22/06/22(水)23:09:11 「今日... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1655906951894.png 22/06/22(水)23:09:11 No.941475661
「今日はちょっと早く帰れそう」 『本当か?あまり無理はしないで』 「無理をしてでもアンタと一緒にご飯食べたいの」 『そう言われると腕によりをかけて作りたくなるよ。何か食べたいのある?』 「トレーナーが作ってくれるのなら何でも。ごめんね、そろそろ打ち合わせに戻らなきゃ。じゃ、また後で。……で、何の話だっけ?」 「開幕イチャつかないでください」 府中某所、とあるファミレスにて。メジロドーベルは担当編集の目の前で電話越しにイチャついてみせた。否、この場においては“メジロドーベル”という呼び名は相応しくないだろう。彼女は“メジロレトリバー”、好きな手料理はにんじんハンバーグ、正体不明の天才少女漫画家であった。 「イチャついてなんかいないよ。ただのアシスタント兼飯スタントとの業務連絡」 「貴方そのアシと付き合ってるじゃないですか。……まあいいです。幸せなのは結構なことですし、ネタに事欠かなそうなのは編集部としてもありがたい話です」 「ところがそうでもないんだ…」 「驚きました。あんなにお熱くてもネタに詰まることあるんですか?」 ため息をつくレトリバー先生に、編集は意外そうな声を上げた。
1 22/06/22(水)23:09:55 No.941476057
「商業の方ではないよ。問題はumabの方」 「umab?お絵描き依頼の?レースに学業に原稿とただでさえ忙しいのにそんなのにかまけてるヒマあるんです?」 「趣味くらい良いでしょ。よく依頼してくれるアタシのファンがいるんだけどさ、この前リア凸されちゃって」 「結構なオオゴトじゃないですか?」 「あー、大丈夫。心配しないで。同じくトレセンの子だから。ただ割とお冠でさ、『いい加減私の依頼通りの作品描いてくれないと先生の正体を皆にバラしますよ』って」 「やっぱりオオゴトじゃないですか?」 「うぅん、大丈夫。人に迷惑をかけることをする子じゃないよ。でも言った通り怒っててさ、どうしたらいいんだろうって…」 「先生が依頼通りに描いてないのが悪いんじゃないですか?どんな依頼を?」 「自分と自分の想い人を題材にしてメリーバッドエンドを頼んでくるよ。あと親友の死」 「ナマモノでメリバにしつつ親友殺すんですか?変な人じゃないですか?」 「でしょ?だからバッドエンド直前までいって親友に全部救済してもらう展開で応じてるんだけど、お気に召さなかったみたいで…」
2 22/06/22(水)23:10:49 No.941476484
「それで怒られないと思ってる先生も変な人です」 「とうとう怒って『この際シチュエーションは何でもいいので私とトレーナーさんのイチャイチャしてるやつ描いてください』って直接言ってきたわけ。何でもいいが一番困るんだよね。夕飯作るお母さんの気分」 「先生もさっき彼氏さんにやってましたよ?」 「で、何描こうか悩んでいたわけ」 「はぁ。事情は分かりましたけど、それ担当編集に相談することじゃないですよね?」 「乗りかかった船でしょ」 「それこっちが言う台詞なんだけどなぁ…」 不満気味に編集は零した。 「シチュ自体は決めたんだ。6月だし、ジューンブライドで行こうと思う。手元にちょうどウェディングドレスの資料もあるしね」 「なるほど、想い人との話ならまあ喜ぶんじゃないですか?……資料?」 「これだよ」 「これって…先生ですか!?めちゃくちゃ綺麗に撮れてるじゃないですか!」 「去年のだけどね。ビューティ安心沢って人に作ってもらったドレスだよ」
3 22/06/22(水)23:11:19 No.941476717
「競走ウマ娘の世界に明るくない私でも名前は聞いた事ありますよその人!確か有名な勝負服のデザイナーですよね?そんな人に作ってもらえるなんて先生本当にすごいウマ娘だったんですね!」 「うぅん。アタシなんてまだまだ。道半ばもいいとこだよ。メジロのウマ娘として、先達に負けないように頑張らなきゃ」 「何でレースに関してはめちゃくちゃストイックなんですか!?」 「この時だって、先輩達がいなかったら私はドレスを貰えなかった。皆の力があってこそだよ」 「漫画描いてる時にその謙虚さを出してください!」 メジロドーベルとメジロレトリバーで変わりすぎだろうと編集は頭を抱えた。 「アタシのウェディングドレスは別にどうでもいいでしょ。問題は依頼に応えることだよ。取り敢えず下描きね。そのファンの子とお相手の結婚式の一枚絵」 「おぉ、流石に上手い。こういうのは本当に結婚する時に贈るものでは?というツッコミはさておき上手いですよ先生」 「当然でしょ。誰が描いてると思ってるの」 「良かったいつもの先生だ」 ちょっと胸を撫で下ろした編集であった。
4 <a href="mailto:終わり">22/06/22(水)23:12:54</a> [終わり] No.941477350
「シチュも決まったんだし後は描くだけじゃないですか?これならそのファンの方も喜びますよ」 「そうだね。後はどこでキングを活躍させるか…」 「待ってください。誰ですって?」 「キングヘイロー、依頼主の親友」 「殺される人ですか」 「アタシがそんなことさせない」 「いやそうするのを望まれてたのに無視したからリア凸されたんですよね?先生がそのキングさんを活躍させたいだけでは?」 「そうだよ」 「言い切るな」 「どうせ描くならかっこよく活躍させたいでしょ。…よし決めた。新郎新婦の実家は結婚に反対してて、駆け落ち気味に二人は結婚するんだけど、当然追っ手が来る…その追っ手から二人を逃がすキング!これで完璧!」 「もう好きにしたらいいんじゃないですか」 後日、結婚式描写4ページ、キングの活躍26ページの漫画をセイウンスカイに渡したら苦虫を噛み潰したような顔をされたものの、結婚式描写自体はとても気に入られ、ギリギリ許してもらえたレトリバー先生だったとさ。
5 22/06/22(水)23:14:00 No.941477819
キングが描きたいだけですよね先生?
6 22/06/22(水)23:15:17 No.941478411
>キングが描きたいだけですよね先生? そうだよ
7 22/06/22(水)23:17:33 No.941479463
だって面白いじゃない キングヘイロー
8 22/06/22(水)23:18:32 No.941479986
>後日、結婚式描写4ページ、キングの活躍26ページの漫画をセイウンスカイに渡したら苦虫を噛み潰したような顔をされたものの、結婚式描写自体はとても気に入られ、ギリギリ許してもらえたレトリバー先生だったとさ。 このページの割合許すなんてセイちゃん寛大すぎでは?と思ったけど今までの作品のせいで麻痺してんのかな…
9 22/06/22(水)23:25:45 No.941483243
セイちゃんちょっと怒りますね…
10 22/06/22(水)23:32:52 No.941486134
セイちゃんムカつきながらまあ許したのか…
11 22/06/22(水)23:34:10 No.941486651
次からキング成分を増やすから
12 22/06/22(水)23:39:45 No.941488802
違う そうじゃないんです
13 22/06/22(水)23:50:54 No.941492853
26…26!?
14 22/06/22(水)23:56:06 No.941494701
>セイちゃんムカつきながらまあ許したのか… 悔しいけど面白いんですもん…
15 22/06/23(木)00:13:37 No.941501550
悔しいけどキングが格好いい…
16 22/06/23(木)00:22:01 No.941504706
レトリバー先生の身近にいる主人公適性Sだしな…