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22/06/02(木)00:31:49 「本当... のスレッド詳細

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22/06/02(木)00:31:49 No.934029249

「本当に、この距離感が合ってるのか……?」 「うん。信じられないかもしれないけれどね」 栗東寮のとある一室にて。 ベッドに腰掛けるフジキセキ。 そして、その膝にちょこんと座らせられて抱きしめられている小さく幼いウマ娘。 アドマイヤベガを幼くしたような、モコモコのファー付きのパーカーを羽織った『彼女』こそが──アドマイヤベガの担当トレーナーである。 「何が何だか……俺、本当は男なのに……」 そして。現在彼女は、一部の記憶を失っていた。

1 22/06/02(木)00:32:37 No.934029461

交通事故からアヤべを守り身代わりとなった『彼』が、この世とあの世の境で『彼女』の命と身体を授かって蘇った。 成人男性の肉体を失い、その代わりに幼いウマ娘の身体で命を吹き返した。 それがフジキセキの知る『彼女』の事情。 蘇るだけではなく、更に性別と種族すら変わってしまうとは──まさに奇跡としか言いようがないな、とフジキセキは思った。 「でも、確かにこうしてもらうと落ち着くような……ううん……」 「ポニーちゃん達の膝は君の指定席だったからね」 「ほんとに……?」 そして、そんな物語のような奇跡があった以上は、こうしてフィクションのように一部の記憶を失ってしまうということも有り得るのだろう。 そうフジは結論付けると、膝の上のトレーナーの頭を撫でた。

2 22/06/02(木)00:33:22 No.934029700

ほんの数時間前。 みんなにカワイイカワイイと愛でられているが、俺は男だ!やっぱり頼もしい存在でありたい!──そうトレーナーが奮起して寮の雑用を申し出たことがことの始まり。 春を迎えて、このままではもうすぐやって来る新入生達にも『俺』という存在を誤解されてしまうという危機感も感じての行動。 「そっか。じゃあ、倉庫の整理を手伝ってもらおうかな? 新入生の子達が来る前に片付けておかないとね」 「わかった! 任せて!」 袖を捲り、鼻を鳴らすその姿は幼い子どもが張り切っているようにしか見えないのだが──それを指摘しない優しさがフジキセキにも存在した。 そもそもの話として、トレーナーは立ち入り禁止のウマ娘寮にフリーパスで入れている事に何の違和感も抱かれていない時点で手遅れである。

3 22/06/02(木)00:33:35 No.934029764

「よし! やるぞー!」 そんな事にも気付かず、意気揚々と倉庫へと向かうトレーナー。 小さな身体に大きなやる気。 保護者役として当然のように同伴しているアヤベも、微笑ましげに見守っていた。 だがしかし、こういう時にこそ、得てしてトラブルは招かれるもので── 「ああああ……っ!!!」 アヤベの悲痛な叫びにフジが振り向いた時、そこにはたくさんの段ボールに埋もれて目を回すトレーナーの姿があった。

4 22/06/02(木)00:33:57 No.934029864

「大丈夫かい!?」 慌てて駆け寄るフジとアヤベ。 見たところ怪我はないようだが、何度もパチパチと瞬きを繰り返したトレーナーの第一声は── 「……あれぇ? 君達、誰……?」 ──アヤベの精神にヒビを入れるのに、十分過ぎた。

5 22/06/02(木)00:34:41 No.934030100

固まるアヤべと、まさかと勘付くフジ。 彼女達の前で、爆弾発言を落とした当のトレーナーは、 「というか、ここどこ……ん?」 「なんだか、声が高……髪も長い……えっ!? これ、耳!?」 「手もちっちゃくなってる!? えっえっえぇ!?……尻尾まで!?」 「……もしかして……ぁ……ない……うそ……」 「……おれ、ウマ娘になってる……?」 完全に、取り乱していた。

6 22/06/02(木)00:35:06 No.934030216

その後、トレーナーは病院へ。 恐らくは衝撃による記憶の混濁で、時間が経てば治るだろうと診断された。 そしてアヤベは愛しの存在による『誰』の一言により心に深い傷を負い、部屋のベッドで休眠中。 録音したトレーナーの音声を枕元で再生し続け、回復を図っている。 「……せめて、イヤホンで聞いてほしいなぁ……」 そんなことを言いつつも音声を切らない優しさがカレンチャンにも存在していた。

7 22/06/02(木)00:35:51 No.934030426

そんな経緯を得て、今はフジの膝の上で保護されているトレーナー。 彼女によると、トレーナーとして赴任した直後までの記憶はあるが、そこから先が曖昧になっているという。 「……本当、訳がわからない……」 つまり彼女の主観では、トレセン学園に来たばかりなのに、気が付いたら幼いウマ娘の身体になっていたということになる。 フジは、自分の腕に抱かれたトレーナーが、小さく縮こまって固まるのを感じ取った。 「でも……あの子……」 「アヤベのことかな?」 「うん。あの子が、悲しそうな顔をした時……凄く、胸が痛くなって……」 フジの腕の中で、震えが大きくなっていく。

8 22/06/02(木)00:36:26 No.934030595

「何もわからないけど……俺、きっと彼女に酷いことをしちゃったんだって……!」 「……もしかしたら、そうかもしれないね。でも、取り戻せないことではないさ」 そんなトレーナーを、安心させるように。 フジは、優しく、何度も彼女の頭を撫でた。 「記憶を失っても、心はちゃんと覚えている。それにこんな状況でも、君は自分のことよりアヤベのことを大事に思っている。何よりも自分の担当の子を優先するトレーナーさんだからね、記憶だってすぐに戻るさ」 「……そうかなぁ……?」 「うん。間違いないよ」 だから今は、と。 フジは震えるトレーナーをベッドに寝かせて、温もりを与えるように、自らの腕を枕代わりに彼女の頭の下に敷いた。

9 22/06/02(木)00:36:36 No.934030644

「眠って、休もう? 睡眠は記憶の整理をするものだって、お医者さんも言っていたからね」 「……わかった」

10 22/06/02(木)00:37:02 No.934030765

トレーナーの不安は尽きない。 でも、じわじわと、身体を温めていくもの。 自分を抱き締めるもの。 この感覚は──何故だか妙に、覚えがあるような気がして。 「お姉ちゃん……?」 「ふふ、そうだね。今は私が君のお姉ちゃんだ。安心しておやすみ?」 うとうと、瞼が重くなっていく。 不安も震えも塗り潰す温もりに、身を任せて── 「……うん……」

11 22/06/02(木)00:37:49 No.934031000

──後日。 結論から言えば、トレーナーの記憶は翌日には元に戻った。 寝る時は薄着派のフジを前に、完全に我を取り戻して大いに慌てるトレーナーはかなりの見ものだったとフジは語る。 「アヤベ、もう大丈夫だから……」 「ダメよ! もう怪我の一つも負わせないから……っ!」 そして、この一件を得て過保護が加速したアヤベ。 この出来事から一ヶ月間は授業もお風呂も就寝時もトレーニング時以外はトレーナーを抱き締めて過ごすようになった。 当然ながら、その光景は多くの新入生も目撃しており── 「かわいー! 妖精さんみたい!」 ──トレーナーの目論見は、180°ほどズレた結果を叩き出すことになってしまった。

12 22/06/02(木)00:38:23 No.934031188

更に。 「やあ、トレーナーさん。調子はどうだい?」 「あ、お姉ちゃ──っ! ふ、フジ! 絶好調だよ!」 「ふふ、それは何より。勿論、お姉ちゃんでも構わないけどね?」 気を抜けばフジのことを『お姉ちゃん』と呼ぶ癖がついてしまい、その度に、アヤベが鋭い眼光をフジに向けるようになったという──

13 <a href="mailto:s">22/06/02(木)00:39:57</a> [s] No.934031687

アヤべさん妹TSの続きの続きの続きの続き的な 前回から結構間が空いたしもういいかなって思ったけどフジのことをお姉ちゃんと呼びたいとか気付いたら幼女になっていた時の反応から得られる栄養素とかを摂取したくなったので……

14 22/06/02(木)00:40:34 No.934031888

ありがとうございます

15 22/06/02(木)00:43:29 No.934032730

久しぶりにふわふわの妖精さんが見れて嬉しいよ…

16 22/06/02(木)00:44:47 No.934033120

このアヤベさんの天敵 エアグルーヴ(ふわふわを独占するので) シャカール(ふわふわを独占するので) フジ(自分以外のお姉ちゃん)

17 22/06/02(木)00:46:39 No.934033635

ふわふわの妖精来たな…

18 22/06/02(木)00:54:04 No.934035705

アヤベさんとフジ寮長のバチバチが起こりそうだな…

19 22/06/02(木)00:55:31 No.934036092

>アヤベさんとフジ寮長のバチバチが起こりそうだな… アヤベさんはバチバチ飛ばすけどフジは受け流す感じだと思う…

20 22/06/02(木)01:00:18 No.934037348

男だった時のノリでお酒飲んで酔っ払ったり男子トイレ入ろうとしてアヤベさんに首根っこ捕まれたりしたい……

21 22/06/02(木)01:40:02 No.934046356

>男だった時のノリでお酒飲んで酔っ払ったり男子トイレ入ろうとしてアヤベさんに首根っこ捕まれたりしたい…… 引っ張られた時にびっくりして色々出ちゃうんだ…

22 22/06/02(木)01:54:53 No.934048921

>引っ張られた時にびっくりして色々出ちゃうんだ… ──甘かった。何もかもが甘かった。 トレーナーがウマ娘になってから初めて飲むはちみーの味も、つい甘やかしたくなるアヤベのサイフの紐も──そして、今は幼き少女であるトレーナーの『許容量』に対する見立ても。 やばいやばいやばい……!と股に手を当てて可能な限り、それでいて刺激しないように、絶妙な速度でトイレへと急ぐ。 その甲斐あって、何とか間に合った──そう、トレーナーが息を入れたところで。 「! あなた、そっちは!」 「えっ!?……ぁ」 不幸なことは。 焦っていたことで、完全に今の身体のことを忘れていて男子トイレへと駆け込もうとしていたことと。 アヤベの声と、急に身体が後ろに引っ張られるのと、そして『出口』が緩むのと。 様々な要因が重なったことで、濁流が溢れ出し──

23 22/06/02(木)01:55:05 No.934048958

──小一時間後。 「ぐすっ……うぅ……ぐすっ……」 「ごめんなさい……」 『処理』を何とか終えたそこには、恥も外聞もなく、トレセン学園のジャージに身を包んで啜り泣くトレーナーと。 ただひたすらに謝ることしかできないアヤベとがいて。 「……うわああああああんっ!!!!」 完全に男性としての、大人としての、教育者としてのプライドが崩壊して、わんわん泣き喚く。 そんな彼女を前に、アヤベはどうしていいかわからずオロオロと立ち尽くすばかり。 その光景は、とてもG1を制覇したウマ娘とトレーナーには見えず。 粗相をしてしまった幼い妹に手を焼くお姉ちゃんにしか見えない二人なのであった──

24 22/06/02(木)01:55:32 No.934049015

みたいなね……

25 22/06/02(木)01:57:10 No.934049284

トレーナーはおしまい…

26 22/06/02(木)02:05:47 No.934050581

おもらししちゃったTS幼女からしか得られない栄養素がある

27 22/06/02(木)02:06:53 No.934050725

アーイイ…

28 22/06/02(木)02:07:29 No.934050804

いいね…

29 22/06/02(木)02:20:31 No.934052381

はちみーがトラウマになっちゃうね…

30 22/06/02(木)02:24:30 No.934052816

泣きじゃくってしばらくしたら泣き疲れてアヤベさんにもたれかかって寝ちゃうんだよね…

31 22/06/02(木)02:43:06 No.934054733

>泣きじゃくってしばらくしたら泣き疲れてアヤベさんにもたれかかって寝ちゃうんだよね… フジとかシャカールとかエアグルーヴとかファインとかアヤトレの周りの人は増えたけど アヤトレのそういう顔を見られるのはアヤベさんだけなんだよ」……

32 22/06/02(木)02:47:16 No.934055130

ておくれすぎる...

33 22/06/02(木)02:55:25 No.934055979

「あ、アヤベ! お風呂にまでついてこないで──」 「ダメよ! 石鹸で足を滑らせたらどうするの!」 「アヤベ! 一人で寝れるって──」 「ダメよ! 寝相でベッドから落ちたらどうするの!!」 「あ、アヤベ! 流石にトイレは──」 「ダメよ! トイレットペーパーを踏ん付けて転んだりしたら!!!」 「アヤベさん、ちょっと落ち着いた方がいいかなーって思いまーす」

34 22/06/02(木)02:55:42 No.934056016

久しぶりのふわふわ妖精助かる…

35 22/06/02(木)02:56:26 No.934056080

アッ!トレ-ナ-モハチミ-ノム-?

36 22/06/02(木)02:58:02 No.934056248

>アッ!トレ-ナ-モハチミ-ノム-? 反射的にアヤベさんの背中に隠れるトレーナー

37 22/06/02(木)03:00:43 No.934056516

でもウマ娘になってからのはちみーの美味しさを知ってるから飲みたくなっちゃうんだよね…

38 22/06/02(木)03:10:54 No.934057472

与えられたら足をパタパタさせてちゅーちゅー飲んじゃうし楽しげにあの歌も口ずさんでしまうんだ…

39 22/06/02(木)03:16:10 No.934057949

はちみーの誘惑に耐えられないから体が少し成長するまで何度かやらかすんだよね…

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