虹裏img歴史資料館

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22/07/25(月)01:46:11 「なあ…... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1658681171713.jpg 22/07/25(月)01:46:11 No.952825640

「なあ……ロリって……やっぱり……」 「良いよなあ、本当に……」 「ははっ、まったくもってその通りだね……」  草木も眠る時を過ぎ、既に三時も間近になった我らがトレセン学園。その一角というか一部屋というか。夜の香気と濃闇の支配する廊下を進んだ先には、担当ウマ娘とチームの拠点となるトレーナー室が幾つも存在する。そんな無数にあるトレーナー室で、時折『闇』が蠢いていることをご存じだろうか。 「あの未成熟さ、細い太もも、柔らかな声……」 「天使の降臨だろ、間違いなく」 「特にちっちゃなおててだね、あの指先の感触はたまらないよ」  多脚を持ちし『闇』たちはふとした瞬間、沸き立つように現れる。彼らには特徴がある。欲望から産まれた『闇』はデカすぎるがゆえに、隠れることが出来ない。アルコールによって誘発された『闇』たちは、むんむんと香る酒の臭気を追うだけで見つけられてしまう。闇夜を辿り、明かりを探し、スライドドアのほど近くへ。ああ、ここだ。ここが今日の会場だ。室内から漏れ響くのは、彼らの話題に似つかわしくない、いやにジャジーなBGM。普段のヒトならざるモノたちのウタゲは、ここで催されているようだ。

1 22/07/25(月)01:46:52 No.952825778

「にしても、こんなに飲んだら……部屋にアルコールの匂いが残らないかい?」 「ああ、うーん……まあ大丈夫だと思うよ。明日は全員オフにしてあるし、ちゃんと掃除もしておくから」 「そうさ、気にするな。明日のことは日が昇ってから考えりゃいい。今はそんなことより……」  昼の都に夜の帳が降りている以上、この場所へ辿り着く者など未知の感覚に駆られた余程の物好きだけだろう。夜のトレセンは怪談とかも顔負けの恐怖に満ちている。行き場を失った生霊や霊魂、様々な怨念が渦巻いているとかいないとか。何十年も昔から生徒や教師たちの間でまことしやかに囁かれている。 「あはは、じゃ気にしない方向で。話の続き、行けるかい?」 「もちろんさ。もひとつ呷って……ふう、美味い!」 「酒ばっか飲んでないでほら、早く話せよ」  ただ、実際に遭遇したと焦る者は過去を見ても数えるほどだ。まあそもそも、学園に恨みがあるのなら昼にも出てきて然るべき。幽霊など恐怖が生んだ幻に過ぎない。古からの噂など所詮噂でしかない。実際に『在る』ものなんて、大抵日常の風景に溶け込んでいるものばかりなのだ。 「はっは、分かってるさ……」

2 22/07/25(月)01:47:35 No.952825906

 居酒屋も閉まるような深夜に、彼らがここまで自由に振る舞えるのには当然理由がある。専属ウマ娘の居るトレーナーは、学園よりいくつかの権限を与えられる。その最たる特徴が学園内に自チームのトレーナー室を設けられるところだろう。ただし部屋は無限にあるわけではないため、大体のトレーナー及びウマ娘たちは広い部屋をパーテーション等で区切るなどして、一緒に使うことになる。しかし、強いコネ持ちであったりやベテラン等のトレーナーであれば話は違ってくる。愛すべき担当との最初の三年間を既に越えた、ここにいる妙に熱っぽく気持ちの悪い男たちには、前述した例に漏れている者がいた。 「それで幼女の良さ、なんだけど……」  様々な強運に与ることで一国一城の主となった男。それこそが、いくつもの酒瓶やチューハイ缶に空きかけのグラスとつまみ皿。酒盛り真っ只中なテーブルの上座あたりで、ロリは良いなどと熱弁を奮っているシンボリルドルフのトレーナー、そのヒトであった。 「……ただこう、なんて言うかな……性的なこととは結びつかないんだよ、こう……抱き締めたくなるというか、支えてあげたくなるって言うかさ……」

3 22/07/25(月)01:48:01 No.952825992

 ルドルフトレの言葉に、テーブルを囲む二人も鷹揚に頷く。 「後方保護者面って言葉、割としっくり来るよな。父親、いや兄貴になりたいんだ。もっと正しく言えばお兄ちゃんだな。優しい声で慕われたい、俺もそれに応えたい」  ちびり、酒で唇を湿らせたあと、エアグルーヴのトレーナーが微笑混じりに呟く。 「そうだね、保護者面というよりは、兄とかそういう方面かもしれないね。まあでも親族ならほぼ同じか、いや近しい立場のお兄さん……そんな感じだとより距離感が爆発していいね」  スーパークリークのトレーナーは自分で納得をしたあと苦笑を浮かべた。 「でも、まあ……」 「なんにしても……」 「幼さは庇護欲を増加させるよね……」 「だな……」 「ああ……」 「「「たまらないよな……」」」  この社交場に集いしは、世間には大っぴらに出来ない性癖を同じくする、中年と若人の狭間に存在する者たち。YESロリータNOタッチの原則で生きる戦士たち。彼らのする変態的な哀歌は、愛バには絶対聞かれてはならぬ代物だ。

4 22/07/25(月)01:48:26 No.952826084

 世の常たる理として、禁制品は人の自制心を揺るがすものに成り得る。だが、罪を犯してしまえば人間として失格だ。欲望を制御し自分の統治下において理解を含めてこそ意味がある。彼らはその術を得ているが、しかし。モンスター級のマシンを制御するには、大きなハンドルを必要とする。このささやかなパーティー……いや、闇の酒場はそのためにこそ存在しているのだ。 「いつものおつまみ、行くよ。君らはどの部位が好きだい?」 「俺は細いながらも肉感のある二の腕と太もも、そして結びつくお尻!」 「ルドルフの。お前は欲望ダダ漏れだな。俺は勿論、ダメージのない無色のネイル、だな?」 「君は……まったくニッチ過ぎるよ、グルーヴさん聞いたら泣くよ?」 「うるさいな、お前はどうなんだ。やはりいつも通り担当に無い部分か?」 「そうだね、クリークは優しくて、その……豊満だからね。無いものねだりをしたくなるのさ」 「本当にいつも通りだなあ、でもこの感じ、最高だよ。お酒が凄く美味しいや」

5 22/07/25(月)01:49:36 No.952826321

 彼らが幼き少女に良からぬものを抱くのにはいくつかの理由がある。その最たるものが、担当たちの持つ盛り沢山の頼りがい、人間としての頑健さ、男だと言うのに庇護される側になってしまっていることなどだろうか。確かに彼女らはウマ娘、性差を越えた強靭さを持つ者たちだ。故に持て余す、護りたい気持ちを。しかし心に蟠りを残したままではいけない。日々のトレーニングや彼女たちとのやり取りに支障を来してしまう。それはよくない。残りかけの酒を喉に落とし込みながら、ルドルフトレはぼそりと呟いた。 「あー……やっぱりたまにこうしてさ、解放しないとダメだ」 「ああ。気持ちを抱えながらだと……」 「溜まる、からね。本当に色々と、さ」 「だな。欲は静かに解消されるべきだ、俺はそう思う」 「ははは、同意。本当に今日はありがとうな、グルーヴさんとこと、クリークさんの」 「さっきもそうだけどさ、助さん格さんみたいな呼び方は止してくれよ、僕らがオジンみたいじゃないか」 「いやいや、アラサーに足を踏み入れたならもうオヤジだろ。何を言ってんだクリークの」

6 22/07/25(月)01:50:29 No.952826503

「あっはっはっ、そりゃそうだな。同期の俺たちだって学生からすりゃおじさんだな」  彼らの名誉のために言っておくと、三人とも普段からこんな調子では、ない。彼らを動かす悪しき原動力はアルコール。現在全員赤ら顔、前後不覚間近の酔っ払いであり、恐らく本能のまま喋っているに違いない。が、故に歯止めは利かない。なのに断片的な話にならず、立て板に水で話し続けられるのはひとえに彼らの話術の巧みさだろう。 「ははは……あ、そうだ。ちょっとだけ踏み込みたいんだけどさ……」 「ん? なんだ?」  他者が聞いても何の得にもならない話たちが止んで、わずかな静寂が生まれる。その間断に差し込むはクリークトレの一言だ。 「いやさ、時々あらぬモノを抱きそうにならないかい。例えば……」 「例えば……?」 「学園の子、かわいいよねって。後は察してもらえると助かるね」  クリークトレの発言に、二人は天を仰ぎ熱っぽい溜息を吐く。 「うん……まあ、分かるよ。分かってしまうよ」 「そうだな、理性とはまた別の所で脳内物質が駆け巡るよな」 「で、グルーヴさんの。君はどの子が……」

7 22/07/25(月)01:51:00 No.952826615

「俺か? 俺は学園の子というか、学園付属のスクールの……」 「お前ッ、バカ野郎!」 「僕たち以下は流石によしてくれよ……っ!」 「はっは。いけなかったか。静止、助かる」  息を吐き、また酒を一口呷る。それから三人は互いに目配せをし合いにやつく。気色の悪い粘ついた微笑みが、彼らの酒を更に進ませる。 「さあ。良いところでお前も吐露しろよ。ルドルフの……」 「俺か、俺は……まあ好きになった子が成長していく過程も好きだからまあ……その、好きになった子が、好きなんだよ、うまく纏められないけど……」 「うわ」 「たわけたええかっこしいがよ……」 「嘘だろ、そこまで言うか?!」 「言っちゃいなよ、昔のアルバム見せてって」 「……いい、いいのかなあ~!!! そんなこと聞いちゃってさあ~!!! いやー、めっちゃ見たいもんな~、ルナ時代のさあ、いや見てえなあ! スモックとかさあ!」 「欲を言えば~……?」 「そう、欲を言えばぱんつのショットとか、柔らかそうな水着とか……!」 「おおっ、とんでもなく乗ってきたねえ、もひとつ行こうか」

8 22/07/25(月)01:52:18 No.952826865

 クリークトレは酒瓶を手に取り、空いたグラスへと琥珀色の液体を注いでいく。グラスが満たされた瞬間、ルドルフトレは腰に手を当て男気溢れる様でそれを飲み干した。 「かーっ! うっめえ! ルドルフ! 俺はルナのことをもっと知りてえーっ!」 「僕も同じ気持ちだよ、過去のクリークを見てみたい……おっ……いいや小さかったであろう時期を、ね」 「そうだな、俺もだ。しれっと伊達メガネとか掛けててくれねえかな……」 「そりゃ高望みだよグルーヴの! ランドセルとショートパンツぐらいにしておきなって!」 「そいつも最悪だろ! おい酒! 酒はまだねえのか、まだ止まれねえぞ俺は!」  瓶に残った最後の一杯をグラスに注ぎ、グルーヴトレは一気に呷った。それを見ていた二人は不敵に微笑み、彼に続くように、天上を見上げるかのようにアルコールに身を浸しきった。 「まったく、残念だよ。全部飲み切ってしまったみたいだ」 「あはは、悲しいけど。今日はこの辺でお開きかな」 「ちっくしょお、理性ゲージの破壊はこっからなはずなのに」 「あー、そうか、仕方ないな。まあ時間もいいとこだし。ふう、それじゃ……」

9 22/07/25(月)01:53:13 No.952827041

「そうだね、明日も。互いの未来のために」 「ああ、互いの未来のために」 「いつかまた場所を移して、花を咲かせられるように。互いの未来のために」 「「「お疲れ、散!」」」  恰好づけたコールが部屋に響く。残響が消滅する頃、二人は根城であったトレーナー室を後にし、おのおの上機嫌で寮へと戻っていった。彼らを見送ったあと、部屋を提供していたルドルフトレだけはその場に残り、今、ゆるりとしたスピードで後片付けを行っている。独り言を訥々と呟きながら、酒に浮かれた表情で、缶と瓶を分けたりファブリーズを吹きかけていた。 「いやあ、今日も楽しかったなあ」  唇の奥に残った余韻を舌の上で転がしながら、先程までのやり取りを脳内で反芻する。 「話すだけなら別になあ、俺は犯罪者にはならないしなあ、大丈夫――」 「ふむ? 犯罪者でないのなら。人面獣心たる君は私に何か謝罪を述べるべきだろうな?」

10 22/07/25(月)01:54:13 No.952827240

「……え?」  さあっと、酒気も血の気も引いていく。煌々と輝いていた照明が一息で消される。カーテンの隙間から夜闇を裂いて現れる、ツキビカリ。見える、麗しき三日月の流星。声の主の目元も照らされ、像の色彩が徐々に理解できるようになっていく。見慣れに見慣れた鳶色、深淵に閃く仄暗い魔光、ハイライトの消えたような瞳が彼の網膜に映りだし、絶望によって昏く染まっていく。 「行こうか、トレーナー君。そうさな、叱咤についての諸々はまあこの場所で構わないだろう。さ、部屋に溜まった酒気を飛ばして、冷に努め静に話せる場所を作るといい」  る、ど、る、ふ。  発声トレーニングか何かのように、口が動く。だがしかし、目は一つとして動かない。 「少女がどうとか、全くはしたないな。着眼大局。本来の意味とは多少異なるが、小さなものを見つめるより、大きなものを愛した方が良い。そう思うだろう?」  ゆらり。トレーナー室と廊下を繋ぐ扉の前に。幽鬼の如く立ち尽くす彼女の姿を認めて。彼の顔面が蒼くなり、震えと動悸が止まらなくなっていく。

11 22/07/25(月)01:57:10 No.952827781

 本当に一体何事なのだろうか。判断能力の欠如した今の彼には状況を受け入れることしか最早許されてはいない。彼の正常さが不明になっているのを理解した上で彼女は、自らの武器を誇示するかのように、女性的な部位を突き出しながら、微笑みを絶やさずに語り掛ける。  何故、今日に限って、どうしてなんでが止まらなくなる。表面上に怒りが見えないのがまた恐ろしい。ルドルフは一体何を、いや、何を考えているのかは分かる、分かるからこそ、彼は恐怖に慄いているのだ。 「どう、して、こんな時、間に」  返答の代わりに、かちり。彼女のジャケット、右ポケットあたりから不穏な機械音。それはそう、ピリオドの音に酷似していた。 『――その、好きになった子が、好きなんだよ――』 「君たち高陽酒徒の話。トレセンの、この部屋で。その言葉を言わなければ。私だってこんな深夜くんだりに来なかったさ。はは。ははは。分かるかい。つまりだ。言質は、取ったからね」

12 22/07/25(月)02:02:35 No.952828718

言質与えちゃった…

13 <a href="mailto:オワリ">22/07/25(月)02:02:57</a> [オワリ] No.952828781

「あ、や、俺は、その」 「小心翼々だぞトレーナー君。他の二人も今頃罪を認めているはずさ。後は君だけだ、そうだろう?」  かちゃり。扉の鍵が閉まる音が響く。 「待って、ルドルフ、こんな形になるのは、その……!」 「君が道を踏み外さないように矯正してあげよう。そのついでに見せてあげよう、ルナを、ね」  まだ誰も知らないノンフィクションの向こうへ、遂に彼は導かれる。 「だから、待っ――!」 「随分待ったんだよ、私はね。だから。座ろうか。トレーナー君?」  肩に手を置いてルドルフはにっこりと笑う。そこでようやく、ああ、もう曖昧なままでは居られないのだと彼は理解して。深く、深く、項垂れた――  ――翌日、市役所へと婚姻届を提出する計六人の姿を見た者がいると言うが、噂は噂。一夜の物語は日常に溶けていく。闇は打ち消され、光が残り男たちは尻に敷かれる。これから先何十年と経とうがそのしきたりは変わらない――

14 22/07/25(月)02:03:34 No.952828864

このザマでも好きなのか…

15 <a href="mailto:s">22/07/25(月)02:06:57</a> [s] No.952829489

ユーモアのセンス無きゃダメね

16 22/07/25(月)02:07:10 No.952829536

アルバム開きながら後ろからささやきかけるんだ…

17 22/07/25(月)02:19:00 No.952831421

良かったよスレ「」 好きな感じの文だった

18 22/07/25(月)02:19:48 No.952831524

こっそりひっそりやってたのにあんまりすぎんか…

19 22/07/25(月)02:19:55 No.952831544

まぁルドルフ達は高学年だから最初の3年間越えればそりゃ結婚できる年齢になるけどさ……

20 22/07/25(月)02:36:05 No.952833799

まあ学園内で飲んでるしな…

21 22/07/25(月)02:40:02 No.952834327

解釈違いだけど面白かったありがとう

22 22/07/25(月)02:42:01 No.952834573

たわけ!そんなに見たいのなら毎年見せてやる! と宣言したエアグルーヴは計11人の子を設けることとなった

23 22/07/25(月)02:42:39 No.952834673

>こっそりひっそりやってたのにあんまりすぎんか… 内容があんまりすぎるし…

24 22/07/25(月)02:44:57 No.952834986

スィーピーとかビコーとか言い出さなくてよかった…

25 22/07/25(月)02:46:33 No.952835182

まあこれでわんぴぃすしようぜ!とかみんなでつぼみのビデオ見ようぜ!とかしてないから健全だよきっと

26 22/07/25(月)02:47:13 No.952835262

これ女帝はたわけ!SEX!で済むけどクリークは泣かない?

27 22/07/25(月)02:50:04 No.952835608

トレーナーさんもお世話したい人だったんですね~ って実家つれて枯れるくらいでなんとか…

28 22/07/25(月)02:57:49 No.952836507

ろりともだちする前に楔を打たないといけないからな…

29 22/07/25(月)02:59:31 No.952836691

そもそも未成年はロリだから!

30 22/07/25(月)03:15:40 No.952838396

>スィーピーとかビコーとか言い出さなくてよかった… >「俺か? 俺は学園の子というか、学園付属のスクールの……」 いや…

31 22/07/25(月)03:21:16 No.952838927

大体のウマ娘なら話聞いてるうちにぼろが出そうなものの流石会長だ

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