虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。新しいログはこちらにあります

22/06/25(土)23:53:18 「やは... のスレッド詳細

削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。

22/06/25(土)23:53:18 No.942553180

「やはりG1直前のこの空気は格別だね!ボクの雄姿を大舞台で披露する……そのために日々努力してきたのだから!」 「ああ……そうだな」 春のグランプリ、宝塚記念出走の時が迫る中、自分がトレーナーとして指導するウマ娘、テイエムオペラオーはいつもと同じように振舞っていた。

1 22/06/25(土)23:53:52 No.942553443

オペラオーは、これまで多くのレースを経験してきたが、どの場面でも大きな緊張や動揺を見せたことはない。それはレースに置いて、冷静に、的確な場面で勝負を仕掛けられる判断力となる。 類まれなる勝負運びの才能と鋭い差し脚。その実力から、彼女はデビュー当初から大きな注目を浴び、ゆくゆくは優秀な戦績を収め、世代の中心となりうる存在だ、とまで言われてきた。 その言葉を裏付けるように、彼女の今までの出走成績は目を見張るものがある。過密とも呼ばれるローテーションの中で、今までの最低順位は4着。出れるG1にはすべて出走している、と言っても過言ではないのに、パフォーマンスは衰えることを知らない。 だが、現実はそう甘くはなかった。 「今日のこの舞台では、なんとしてもドトウに勝たなくてはいけないからね!」 オペラオーは、今まで一度もG1で勝利を収めらていない。

2 22/06/25(土)23:55:33 No.942554109

その主たる理由は、彼女と同世代のウマ娘、メイショウドトウがG1タイトルをほぼ独占するように勝利し続けてきたことにあった。 デビュー当初はまだ体が完成していなかったと言われた彼女だが、クラシックではそれ踏まえてなお皐月賞に勝利。 その後クラシックでは大きなレースに出場はなかったが、翌年シニア路線に進み、天皇賞春で久々にオペラオーと同じレースに出走。そこで完成されたとも言われる圧巻の走りを見せつけられることとなった。 ドトウの主な戦法は、前目につけてのロングスパート。他のウマ娘を疲弊させた上で、自分は根性だけで走り切るという、横綱相撲とも言える力を示す走りだ。 これはオペラオーにとっては都合がよいとも言える。彼女は、前を行く有力なウマ娘をマークし、ゴール直前で差し切る走法を得意としている。 だが、この走りは相手の方が実力が上なら通用しない。オペラオーは今まで一度たりともドトウを差し切れたことがなかった。

3 22/06/25(土)23:56:20 No.942554432

ギリギリまで迫るも、あと一歩で差し切れない。そんなレースが続き、メイショウドトウは去年、中長距離路線全てのG1で勝利しグランドスラムを達成、さらに今年に入って二度目の天皇賞春でも勝利し同一G1連覇となった。 かのシンボリルドルフと並び、G1七勝を達成したメイショウドトウ。彼女は、皮肉にもテイエムオペラオーが自らを称する『世紀末覇王』を連想させる、『世紀末怒涛』と呼ばれるようになっていた。 メイショウドトウさえいなければ。そのようなことを口にする者も少なくない。……だが、オペラオー本人は、一度たりともそのようなことを口走ったことはなかった。 「さあ、そろそろ時間だ!決戦の舞台へ向かうとしよう!」 出走時刻が近づき、コースへ向かうオペラオー。まっすぐと地下道を進む背中を見て、俺は、聞いてはいけないことを口走ってしまった。

4 22/06/25(土)23:56:50 No.942554630

「オペラオー。君は、一度たりとも『ドトウがいなければ』と思ったことはないのか?」 その言葉を耳にし、歩みを止めるオペラオー。 そのまま数秒間沈黙が続き、彼女は、振り向かないまま口を開いた。 「ドトウは、ずっとボクに憧れていると言い続けていた。本格化が遅れ、思うように体が動かかない中、ボクの背中を見て追いすがってきたんだ。それはどんなにつらく苦しいことだっただろう?彼女には、ボクの背中がどれほど大きく見えたことだろう?……皮肉なことかもしれないね。身長も、レースでも、ボクは彼女の背を追い越せなかったというのに」 オペラオーは、くるりとこちらを振り向き、やはりいつもと同じように続けた。

5 22/06/25(土)23:57:24 No.942554855

「だけど、ボクがドトウの憧れであるということは変わらない。ドトウは、ボクの何かに勇気づけられて走り続けてきたんだ。それはボクにとっても同じさ。ドトウの、どんなときにも諦めない姿勢が、ボクに勇気をくれたんだ。メイショウドトウがテイエムオペラオーを追い続けてきたように、テイエムオペラオーもメイショウドトウを追い続けているんだ!ドトウがいたからこそ、ボクは世紀末覇王であれたんだ!」 一点の曇りも見せないオペラオーの表情が物語る。 ああ、そうだ。彼女の何よりの強みは、自分を疑わない自信と勇気じゃないか。ドトウに何度敗れても、その自信と勇気を何度も見せてくれるからこそ、オペラオーは世紀末覇王なのだ。 「さあ、開幕の時間だ。今までは最も華やかな道を譲ってきたが、今回ばかりはそうはさせない。今宵のプリマドンナはこのボクさ!」 今度こそみられるだろう、彼女の覇道に華が開く瞬間が。

6 <a href="mailto:s">22/06/25(土)23:58:23</a> [s] No.942555270

ドトウの隠しイベントのオペラオーです 運命を履き違えてもオペラオーはオペラオーだと思います

7 22/06/25(土)23:58:45 No.942555416

逆だったかもしれねェ…

8 22/06/26(日)00:00:04 No.942555955

これで宝塚の舞台で!高らかに歌うはオペラオー!したら脳が焼ける

9 22/06/26(日)00:34:29 No.942570340

>運命を履き違えてもオペラオーはオペラオーだと思います 解釈が一致すぎる…

↑Top