22/07/03(日)18:54:31 ちーち... のスレッド詳細
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22/07/03(日)18:54:31 No.945264978
ちーちゃんがジュリアにいちゃらぶ百合乱暴される怪文書を書きました 永遠の花イベントのときに書き始めたのでだいぶ旬を過ぎてしまいました 11レスくらいになると思いますが最後にまとめPDFも上げようと思います
1 22/07/03(日)18:55:15 No.945265214
束の間の花/Pluck This Little Flower 「花を見てきたの」髪をタオルで拭きながらチハは言った。「桃子たちの植えた花」 そう言い添えられても、あたしが見当を付けるまでには一拍以上を要した。「ああ、〈永遠の花〉の時のか。花屋とのタイアップでガーデニングをしたんだったな」 「ええ。少し遠かったけれど、ランニングにちょうどよかったわ」 「そっか」湯の中でパスタを踊るに任せて肩越しにチハの体を見遣る。長い髪とバスタオルの隙間で、上気した肌が次第に透きとおるような白さを取り戻していく。「きれいだ──ったか?」 「そうね……もう、時間が経ってしまったから。見頃は過ぎてしまったみたい」身を屈めてショーツに脚を通しながら、「けれど、小さな花がひとつ、とてもきれいで。もしかしたら、いえ、きっとあれが桃子の気にかけていた花だと思う。よかったわ。遅咲きだった分、長く咲いていてくれて。ねえ、ジュリア?」 「ん、うん?」 「何の音?」 そう言われてキッチンタイマーが鳴り続けていたことに気付く。 (以下続)
2 22/07/03(日)18:55:36 No.945265321
(承前) 小さなテーブルに二人、並んで芯のないパスタを頬張る。チハはくつくつと笑っていた。「本当に、もう。シャワーも借りて言うことではないかも知れないけれど、私だってスパゲッティくらいちゃんと茹でられるわよ」 それについては言いたいこともいくらかあったが、軽い悪態だけを返すにとどめた。 皿を持ち上げながら大盛りのパスタをすする。その隣で背筋を伸ばしたチハは丁寧に巻き取りながら、ゆっくり、一口ずつ、半束分のパスタを口に運んでいく。 チハは、特に意味もなく点けているテレビの画面を真っ直ぐに見据えている。控えめな笑いを時折、相槌のように漏らすその横顔を、あたしは時折、横目で見る。どこか寂しげで、悲しみを裡に秘めたような笑顔。 きれいだ。とても。素直に思う。 けど、衒いなくそう伝える気持ちにはなれない。 ファンレターの山が届きこそすれ、チハが学校で告白を受けたとか、そういう話は聞いたことがない。何となく、分かる気がする。プライベートでチハが見せるきれいさは、褒めそやされる類いのものではない。他者を拒む気質が削がれたとしても、そのことに変わりはない。 (以下続)
3 22/07/03(日)18:55:57 No.945265451
(承前 ふたりで二人分のパスタを食べ終える。 片付けを買って出たチハの奏でる水音を、テレビから聞こえる声の隙間で聞く。聞きながら、チハはどんな思いで花を見に行ったのだろうかと考える。ただランニングのついでというわけではないのだろう。そうとすれば逆に、見頃を逃す前にそうしていたはずだ。 チハが、モモのことを常に気にかけているのは何となく察している。一方で常に、一定の距離をおいていることも。モモの気持ちに寄り添うことは、チハにとって、容易でも安易でもない。 希望を持つことの困難。チハは、モモとそれを共有できるのだろうか。 希望を持つべきか、持たざるべきか。その選択ができることを、むしろ妬むのではないだろうか。 気持ちの整理をどのようにつけたのかは知れない。けれど、チハが今も悲しみを裡に湛えていることは分かる。 水と食器の夜想曲が鳴り止む。呆とテレビを見るあたしの横をチハが歩む。 「ごめんなさい」ベッドから声が届く。「先に休ませてもらうわ」 「ああ、うん」曖昧に答えながらテレビを切る。 「……ありがとう、ジュリア」チハは微笑みを寄越すとシングルベッドの半分に身を横たえた。 (以下続
4 22/07/03(日)18:56:23 No.945265603
(承前) きれいだ。 きれいだったのだろう。チハの気持ちがどうであれ、そんなこととは無関係に、花は、きれいだったのだろう。 そのことが悲しかったのではないだろうか。 灯りを落としてベッドに向かう。電球色の小玉が照らすチハの横顔、まだ寝入ってはいないのだろうその顔を見る。目を伏せていても、その顔に浮かぶ色は変わらない。 あたしの気持ちと無関係に悲しみながら微笑むチハは、とても、きれいだ。 遅咲きの小さな花は、朝露に濡れることもあっただろう。 チハも、そうなのだろうか──そうであるはずだ。 モモの花を見に行くまでに、気持ちの整理をつけるまでに、そのきれいな顔を涙で濡らすことがあったはずだ。 あたしではない、誰かの前で。 背中を向けて横になるチハの隣に、あたしも身を横たえる。 「ん……ジュリア?」あたしが腕を伸ばす、その気配を感じ取ったチハが、漏れるような声を出す。「ごめんなさい、今夜は──」 あたしは何も応えない。構わず、伸ばした手をチハの部屋着の裾に差し入れる。 「ん──ジュリア……っ」 (以下続)
5 22/07/03(日)18:56:49 No.945265766
(承前) ひとつ屋根の下で一晩を過ごすことを何度か重ねて、チハとあたしが違うところをいくつか知れた。その一つがこれだ──チハは寝るときにブラを着けない。 「ん……ふっ」だから、ゆったりとした部屋着の中へ侵入したあたしの左手は、あっさりとチハの敏感な蕾を捉えた。「ふ、ん──じゅり、あっ!」 チハが身をよじる。その動きに合わせて右腕を体の下へ滑り込ませて、なだらかな右の膨らみを、部屋着の上から手で覆う。「ジュリア、ん……ねえっ、今夜は、ダメと──んっ、ふっ!」 右手は大きく、時に力強く。左手は出来る限り細やかに。 「ふ、ぁ……あ……っ、や、ぁ……っ」チハの声が、色づく。「あ……っ、やっ、あっ、あ!」 背中を反らせたそのタイミングで、腕に力を込めて、上体を起き上がらせる。力みの後で力の抜けていたチハの体は、彼女自身の意志をあっさりと裏切り、あたしの促しに呼応して、ベッドの上に座り込む姿勢になる。 「……あ……あ……ぁ」期待とも恐れともつかない声。身を守るものが何もないまま、チハの後ろには、あたしが。 (以下続)
6 22/07/03(日)18:57:15 No.945265916
(承前) 痛々しいほど大きく膨れて立ち上がった、チハの乳首。あたしはそれを転がす──右手で服越しに、左手で直接に。 「はっ!あっ、や!あ、やっ、あ、んっ、あ、あんっ!」 抑えの利かなくなったチハが鳴く。いい声で、あたしの指遣いで。 夜間灯の薄明かりの中で、チハの紅潮した頬は仄かに光るようだ。その頬に、自分の頬を擦り付けるように、あたしはチハの肩に顎を預ける。 「チハ──」囁き声が聞こえているのか、いないのか。どっちでもいい。あたしの声は、呼びかけじゃない。 あいつの前でなら、チハは泣けるのかも知れない。 けれど、あたしだって、チハを泣かせることができる。 そのことを、ただ、そのことを教え込ませるように。「チハ──ッ」 「あ、あっ!あっ、ああああ──っ!……ぁ」 指を開いて、つねり上げていた乳首を解放してやる。くったりと力の抜けたチハは、それでもまだ、咽び泣きをやめてはいない──やめられるはずがない。 あたしには分かっている。 (以下続)
7 22/07/03(日)18:57:45 No.945266088
(承前) 「ぁ……あ……じゅり、あ……?」喜悦の涙を湛えながら、余韻と前兆の小刻みな震えを伴いながら、チハは、媚びるような笑みを顔に浮かべている。「ね、じゅりあ?その……もう、満足したでしょう?ね?あとは私が、して、あげるから……ね?」 分かってる。頷きを一つ返して、あたしはチハの首筋にキスをする。脈動を感じるように、長く、その唇を離さない。 「……だ、だめ。ダメよ、ジュリア。だめ」小さくかぶりを振るその声には、はっきりと、怯えの色が際立つ。「だめよ、ジュリア……だめなの。おねがい、今は、だめなの、本当に……ね?分かるでしょう?」 分かってる。ああ、あたしには分かっている。 チハの言葉があたしを拒む時──その体は、 あたしを求めてる。 「だめ、だめ……じゅりあ、お願い、だめ──」部屋着の下を脱がしていくあたしの手を、チハの手は、止めようとしない。 「じゅりあ──ね、じゅりあ?お願い。ね?だめ、だめなの」言葉を耳で聞きながら。脈動を唇で聞きながら。膝立ちになったチハのショーツを、降ろしていく。 蜜の滴り落ちる音さえ、聞こえてきそうだ。 (以下続)
8 22/07/03(日)18:58:22 No.945266294
(承前) 「ね、じゅり──んっ」唇を薄く開いて、舌先でくすぐる。「ん、は……ぁ」 首筋への刺激だけで甘く達するような、声。無理もないだろう。あたしだって女だ、意に反して達したあとの体がどれほど無防備になるものか、よく分かる。 だから手心を加えず舌先を動かし続ける。チハの体が、無防備な女の肌が、いちばん嫌がっていちばん悦ぶように。祈りを込めるような優しさで。「あ、は──っ、ぁ……ッ」 体が軽く跳ねたその拍子に、薄い茂みに覆われたチハの陰唇が、あたしの指先に口付けた。 くちゅり。 「ぁ──っ!」慌てて腰を引こうとしても、無駄。あたしの左手の中指は、もう、花弁をとらえて、その蜜の味も知ってしまっている。「ゃ、や……やめ、やめ、て、ジュリア……」 首筋から唇を離して、チハの横顔を間近に見る。 きれいだ。 ぽろぽろと涙をこぼす、摘みごろの花。 あいつはこれまでに何度、この顔を見てきたのだろう。 関係ない──関係があるとしても、この花は今、あたしの手の内にある。 「じゅりあ……だめ……」 震える、か細い声。チハが、あたしの指を絞める。 (以下続)
9 22/07/03(日)18:58:41 No.945266392
(承前) 「チハ」拒みながら求めるその動きに、あたしは呼応する。「あたしの、チハ」 「だめ、ジュリア、やめて、だめ、あ、あっ、ああああああっ!」 ほんのわずかに指を曲げる。それだけで、それだけが、チハの体へのトドメになる。 「あああっ!あっ、あっ!あっ!ああっ、あっあ、あ!」蜜壺の中のかすかなしこり。その場所を指先で絶対に逃さずに、押し込む。圧をかける。「ああああ!ダメ、だめ!ジュリアっ!これ、ダメっ!だめ、だめ、ああああ!」 指をくねらせたりなど、してやらない。気持ちよくてどうしようもなくなる、その瞬間を。女が散り果てる束の間の快楽を、永遠に味わわせる。「チハ。チハっ」 「いやっ、いや!これ、いやっ!ジュリア、ああ、ジュリアっ!いや、いやっ、こんな、イキかた、いや!いやっ、ああああ!」 あたしの世界に咲く花。それは、ならば、あたしのものだ。他の誰のものでもない。チハのものでも、ましてや──。 「チハ。いけっ、チハ!」 「あ!ああああ!あ──────」 声が途切れる、とともに、 ──ぷしっ。 チハの蜜壺が、決壊する。 (以下続)
10 22/07/03(日)18:58:56 No.945266494
(承前) ──ぷしっ、ぷしゅ、ぷしゃぁ。 「ぁう、はぅ、は」声ともつかない吐息を絞り出しながら、チハの体が崩れ落ちる。自らの失禁した蜜溜まりの中へ。その中で無様に痙攣する。 チハが自分の体の所有を失ったことは明白だった。その花を誰に捧げることも、もう出来ない。あたしが摘み取った、花。 それで──ふと、冷静さが押し寄せてくる。 それで、どうするんだ?あたしは、この花を。 花の生け方も、花輪の編み方も、知らない癖に。「あ……チハ」 摘み取られて、打ち捨てられた花は、ただ萎れて枯れるばかり……。 ちがう。 「……ジュリア」チハが、ゆらりと体を起こす。「ジュリア」 打ち捨てられた花は、己自身を糧に、再び巡り咲く。 「あ、ち、ちは……待て、待てって、悪かっ──」 「ジュリア……ッ!」 蔦が伸び、葉が茂り、むせかえるような花の香りがあたしを包む。 (以下続)
11 22/07/03(日)18:59:30 No.945266676
(承前) ☆ 「言っておくけれど、謝ったりしないわよ」シャワーを浴びた後の、さわやかなソープの香り。それに見合うように、チハの声は涼やかだった。「クリーニング代は半分出すけれど」 「ああ──いや、折半なんかしなくていいから、さ。マットレスとシーツ、買いに行かないか」まだ力の抜け切った体から、どうにか声を絞り出す。「クリーニングでどうにかなるとは思えないし、そもそもどんな顔して持ってきゃいいんだって話だし」 「それもそうね」小さく、楽しげに笑って、「ねえ。折角なら花柄のシーツにしましょう。 きれいな花でいっぱいの」 「はは、そりゃいい──」肩にかかる重さで、私の声がもう届いていないことを知る。ひどい有様のベッドを背もたれにして、あたしも夢を目指す。 夢の中ではうちらは別々だ。そのことは少し悲しかったが、今は、この束の間は、寄り添って咲きあえる。 そのことが、ただ嬉しかった。 (了)
12 22/07/03(日)19:01:51 No.945267533
fu1220515.pdf まとめ版は前後に少し加筆したものと あと以前に書いたじゅりちはものもあわせてあります ご笑納ください
13 22/07/03(日)19:13:37 No.945272311
大作すぎる…