ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
22/05/31(火)00:28:06 No.933365930
「お帰りウオッカ君！お腹空いたでしょ？すぐご飯にする？」 「いや、賄い食ってきたんでいらないっす……風呂入ったらすぐ寝ます」 「そっか……じゃあお母さんと一緒に入る？背中流してあげよっか！なんちゃって……」 「いや、大丈夫なんで……疲れてるんで……すいません」 「あ、ごめんね……」 同じ職場で働いていたギムさんと数か月お付き合いをし、同居するようになったものの、彼女の娘、ウオッカ君と中々打ち解けられないでいた。
1 22/05/31(火)00:28:40 No.933366175
家族になったのだし、こちらとしてももっと仲良くなりたいと思っているのだが、先ほどのように中々うまくいかない。 おまけに、最近ウオッカ君はバイトで忙しいから、といって家を空けがちだ。 何か欲しいものがあるなら言っていいんだよ、と聞いても「今はお金が必要な時期だと思うんで」といって遠慮してしまう。 いきなり年の近い女性が親と付き合っている、と言われても受け入れらないのは仕方ないと思うのだけれど…… 「中々苦労しているみたいだな、ローズ」 「ギムさん……やっぱり僕じゃ力不足なんでしょうか」 「そんなことないさ。あいつだって素直じゃないところはあるが、優しくて賢いやつだ。ローズの気持ちは伝わっている」 「そうだといいんですけど……」 「すぐに君にも分かるさ。今日はもう寝よう」 「そうですね、ありがとうございます」 本当に彼女に気持ちは伝わっているのだろうか。 不安な心を抑えつつ、作り置きしていた夕食を冷蔵庫にしまい、寝室へ向かった。
2 22/05/31(火)00:29:14 No.933366387
――――――――――――――――――― 数日後、その日は僕とギムさんが付き合い始めてちょうど1年経った日だった。 あまりお金は使えないがささやかなお祝いをしよう、ということになり二人で映画を見に行った。 本当はウオッカ君とも一緒に行きたかったのだが、「二人の邪魔はしたくねーしバイトもあるんで」と言って来てくれなかった。 「今日は楽しかったな、ローズ君」 「ええ、とっても。……ウオッカ君とも来れたらよかったのに」 「あいつにはあいつの考えがあるんだ。気にしなくていい」 「そうでしょうか……あ、もうこんな時間……夕飯どうしましょうか」 「心配ない。このまま帰ろう」 「え、どういうことですか？」
3 22/05/31(火)00:29:57 No.933366652
不思議がる僕に「まあいいから」といって説明してくれず、そのまま帰宅することに。 そして家に帰ると、そこにはテーブル一杯の料理が並んでいた。 驚いて固まっている僕を待ち構えていたように、キッチンからエプロンを着けたウオッカ君が出てきた。 「よお、お帰りお二人さん」 「ウオッカ君！この料理……もしかして君が？」 「あー……バイト先のレストランでさ。ちょっと覚えて真似しただけなんだけどさ……」 「どうして、わざわざ僕たちのために……」 「いつも世話になってるし、記念日くらい何かしてやりたくてさ……おめでとう。親父に……母さん。」 「……！！今、僕のことを母さんって……」 「うわっ、何も泣くことはないだろ！？」 「だって……僕ずっと、君に嫌われてるのかと……」 「言っただろう、ローズ。ウオッカはそんなやつじゃない。人の気持ちをちゃんと受け止められる子だ」 「やめろよ親父、そんなこと言うの……ああそれと、バイト代貯めて買ったものがあるんだ。受け取ってくれよ」
4 22/05/31(火)00:30:20 No.933366809
「プレゼントまで？これは……すごく大きいね！」 「Yogibo Doubleだ。二人で使ってくれよ」 「ありがとう！早速使ってみよう！ほら、ウオッカ君こっち座って！」 「えっ、俺とかよ！どうせなら親父とつかってくれよ！」 「いや、お前が座れ。初めてくらい譲るさ。親子水入らず楽しめよ」 「しょうがねえな……おっ、やっぱりすげえ座り心地だな」 Yogibo Doubleは、二つのYobibo Maxを大きなカバーで一つにまとめた商品。 二人以上の体もゆったりと包み込み、大切な人とリラックスした時間を過ごせます。 ソファとして、大きめのベッドとして。様々な用途で使用できます。 カバーを付け替えることで二つのYogibo Maxとして使用することも可能。家族との空間で、プライベートな時間で。どんなときもあなたを優しく包み込みます。 「これがあればゆったり家族団らんできますね！」 「さあ、皆さまもぜひお買い求めを！」