてよくあることだったし慣れたものである。だが、質問の意図の方がまだ分からない。 「食べないの?」 「…なるほど、そう来たか。一応言っておくがサーヴァントに食事は必須じゃないのは分かっているな」 問いかけるランサーへ向けて頷く。セイバーにも言われたことだ。 指摘されてみて気がつく。そうか。私がセイバーと過ごした時間は少し風変わりなものだったのか。 サーヴァントと当たり前のように食卓を囲み、一緒に食事を摂った、あの日々は。 そして彼は私の側におらず、そして気まぐれ次第でいつでも私を殺せる剣呑なサーヴァントが代わりにいる。 私の出方を伺うかのようなランサーの真っ直ぐな眼差し。一瞬躊躇った後、まっすぐ見つめ返した。 「良ければ、どうぞ」 「いいのかい。別に俺はお前を殺したことを忘れたわけじゃないし、お前だってそうだろう。
12 <a href="mailto:3/4">22/07/30(土)00:27:29</a> [3/4] No.954550667
今だってたまたまマスターの胸先三寸で協力しているだけさ。お前にゃ俺を歓待する理由も義理もない。 第一な、お前さん俺のことが怖いんだろう?察せないほど鈍かないぜ」 薄く微笑みながらランサーは言う。立ち昇る白煙のように捉えどころのない表情だった。 ───忘れたことはない。冷たさと硬さ、そして圧倒的な異物感が胸へと吸い込まれるあの感触。 正直、こうしてランサーを目の前にしていると膝が震える。ぞくぞくと怖気が走る。 怖くて、怖くて、それでも。 「怖いものは、放っていてもいつまでも怖いから。 それよりかは少しでも怖くなくなるようする方が、怖くない。あなたのことを知らないといつまでも怖いまま。 だから…嫌じゃなければ、食べて欲しい」 そうしてそっと皿を差し出した。おにぎりが3つ。特別な拵えなど何もない。 だが今の私に彼へあげられるものなどこれくらいしか無かった。たったこれだけが私の精一杯だ。 ランサーはじっと皿の上の白飯を見つめている。ひょっとして不興を買ってしまったのか、と私が思い始めた頃─── 「───………。ふむ」 むんず、とおにぎりを掴んだランサーは大口を開けてぱくりと齧り付いた。
13 <a href="mailto:4/4">22/07/30(土)00:27:40</a> [4/4] No.954550720
二口、三口。私とは口径の違う彼の顎はそれだけでおにぎりひとつを片付けてしまう。大きめだったのに。 「確かに。主従の関係があるならともかく、戦士を屋敷に招いた館の主人が戦士へ馳走を振る舞うのは当然のことだ。 俺としたことがサーヴァントになってそれをすっかり忘れていた。だが程々にしておけ。 合戦の前は食べないのも食べ過ぎも良くない。身が鈍るのもだが、もし腹を捌かれた時中身を零すのは無様だからな」 ぺろりと飯粒のついた指先を舐めたランサーがにやりと笑った。 「いただいた。礼を言う」 食事も問答もそれで満足と言わんばかりに、踵を返してキッチンから去っていく。 来るときも気配がなければ去るときもすぐに居場所が分からなくなる。絨毯が敷いてあるから足音は立たないとはいえ、どこへ歩いていったかも曖昧だ。 皿を置いた私は自分がへたり込みそうになるくらいへとへとになっているのにようやく気づいた。 どう気を張ろうが怖いものは怖くて。でも怖いままではいられなくて、こんな些細なことで空白を埋めようとする。 やっていることがみみっちくて嫌になる。こんなの、小石を投げ込んでダムを埋めようとするようなものだろう。
14 22/07/30(土)00:32:03 No.954552236
想像するとめちゃくちゃ心臓に悪いな…
15 22/07/30(土)00:33:40 No.954552803
ねこは自分のことディスるけど実は滅茶苦茶勇気あるのでは?
16 22/07/30(土)00:46:39 No.954557073
殺した相手にこんなこと出来る奴いる!?
17 22/07/30(土)00:50:05 No.954558249
>想像するとめちゃくちゃ心臓に悪いな… >ねこは自分のことディスるけど実は滅茶苦茶勇気あるのでは? ねこです そんなことはありません いつでも私は愚図でいちばん大事なことを取り逃して そもそも他人と関わるのが怖くて でも関わらないまま怖い怖いと怯えてひたすら逃げ惑うのも惨めで でも怖いから必死で怖いことを無くそうとするのもみみっちくて浅ましくて 私はいつもそんな感じで 怖くて身を縮こまらせるばかりで もういいですお風呂入ってきます fu1298059.jpg
18 22/07/30(土)00:56:40 No.954560336
もうちょっと肩の力を抜いて生きろ…
19 22/07/30(土)01:02:16 No.954562220
それができないから主人公なんだろう
20 22/07/30(土)01:10:12 No.954564995
ねこは虐めたさあったけど最近甘やかしたさも感じる