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22/06/12(日)00:05:38 トレセ... のスレッド詳細

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22/06/12(日)00:05:38 No.937613262

トレセン学園の合宿所はかなりの範囲の砂浜を練習用のプライベートビーチとして貸し切っている。これはトレーニングが休みの日には個人練習や遊戯の場として使われており、屋台や一般客との交流を楽しむ生徒が遠くの一般客用の海水浴場に行くぐらいで、ほぼほぼトレーナー達も広いし空いているしでプライベートビーチを使う。 私も今日はレクリエーションとしてチームと共に遊ぶために砂浜にやってきていた。照り付ける日光と熱を吸っている砂浜のダブルパンチで下手をすればパラソルの下でもミイラになりかねない。 遊泳ということでチームの皆も水着、なのはいいが私まで何故だか水着に着替えさせられている。しかも自分で買ったものではないチームの皆が持ち寄ったものをなぜか選ばされた。 「樫本トレーナー競泳水着風のやつにしたんですね! 似合ってますよ!」 私が今来ている水着の持ち主であるビターグラッセが嬉しそうに口にした。嬉しそうなのはおそらくは賭けに買ってアイスを総取りしたからであろう、トレーナーを賭けの対象にするとは全く。

1 22/06/12(日)00:05:57 No.937613404

「当たり前でしょう。あとの水着は派手すぎます。パレオやらビキニやら……スクール水着までありました」 「一応二番人気だったんですけどね、スクール水着!」 「この年で着れますか。競泳水着でもギリギリなんですよ、こんなにふとももが……まったく……」 しかも問題なのは、いかにも泳ぎが得意そうな人間が選ぶような水着を着用しているのがまったくもって泳げない人間だということである。学生時代はクロールをしようとしたら受け持ちの教師が血相を変えプールに飛び込んできて危うく救急車まで呼ばれそうになった始末である。それかというものの犬かきしかできていない。 「でもまぁちょうどよかったんじゃないですか? ほら、チームキャロッツのトレーナーに見せるにはちょうどいいでしょう?」 「か、彼は関係ないでしょう彼は」 だがまぁ、彼なら喜ぶだろうなとは心のどこかで思っていた自分がいるのも確かである。

2 22/06/12(日)00:07:16 No.937613898

彼と来たら日常生活でも装いを少し変えただけで、犬のように理子さん理子さんと見つけて喜んで大興奮といった忙しさであるから。 そういえば夏合宿に入ってから理子さんと呼ばれた記憶があまり無い。トレーナー業で忙しいので当たり前だがそれに一抹の寂しさを覚えるのはいよいよ私も恋愛神の教徒に張り果ててきたか、それか夏の暑さのせいか。 「そういえば皆は?」 浅瀬で遊ぶ姿を遠くで見つめていたはずのチームの皆が形もなくなっていたので、ビターグラッセに尋ねてみると彼女は只指だけをむこうの方へと向けた。 顔を向けると何やらチームの数より多いウマ娘の集団がワイワイとにぎわっており、やがて集団が息を合わせたように同時に動くと、その中から何かの影が太陽を横切って私の前の海に着水した。 「あぁぁぁぁぁ!?」 ウマ娘の凄まじい力で投げられたのだろう、鋭い悲鳴が聞き覚えるのある声と同時だ。数秒して着水場所から顔を出すのが見えると、やはり彼である。

3 22/06/12(日)00:07:47 No.937614109

「ぶはぁ!? と、トレーナーをぶん投げるウマ娘がいるかー! 死ぬかと思った……コレ君たちのトレーナーにやるんじゃないぞ! 絶対死ぬからな!」 ビターグラッセが手を振ると、それに気づいた彼がこちらをみて私を見る。そして何を企まれたか気づいたらしく、自分を発射した集団へと顔を向ける。 「樫本トレーナー泳げないからー! 教えてあげてくださいー! 私達は合同で遊んでいるんでーー!」 「そうそうーー! ちゃんと泳げるようにしてあげてねトレーナーーー!」 そんな声が遠くから聞こえてきて、彼女達のたくらみに私も気づく。ビターグラッセの方に顔を向けようとするとすでに彼女あちらに走り出していた。 「ちょ、ちょっと! それならアタシが教える! なんでアイツがあぁぁぁぁぁぁ……」 集団の中でまた何かが私達とは逆方向に発射された誰かを見ながら、呆気に取られていると私のところまで彼が歩いてくる。びしょびしょだが短パンに前を開けたアロハシャツといった風貌だ。 「やれやれ……学生たちのパワーには恐れ入ります。着水間違ってたら全身強打ですよ」

4 22/06/12(日)00:08:05 No.937614233

「すいません、よく言っておきますから……」 「いえいえ。あ!水着、すごい似合ってます。髪のお団子も!」 「あ、ありがとうございます……」 ビーチパラソルの下、彼が隣に座った。しばらく海の風に吹かれながら寄せては返す波を見る。そっと地面をついていた彼の指が隣り合う私の指に触れた。 「今って……業務中に入るんでしょうか? それともプライベート?」 指が絡まっていくのを感じながら、横目で彼の顔を見る。暑さのせいではない火照りが顔に出ていた。 「プライベートだといったらどうするんですか?」 「パラソルが倒れたふりをして、影で三秒だけ……」 大胆と言うべきか、よくここまで我慢したというべきか。彼からしてみれば数週間、体の接触は皆無に等しいし誰からの眼もあって彼の日課もできてはしない。 「私達はここでは恋人未満だったはずですが?」 「好きです」 「此処で言っても仕方がないことでしょう。まったく……」 パラソルの芯に手を振れて少し力を入れると意外と簡単に大きな傘は風と共に傾いて、彼が身を乗り出してそれを捕まえる。と同時にその影の中彼の手が私の肩に優しく触れて三秒、四秒、五秒。

5 22/06/12(日)00:08:15 No.937614303

「……五秒でしたよ」 「……水泳のレクチャー代でどうか」 「まぁ、いいでしょう」 パラソルを立てながら二人で海の方へと歩いていく。遠くでは数人がニヤニヤとこれからみられる光景を楽しみにしているようだった。時にビターグラッセ。 しかし、彼女達が知る由もない数秒前のことを思い出して少しだけ罪悪感とは違う、ジュクジュクとしたものが胸に生まれて誤魔化すように唇を舌で軽く撫でる。 海にも入っていないのに、濃い塩水の味がした。

6 <a href="mailto:s">22/06/12(日)00:08:56</a> [s] No.937614617

年下からガンガン攻められてふにゃふにゃになる理子ちゃんの続きの続きの続きの続きの続きの続きの健全な続きの続きの続きの続きの続きの続きの健全な続きの続きの続きの続きの健全な続きの続きの続きの続きの続きの続きの続きの続きですご査収ください そしてこれがまとめです fu1155102.txt

7 22/06/12(日)00:11:20 No.937615567

今回もありがたい...

8 22/06/12(日)00:17:21 No.937617987

トレーナーこやつ二月も持たないのでは…?

9 22/06/12(日)00:27:41 No.937621921

気づけば大長編になってる…

10 22/06/12(日)00:34:49 No.937624402

合宿場近郊にお城ホテル在ればな…

11 22/06/12(日)01:15:34 No.937637253

またリトルココンの脳が破壊されかけてる…

12 22/06/12(日)01:26:17 No.937640201

帰った後大変だこりゃ

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