虹裏img歴史資料館

1 22/07/09(土)23:06:46 No.947384563

集まった男性トレーナー一同、互いに確認をしてふと思う。 ((((こ、こ(の人達)いつら担当からの気持ちに気付いてないのか……なんて可哀想な……)))) 美女が集う海岸にはトレセン学園生の姿はない。にも関わらずトーセンジョーダンのトレーナー含めて4人の男性トレーナーが集っていたのはサトノダイヤモンドのトレーナーが言った通り、ナンパが目的だった。 他にはノリノリのタイキシャトルのトレーナーと、それに連行されたニシノフラワーと言った、中々に珍しい組み合わせである。 さて、トーセンジョーダンのトレーナーが危惧したように、3人のトレーナーは担当から中々に大きな矢印を向けられているメンツだ。無論、トーセンジョーダンのトレーナーもそれなりに矢印を向けられている立場なのだが、ここに居る全員が、他人の相関図は見えていても自分の相関図は見えていない何とも酷い状況である。 そんな訳で互いに若干哀れみを覚えつつも、彼女が欲しいのは皆同じなので過干渉だけは──巻き込まれたくないので──止めることにする。

2 22/07/09(土)23:07:30 No.947384961

「よーし。じゃあ同じ人数の女の子グループとか探してみるか」 「そうですね。ナンパはやったことが無いけど、ジョートレ先輩は何か知ってますか？」 「俺もただの童貞だしな……変に意識すると逆に緊張するから、学園のウマ娘を相手にするようにすれば気持ち的には楽なんじゃないか？ あぁ、ちゃんと他人だから言葉遣いは気を付けてだが」 「それで行こうか。じゃあ多分この中で１番外国人の感覚を持っているオレが試しに行ってみるわ」 「「「いってらっしゃい」」」 先ずはタイキシャトルのトレーナーがナンパを仕掛けてみる。 10秒ほど辺りを見回すと、やや大きめのパレオを巻いて、麦わら帽子を被った、後ろ姿だけでも美人と分かる女性を見付ける。 高身長で、スタイルは後ろ姿でも分かるほど抜群。ナチュラルな茶髪を見るに、恐らくは外国人だろうとタイキシャトルのトレーナーは踏む。 同じ人数のグループを探すのはどこへやら。どことなく、タイキシャトルもこんなスタイルだろうなと彼女の姿を思い浮かべながら、彼はその女性へ声を掛けた。

3 22/07/09(土)23:08:26 No.947385497

「すみません。ちょっと良いですか？」 「What's? 何でショウ、トレーナーさん？」 「──え」 「「「あ」」」 振り返ったその女性にタイキシャトルのトレーナーは固まり、遠目で見ていた他の3人は思わず口を押さえた。 パレオと帽子のせいで分からなかったが、振り返ったその姿はタイキシャトルとそっくりの──等ではなくタイキシャトル本人だった。 「こそこそと居なくなったと思ったら、こんな所でHowdy. 偶然デスネトレーナーさん？」 「えっと……何か怒ってる……？」 「Noー。まさかまさか。女に餓えてるトレーナーさんがナンパをして、むしろワタシを選んでくれてHappyデスヨ」 「それは良かった。でだね……離してもらえないかな……？」 「Why? ワタシをナンパしてくれたなら、その後だって当然アリマスよね？」 「いや、その、いくら何でも生徒とは……」

4 22/07/09(土)23:09:38 No.947386208

雲行きが怪しくなってくる。ともすれば、残された3人はどうするのか。少し気になってタイキシャトルのトレーナーがチラリと確認すると、既にトーセンジョーダンのトレーナーが2人を引き連れて遠くの方。完全に巻き添え回避のために捨てられていた。 (あいつらー！) 「さぁ、トレーナーさん。ワタシと一緒にあの岩の向こうで楽しみマショウ……」 ◆ 「友を失うのは惜しいが……俺達は巻き添えだけは食らいたくないからな。まぁ、タイキトレーナーには最早彼女しか居ないだろう」 「同感です」 「だけどとうするよ？ このまま続けるとヤバイことになりそうだけど」 「そう思った時に止めておくのが賢明だろう」 「あ、でも待ってくれ。やっぱりナンパして女の子と遊びたい」 「サトトレ先輩……餓えすぎでは？」 「……まぁ、俺もそろそろガツガツいかないと結婚とか無理そうな気がしてるから、良い機会かもな。流石に2度目は無いだろう」 「ジョートレ先輩まで……」

5 22/07/09(土)23:10:14 No.947386581

タイキシャトル達からかなり離れた所の海の家で何となく周りを警戒しつつ、サトノダイヤモンドのトレーナーが握り拳を震わせる。 この夏で、何としてでも彼女が欲しいと、その目が何よりも訴えていた。しかし先程の事があって二の脚を踏めないのもまたその目が訴えている。 怖いのは誰も同じ。ならばとトーセンジョーダンのトレーナーが立ち上がった。 「今度は皆でナンパするか。3人組ならよく見るし、最適では？」 「そうだね。パレオや帽子には警戒して、ウマ娘も警戒か？」 「そうなりますね。そもそもざっと見てみた感じ、このビーチには一般のウマ娘は居ないので大丈夫でしょう」 トーセンジョーダンのトレーナーに続いて2人も立ち上がり、海の家を後にする。 こういう所は大体女子友達が3人組で来るもので、今の状況ならマッチングしやすいだろう。 それで誰が声をかけるかとなったが、ギャルと普段から接していてギャルとの会話になれているトーセンジョーダンのトレーナーがその役となった。相手がギャルだとは限らないが、陽キャを演じることは出来るだろうと踏んでもあった。

6 22/07/09(土)23:10:51 No.947386952

そして砂浜を歩くこと数分、トーセンジョーダンのトレーナーは良さげなヒトの女性3人組を見付けた。 「んー……よし。じゃあ皆で行こう…………か」 トーセンジョーダンのトレーナーが振り返ると、そこには誰も居なかった。居なくなっていた。 落ち着いて足跡を見てみると、直前まで居たようだが、更に後ろから近付いてきた足跡の主に拐われた事が分かる。サトノダイヤモンドは兎も角、あの大人しく優等生なニシノフラワーがそんな事をするかと疑問を抱くのも数瞬。 暑い日差しのなかでもハッキリと感じた悪寒にまた振り返ると肌色が視界に入る。次いで寒色のビキニ。引き締まった体はアスリートのそれで、筋肉がつきすぎているわけでもなく、女性らしさの丸みがちゃんとあった。 それは紛れもなく彼女だった。 「……じ、ジョーダン」 「よっすートレーナー。こんなとこでなにしてんの？」 「な、ナンパをちょっと……」 「ナンパ？ はぁ……ハッキリ言ってアンタにはムリだって。悪いけど、そんなくそ真面目そうなメガネマンだからナンパされても誰も引っ掛からないっしょ」

7 22/07/09(土)23:11:26 No.947387228

「ぐ……」 「……ま、アンタがナンパ失敗して落ち込むのとか情けないの見たくないから……あたしが一緒に遊んであげるから……」 「いやでも流石に……」 その先を言おうとして止まった。 トレーナーは気付いたのだ。学校指定の水着ではなく、トーセンジョーダンは今ビキニを着ている。それがどういうことか。 (……そうか。そうだよな。ジョーダンだって、思いきって遊びたいものな。……これは変にトレーナーと担当ウマ娘という立場を気にしてしまった俺が悪かったな) 「──分かった。折角海なんだから俺で良ければ一緒に遊ぼう」 その一言でトーセンジョーダンの表情はパアッと明るくなる。 やはり遊びたかったのを我慢させてしまっていた──とトレーナーは思っている──事を申し訳ないと思いつつ、これからいっぱい遊んで許してもらおうと決めたトレーナーは最後に肝心なことを言ってなかったことを思い出した。

8 22/07/09(土)23:11:47 No.947387409

「そうだ。水着、似合ってるよジョーダン」

9 22/07/09(土)23:13:41 No.947388482

ウマ娘ってだけですごいナンパとかされそうですよね 因みにタイキシャトルとそのトレーナーが大きな岩の向こう側に行った後、何故か破裂音がしたそうな

10 22/07/09(土)23:16:47 No.947390262

あのそれって…

11 22/07/09(土)23:19:06 No.947391538

固有が発動しただけデース

12 22/07/09(土)23:20:19 No.947392150

>固有が発動しただけデース サスペンス劇場始めちゃダメだよ！

13 22/07/09(土)23:23:31 No.947393752

今時期てっぽうはヤバいよタイキ…

14 22/07/09(土)23:26:08 No.947395117

銃声はちょっとセンシティブすぎる

15 22/07/09(土)23:26:46 No.947395428

思い切りビンタされただけかもしれんし

16 22/07/09(土)23:30:32 No.947397308

ダイヤちゃんはさぁ…

17 22/07/09(土)23:50:20 No.947407079

あのうダイヤとフラワーはその後どうしたんでしょうか…？