虹裏img歴史資料館

画像ファイル名:1655734146663.jpg 22/06/20(月)23:09:06 No.940819635

引っ越したいと君が言ったから六月二十日が転居記念日。 ぴるす君が概念のみの存在になってから幾星霜、今日もどこからかけおけおと意味ある日本語で無意味に喚く声が聞こえる。 朝日のような夕日を連れて舞台の床が傾けばぴるす君は奈落へと真っ逆さまにお引越し。 ぐちゃりと肉の潰れる音。うわあ汚い。ザオリク。 平たく戻った舞台の上に首を傾げるぴるす君が生き返った。 わたしの顔を見て震えだし、走り、転び、喚いた。ザキ。死んだ。 彼が閉じ込められた電車の宙吊り広告はとっくに失われているので、如何にわたしの顔に似ていようと出てくることは出来ないのだ。 ぴるす君が概念のみの存在になってから幾星霜、今日もどこからかけおけおと意味ある日本語で無意味に喚く声が聞こえる。 朝日のような夕日を連れて舞台の床が傾けばぴるす君は奈落へと真っ逆さまにお引越し。 ぐちゃりと肉の潰れる音。けれど永劫回帰は熱力学によってとっくに否定されている。 何時か完全に忘れ去られるその時が誰も知らないぴるす記念日。