虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    22/07/02(土)19:36:55 No.944866963

    「あ゛っついよトレーナーちゃ~ん…」 「ああ、本当だな…」 ソファに横たわるマヤノトップガンをトレーナーが団扇で仰ぐ。彼女は少しでも放熱するために制服を着崩している。窓を全開にしたトレーナー室は気が滅入るほどに暑い。それもそのはずだ。連日の猛暑で、トレセン学園は灼熱地獄と化していた。 それに加えて突然のエアコンの故障だ。さすがにこの暑さでは、練習することは出来ない。 「ねぇトレーナーちゃーん…プール行こうよー」 「マヤノも見ただろ…。あれは無理だよ…」 部屋で涼めないならば、水中で。そう考えた者は多かったらしく、屋内プールは大勢の人でごった返していた。すし詰め状態のプールに入っては返って体調を崩してしまうだろう。 「ぶーぶー…何とかしてよー」 マヤノはお願いするけど、その声にいつもの勢いはない。彼女の願いを聞き届けたいのは山々だが、どうにも手詰まりの状態だった。

    1 22/07/02(土)19:37:22 No.944867116

    「あ、そうだ!」 その時、ふと閃いた!このアイディアはマヤノトップガンの避暑に活かせるかもしれない! 「マヤノ、水着を着てきて。こっちも準備しておくから!」 「?」 プールが無いなら、用意すればいいじゃないか!トレーナーは用具室に走った。 「トレーナーちゃん? 水着を着てきたけど…ってあー!?」 「ふっふっふっ、来たかマヤノ。さあ、入ってくれ!」 マヤノを待っていたのは、円形のビニールプールと、プールにホースで水を注ぐトレーナーだった。トレーナーもスラックスとシャツ姿から、ハーフパンツとTシャツに着替えて準備万端だ。 「すっごーい! こんなのどこから見つけてきたのー!?」 「前に倉庫を整理した時に、これを見かけたのを覚えていてな。誰のものか分からないが、ありがたく使わせてもらおう」 ばしゃばしゃと音を立ててホースから水が注がれる。トレーナー室の建物で生まれた日陰に設置されたプールはいかにも涼しげな様子だった。

    2 22/07/02(土)19:37:37 No.944867212

    「どうしたマヤノ? 入らないのか?」 「えへへー…、じゃーん!」 「!? マヤノ、それは」 制服で身を隠していた彼女が一息に脱ぐ。そこにあったのは、学園指定の見慣れたいつものスクール水着ではなく、可愛らしいフリルの付いた白いビキニだった。 「サプライーズ! どーおトレーナーちゃん? 驚いたでしょー☆」 「そりゃもう…。心臓が飛び出るかと思ったよ」 ここは学園なのに。そう彼女を注意するべきなのに、トレーナーは何も言わなかった。今は練習時間ではないし、せっかく上機嫌なマヤノの気分を損ねるのは避けたかった。それに、彼女が自分のために精一杯のおしゃれをしてくれたことが嬉しかったのだ。

    3 22/07/02(土)19:38:07 No.944867392

    「髪結んでトレーナーちゃんっ!」 「ああ、うん」 マヤノから渡された黒いシュシュを受け取り、ポニーテールにする。髪で隠れていた白いうなじが露わになる。きめ細やかな肌にうっすらと汗が浮かんでいる背中に、つい手が伸びる。 「ひゃっ!? くすぐったいよ~トレーナーちゃん!」 背中の溝を指先でそっとなぞると、彼女の体がびくっと震えた。 「ごめんごめん、よし。もういいぞ」 「終わったー? よーしそれじゃあ…ランディンーグ!」 マヤノが勢いよくプールに飛び込む。飛び込んだ勢いは水面を揺らして、ときどきプール縁の部分から水を漏らした。ようやく体を冷やせた彼女は、喜色満面の様子で、鼻歌を歌いながら足をばたつかせている。右手に団扇を持ち自分を仰ぎ、左手に持っているホースでマヤノに水をかける。彼女がはしゃいでいる様子を見ていると、トレーナーも涼しくなったような気がした。 「トレーナーちゃんは入らないの?」 「いや、俺は水着じゃないから…」 「いいからほらー!」 「ちょっ!」

    4 22/07/02(土)19:38:27 No.944867508

    ウマ娘の力は常人を凌ぐ。少女の細腕で引っ張られたトレーナーは、抵抗むなしく着水してしまった。 「トレーナーちゃん…」 仄かに頬を赤らめたマヤノが、潤んだ瞳でトレーナーを見つめる。倒れた勢いで彼女に覆いかぶさるような態勢になっていたトレーナーが顔を近づけると、彼女も目を閉じて── 「痛っ!」 「あんまり大人をからかっちゃ駄目だよ、マヤノ」 果たして、マヤノが憧れていたようなロマンチックな状況は訪れなかった。トレーナーは鋼の意志を以て耐えたのだった。 「もーいいフンイキだったのにー!」 デコピンを喰らったマヤノは、額を抑えて不満気だ。 「そういうのは大人になった時のために取っておきな」 「むー…じゃあさトレーナーちゃんっ」 「何?」 「マヤが本当の大人のオンナになっても、これから先も一緒にいてくれる?」 「もちろん! マヤノが許してくれるならいつまでも一緒にいたいよ」 「ホント!? マヤのロックオンはしつこいから覚悟してねトレーナーちゃんっ!」 「はは、マヤノみたいなかわいい子に狙われるなんて俺も果報者だな」

    5 22/07/02(土)19:38:44 No.944867593

    「ねぇトレーナーちゃん」 「なに──」 マヤノがトレーナーの右手を引き寄せて、二人の顔が団扇で隠される。団扇がどかされて、再び露わになった彼女ははにかんでいて、それが艶めかしささえ感じさせた。 「えへへ…お口でのチューはまだ早いかもだけどこれくらいは、いいよね?」 「あ、ああ…」 「マ、マヤアイス食べたくなっちゃった! 先行ってるねっ!」 「あ、ちゃんと体をタオルで拭いてからトレーナー室に上がるんだぞ!」 「アイ・コピー!」 顔を赤くした彼女は、早々とプールから上がると去っていった。 「参ったなあ…」 トレーナーはまだ柔らかな感覚が残っている左頬を掻く。少女が大人になるのは意外と早いのかもしれない。

    6 22/07/02(土)19:39:19 [おわり] No.944867786

    俺はロリコンじゃない これだけは伝えたかった

    7 22/07/02(土)19:40:08 No.944868033

    私はいいと思う

    8 22/07/02(土)19:40:09 No.944868039

    健全だ…

    9 22/07/02(土)19:40:10 No.944868043

    >俺はロリコンじゃない >これだけは伝えたかった なるほど話は署で聞きます