虹裏img歴史資料館

1 22/05/27(金)23:18:18 No.932156984

ちょうど涼しげな木陰を見つけて、喧騒から離れて涼しい風にあたりつつ読書でも……と思ったところで。暇を持て余したシャフリヤールに見つかった 何をしてるのかと尋ねられたので素直に読書の予定を伝えると、そうかわかった余！と言って……シャフリヤールは、木陰に座り込んだ自分の隣に腰を下ろして そのまま、本を読み耽る自分の隣で何をするでもなく、こっちを見たり見なかったりと過ごしていた 「別に、今読み終わらなければいけない訳じゃない。どこか行きたいところでもあるなら付き合うぞ？」 「特には無い余！ただ、集中して読書してるエフフォーリアは珍しくてな！ちょっと見てたくなった余！」 そんな理由か。わからんが、それでいいというならいいのだろう 適当に返事して、もう一度ページに目を戻す。特に精査もせずに手に取った本だったが、なかなかに面白い 後で作者をメモしておくことにしよう。他の著作も気になるし、なんなら買ってみたくもある

2 22/05/27(金)23:18:30 No.932157087

「それ、どんな本なのだ？」 基本視線だけを向けてきていたシャフリヤールが初めて身を乗り出してページを覗き込んでくる ッ……そよ風に乗ってシャフリヤールのいい香りが鼻に入って一瞬身が固まるが、大丈夫だ。このくらい大丈夫。平静を保てる。問題ない 「何年も前にアメリカで映画化された作品の原作の日本語版だ。半SFの、戦闘機乗りたちの物語だな」 「いかにもエフフォーリアが好きそうなジャンルで納得がいった余。流石撃墜王！」 揶揄う意図は無さそうだ。普通に、褒め言葉としてぶつけてきている。ああ、本当にもう 遠くからトレーニング中の生徒たちの声などが聴こえる中でも、ここはひどく静かで心地よい 活字の羅列の中、挿絵もないにも関わらず強く脳裏にその光景を伝えてくる熱くも切実な思いの場面たち。それらが心をじわりと熱くし、我らとは全く違えども戦いに臨むものたちの心を読む者に焼き付けてくる ああ…いい本と出会えた

3 22/05/27(金)23:18:42 No.932157160

「エフフォーリアは、戦いの物語がやはり好きなのか？」 「否定はしない。負けられない戦いに挑むために鍛え上げたプロたちの矜持は心を熱くする」 極限の戦いに臨む歴戦の軍人たち 好敵手たちと鎬を削って頂点をひたすら目指す我ら 似ているようで全く違う、しかし何処か何かに繋がるものがあるように思えるそれを、俺はとても好ましく思えたのだ 「なんなら、今度映画を見てみるか？DVDを借りてくればすぐに見られるぞ」 「おおっそれはいいな！！やはり本もいいが映像として迫力を叩きつけられるのが余はとても好きだ余！！」 じゃあ、今日か…まぁ明日か。そのくらいにレンタルで探して、見てみるとするか、と。そう思った時点で、自分が言い出したことの深層に今更になって気づいてしまう 思わず、ページを押さえていた手が離れそうになった

4 22/05/27(金)23:18:53 No.932157233

「その時は飲み物とお菓子持ってお邪魔する余！！」 やらかした。これ、シャフリヤールは自分の部屋にやってきて一緒に、多分二人で見る気満々だ 多分時間帯は夜になる。そんな中、二人だけで一つの部屋で映画鑑賞。お菓子と飲み物を用意して、風呂も終わった後だろうしパジャマ姿になっているのは想像に難くない その状況下で二人して並んでベットに腰掛けて映画を見る……というシチュエーションに 最近慣れ始めてしまってきた、鼻腔の奥の熱を感じてしまう。若干鉄の匂いの混ざったそれを 「どうしたエフフォーリア。余は楽しみに待っておる余！！レンタルしてきたらすぐに連絡してほしからずっと待ってる余！！」 …きらきらと。文庫本の中で描かれる鉄と火薬の匂いの満ちたそれとは全く持って違う、希望と好奇心が創り出す星空のような目 これに見つめられて、ちょっと待ってくれと言い出すことなどもはやできるわけがない 「……今日の夕方前に借りてくる。時間は後で合わせよう」 「うむ！！余はもうすっかり楽しみだ！！しっかり映画を見るというのも久しぶりだし、それに勝る楽しみもあるしな！！」

5 22/05/27(金)23:19:09 No.932157360

ん？と、言葉に詰まる 映画を見る、というのが主目的だったはずだ。それをなぜか、それ以上に楽しみにするほどのものがあると言い出したかのようで。僅かな、確かな違和感 「勝る楽しみ？」 「うむ！！たとえ映画館で生で見ようとも、この喜びは他に代え難い余！！！」 心の底からワクワクしているその姿。なんだ、何を思いついて主目的に据えたのか 「他ならぬエフフォーリアと並んで素敵な映画を見ることができる！！それも、周りに憚ることなく自由にだ！！こんな楽しみ、他にあろうものかというものだ余！！！」 ニッと。子供っぽくも気品があって、偽りや気遣いの陰を繊維ひとつ分も感じさせえぬその気高く優しく無垢な笑顔 ああ、ダメだ。逆らえない。文句など口に出すこともできない レースであれば全身の血が焦熱のそれへと変わっていたであろう敗北感はどこか温かく柔らかな心地よいもので

6 22/05/27(金)23:19:19 No.932157447

「そ、そうか。なら、こちらも楽しみにさせてもらう。茶も菓子も、こちらで出そう」 「却下である！！！頼み込んだのは余である！！故に学生という身分なりにであっても礼はしっかりと尽くさせてもらおう！！」 勝負服を代名詞に、その言葉の一つ一つがそれらに恥じることなく気高い、でもどこか子供っぽさが抜けない一流も一流のウマ娘 その…ドヤ顔？だったか。そんな顔を見て、反論の言葉などない パタンと本を閉じて、立ち上がる。草をはらって、そしてその空いた手をシャフリヤールに 「せっかくだ。今から店に行こう。せめて案内くらいは努めさせてもらう。ついでで何か他に気になる作品があれば借りていけばいいさ」 「おおっ！それはいいな……いや読みかけの本はいいのか余？」 前に電話みたいな流星のあの子にもらった飛行機の描かれた栞を挟んで立ち上がり、シャフリヤールの手を掴んで優しく引き起こす 「問題ない。それに、俺も興味が傾いた」 「傾いた、と？」

7 22/05/27(金)23:19:54 No.932157712

綺麗な笑顔は、雑誌取材でも何度もNGが出る程度には苦手だ しかしこの時は、本当に不思議なほどに自然な笑顔をシャフリヤールへと向けられたと思う 「二人でゆっくりと映画、なんてこっちとしても初めてでな。映画館ほどのものは用意できないが、ポップコーンくらいは用意させてくれ。気分も出るだろう」 その言葉に見目麗しい余はまるでテーマパークの予定でも聞いたかのような花咲く笑顔へ この映画が終わったら、今度はシャフリヤールがみたい、おすすめだというものがあればそちらを見せてもらいたい こんなことを思えるようになるなんて、人生、ウマ娘はわからないものだが 「ならばあとはコーラだな！！洋画には欠かせぬのだろう！！？」 「そうだな。購買に掛け合って、無ければ帰り道に買ってこようか 戦争をテーマにしたシリアスかつハードな作風のそれを本当にシャフリヤールが気にいるかはわからない だけどだからこそ。もし気に入ってもらえたのであればその喜びは果てしなく大きいものになるだろう そしてシャフリヤールが薦めてくれた作品で同じようになれば、こんな素敵な休日は他にない

8 22/05/27(金)23:20:06 No.932157792

「エスコート、楽しみにしておる余！」 そういってシャフリヤールが自分の腕に抱きついてきた時。さっきから時折発生している脳内のバグはまた新たな局面を迎えた もにゅんっと。ぷにゅんっと 腕に押し付けられる、小柄な姿からは想像もつかないような柔らかな熱。ぐりぐり体をよじられるせいで、それは形を変え、細やかに変化する場所ごとの柔らかさを腕の神経全てを焼き尽くし浸食するかのようにこの魂にまで刻み込もうとしてきて 「しゃ、シャフリヤール。その、ちょっと」 「離さぬ余～♪二人での映画鑑賞、少し大人になった気分で楽しもうではないか！」 脳をフル回転させて、焼きつきそうになるのもお構いなしに対策を練り続ける その場を抜け出さねば。でなければ、自分を構築する何かが根本より崩れ落ちて、今の自分にはもう二度と戻れないそんな気がする 煩悩絶つべし。そう思いかつての滝行を思い出しながら心を明鏡止水の域まで沈め込んでしまえと極限を遥かに超えた決意を固めたその時 「どうせならお泊まりでよかろう余？パジャマ姿で二人で楽しい時間を過ごそう余？」

9 22/05/27(金)23:20:19 No.932157896

あったのは、三つのトドメ 一つは、腕に押し付けられる豊満かつ心地よく柔らかな感触 二つ目は、耳元で垂れ流される甘い誘惑 そして三つ目……これは、シャフリヤールも意識していなかったのかもしれないが 「」ﾊﾞﾌﾌｧ 「ちょ！？？や、やりすぎた余！だ、誰か！！救護担当ー！！！」 自分より遥かに小柄なシャフリヤールが上目遣いでこちらを見上げてきた時に これはシャフリヤールも完全に無意識のものだったのだろうが…………ウマ娘化して得た、その小柄な体躯に似合わぬ豊満な胸 その谷間もまとめて上から目に入ってしまったことで、自分の体内を流れる熱い血潮はついに行き場所を失った 絶対口にはしないものの、至福の心の温もりをもったままで。自分は、意識をたやすく手放すことになった

10 22/05/27(金)23:20:33 No.932158005

● 「お、おおお！！！いけ！！！そこで仕留めろ！！傍に回って………ああ！！この敵流石にズルすぎだ余！！！」 「まぁ、現代最新兵器VS半分以上SFなやつだからな。仕方ないだろう」 テレビを見ながらガンガン番組に声を上げるタイプというのはそれなりにいる。シャフリヤールまた、その一人だったか 時折起きる二人で一つのシーンへの解釈の違いなども含めて、静かな映画鑑賞とは少し違う。しかし、間違いなく楽しい映画鑑賞が部屋に良い空気を満たしていた 皮肉なものだ、と。静寂を求めて読書場所を探し選んだら、そのオチはまさかの騒がしながらも楽しく過ごせる夜だったとは 「うお！！！あんな狭い場所を飛べるのか！？」 「実際はわからんがな。このパイロットならできておかしくない、と思わせてくれる」

11 22/05/27(金)23:20:45 No.932158085

本もいいものだが、こうして映像として出されるとその完成度もあってまた違った魅力と迫力を魅せてくれる なにより、シャフリヤールがこうして声を上げるほどに楽しんでくれているのであればもうそれは大成功だろう ………なぜわざわざ部屋に来てからウマ娘モードに切り替えたのかは、わからないが そうしている内に、映画はクライマックスの盛り上がりを越え、ついに大団円を迎えた 「お、おおぉ………エンディングの演出も素晴らしい余！！！」 「公開当時に映画館で見てみたかったな。きっと、迫力の桁が違っただろう」 それはこの映画に限った事ではないが。やはり、映画館のもつその迫力の演出はどれだけ家庭用の音響機器が発達しても超えることはできないものだと思う 一人二人ではなく大人数でその衝撃を共有するというのが大事………と言っていたのは誰だったか。確か、タイトルホルダーだったか？ 「んー、それは確かにそうかもだが……余はこれでよかった余」 「ん？それは、どういうことだ？」

12 22/05/27(金)23:20:55 No.932158153

よっと足を伸ばして、若干ドヤ成分を感じる笑顔で人差し指を立てるシャフリヤール 「余は一人で映画館にいって声を我慢してみるよりも、こうしてエフフォーリアと二人で見てる方が楽しいしこっちの方がいい余！！」 クッションを抱きかかえながらそうやってニカッと笑うシャフリヤールに……ああ、今日はこうして過ごせてよかったと 「他にお勧めの映画はないのか！？なんだか映画熱に火がついてしまった余！！！あと、エフフォーリアが呼んでた文庫本の方も読み終わったら教えてほしい余！！！」 「わかった、必ず伝えよう。といっても、今すぐ見れる映画は………」 レースの時に相見えれば、この映画の劇中にも負けぬほどの壮絶な気迫をぶつけ合う事になる仲であっても こんな時くらい。こうしてゆっくりできるのなら………そんな日も、悪くはないかもしれない

13 22/05/27(金)23:21:05 No.932158237

「今調べてみたら、このデビルウマンなるものが………」 「おいそれはやめておけ」 そうだな、と。これから、時間があるときにシャフリヤールが気に入る映画や本を探してみるのもいいかもしれない そしてこうやって二人… 「おっ、これはどうだエフフォーリア！！中々評価が……」 「っ」 何か見えた 「ん？どうした余？」

14 22/05/27(金)23:21:19 No.932158355

ウマ娘モードになって若干サイズが大きくなったのか。少しダボついた感じの短パン そこから伸びる健康的で白くきめ細やかな艶っぽい太もも。それだけでも、自分の中のなにかソウル的なものにヒビが入るのを感じた しかしそれ以上に問題があるとしたならば 「シャ、フリヤーる。そ、その」 その太ももの奥。短パンの隙間 何かこう。見え 見え 「え、エフフォーリア！？」

15 22/05/27(金)23:21:36 No.932158478

ごとん、と。そのまま自分が横になるのだけはわかった。あと、鼻から垂れ流しになってる何か熱いものも 目に焼き付いたそれがずっと脳裏を駆け巡り続けて、熱病か何かのように頭に血が上ってくる あと、その。心配してくれて覗きこんできている今この瞬間にも、シャツの隙間からとても立派な山岳が なんかもう色々と限界を越えそうになった瞬間、自分が選んだのは非常停止ボタンを押すことだった 「………………ぬぅ！！！！」 「え、エフフォーリアー！！？」 邪念絶つべし。妄念退散。去れ悪魔 そう思って拳で打ち抜いた自らのこめかみ。ぐらんと揺れる景色。遠くなる音 手動の………非常停止は　上手くいった　らし　い 「え、衛生兵ー！！！！！メディーック！！！！！！」

16 22/05/27(金)23:21:47 No.932158557

さっきの………映画の、真似　か 助けを呼ぶシャフリヤールの声が段々遠くなり、そしてついにぷつんと………意識は途切れた

17 22/05/27(金)23:22:30 No.932158891

以上。久々に結構多めに酒飲んだ勢いで便乗して書いてみたくなった まだキャラがつかみきれないのが辛い

18 22/05/27(金)23:25:02 No.932159917

なんてこった……最高ですよ……

19 22/05/27(金)23:25:14 No.932159981

酒呑み舎弟のエフ余！？！？

20 22/05/27(金)23:25:28 No.932160062

ありがたい……ありがたすぎ……

21 22/05/27(金)23:27:08 No.932160689

余がかわいすぎる……

22 22/05/27(金)23:27:51 No.932160965

エフ余を他の人に書いてもらえるともう自分が耕さなくても良くなってきたな……

23 22/05/27(金)23:28:13 No.932161085

>エフ余を他の人に書いてもらえるともう自分が耕さなくても良くなってきたな…… 駄目です 耕作放棄は許しません

24 22/05/27(金)23:29:19 No.932161511

デビルウマン…

25 22/05/27(金)23:30:22 No.932161921

健全でかわいいくておっぱいな尊いラブコメすぎる…… 余がTSしてるのを除いて……

26 22/05/27(金)23:33:49 No.932163371

なんでシャフリヤールTSしてるんだろうね……

27 22/05/27(金)23:34:46 No.932163790

この余はエフフのこと好きすぎない？ かわいい

28 22/05/27(金)23:34:50 No.932163808

これ衛生兵駆けつけたら現場見て誤解されない？

29 22/05/27(金)23:36:01 No.932164359

もうちょい段階踏んだら余を膝の上にのせて映画鑑賞とかしてそう

30 22/05/27(金)23:37:21 No.932164880

>もうちょい段階踏んだら余を膝の上にのせて映画鑑賞とかしてそう どこまで進んだ段階でそれが達成できるのかはわからんがその状態で掛かったら尻下で大変なことになりませんか

31 22/05/27(金)23:38:05 No.932165205

邦キチみたいにエフフの部屋に日ごろから入り浸ってそう

32 22/05/27(金)23:39:27 No.932165785

エフフォーリア教えてくれ 何色だった

33 画像ファイル名:1653662484674.png 22/05/27(金)23:41:24 No.932166630

酒呑み舎弟エフ余ありがとう…

34 22/05/27(金)23:42:58 No.932167250

うぉ…眩し…

35 22/05/27(金)23:43:18 No.932167395

>酒呑み舎弟エフ余ありがとう… 可愛い余だ！！！

36 22/05/27(金)23:43:38 No.932167519

古いビデオレンタル屋でDVD借りて店員の戻し間違えで中身がアダルトなのになってたハプニング起きてほしい 再生してから気づいて互いに顔を真っ赤にするとか

37 22/05/27(金)23:44:29 No.932167898

>酒呑み舎弟エフ余ありがとう… 手描きありがたい……ありがとう……

38 22/05/27(金)23:44:46 No.932168016

タイホくんはシスコンで原付き乗ってソロキャンするくらいのキャラしかまだ見えてないんですよね……

39 22/05/27(金)23:45:11 No.932168171

>酒呑み舎弟エフ余ありがとう… この谷間が撃墜王を狂わせる

40 22/05/27(金)23:45:13 No.932168190

こんなの恋じゃん…… 2人を越えていけだよ…

41 22/05/27(金)23:46:09 No.932168559

エフ余は酒呑み舎弟の人に書いてもらえるようなコンテンツになったのか……

42 22/05/27(金)23:48:31 No.932169514

タイホくんがこのこと知ったらクソデカ溜め息しそう

43 22/05/27(金)23:49:41 No.932169996

エフフが高校生になった小狼に見えてきた