22/05/26(木)18:38:59 「聴こ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1653557939577.jpg 22/05/26(木)18:38:59 No.931705328
「聴こえていますか……トレーナーさん」 鏡に映るカフェが、俺に問いかける。 カフェが目を瞑る。視界が真っ暗に染まる。 カフェが喋る。喉が震えて、唇が動く。 カフェが、自分の手に胸を当てる。トクントクンと、鼓動と体温が手のひらに伝わる。 夢だと思いたいが、五感が伝えてくるものは全て現実。 まさか、これは── 「あなたは今、私の中にいます……」
1 22/05/26(木)18:39:28 No.931705463
目が覚めたら、身体の自由が全く効かなかった──いや、それどころか身体が勝手に動いた。 場所はカフェとタキオンが共同で利用している空き教室。もしやカフェの言う『彼ら』の仕業だろうかと、半ば夢を見ているような気分で身体が鏡の前に立つと──そこには、カフェが立っていたのだ。 「混乱していると思います……覚えていますか? さっきの、トレーニングのことを」 ──それは、ハッキリと覚えている。 薄暗いグランドで、ふと気が付いたら何か黒いモヤのようなものがカフェに降り掛かろうとしていて。 それから、カフェを庇うように立ち塞がったら、意識を失って── 「あなたの肉体は、『彼ら』に奪われてしまいました……そしてそのままでは、魂まで……やむを得ず、お友達の力を借りてあなたを私の中に招き入れました」
2 22/05/26(木)18:40:03 No.931705634
理性が理解を拒む状況だが、受け入れるしかない。 口の中に残る珈琲の香りも、頬を擽る真っ黒な髪の感触も、全てはカフェが体験しているもので──俺は、それを共有していることになる。 文字通りの一心同体。 具体的な理屈はわからないが、とにかく俺は死にかけて、そこをカフェに助けてもらったということだろう。 どうにか感謝を伝えたいが、生憎と今の俺には口も何も無い。どうすれば── 「大丈夫です。あなたの声は伝わっていますから……」 ──そうか。 それは安心……なのだろうか? しかし、それでもこの状況は困りものだ。 俺の身体が無いということは、トレーナーが不在ということで。 メニューを組み立てることはできても、カフェのトレーニングが疎かになってしまう──なんてことを考えていると、カフェが目を丸くした。
3 22/05/26(木)18:40:34 No.931705796
「……いえ。こんな時にでも、あなたは普段と変わらないのだと」 ……言われてみれば、確かにそうだ。この状況下で真っ先に出て来るのがトレーニングのこととは。我ながらトレーニングバカである。 まあ、半分は現実逃避でもあるのだが……。 「ご安心を……今、お友達があなたの身体を取り戻しに行っています。一週間程で、肉体は戻ってきます」 ! そうか、それなら安心だ。 「その間、あなたには窮屈な思いをさせてしまいますが……」
4 22/05/26(木)18:40:50 No.931705880
まさか。 命を助けてもらってまで文句を言える筈がないだろう。 むしろ、謝らなければならないのは俺の方だ。 カフェのプライバシーに──と、言葉を続けようとしたところで。 「……その。今、あなたと私は肉体を共有していますので」 下腹部に、ジワジワと何かが溜まっていく感覚。 そういえば、口の中に残る匂いからして珈琲を飲んでいた。 それはつまり、カフェインを摂取したということで、それが誘発するものといえば──
5 22/05/26(木)18:41:03 No.931705937
「トレーナーさん……」 ──ごめん……。 鏡の中に映るカフェは、火が出そうなくらいに顔を赤くしていて。 身体の外と内を焼く羞恥心は果たして俺のものなのか、カフェのものなのか。 下腹部のダムが決壊するまでの猶予は短く、答えを出す前に──俺たちは、男子禁制の個室へと向かったのだった。
6 22/05/26(木)18:42:32 No.931706372
そして、この時の俺はまだ考えが及んでいなかったが、カフェと経験を共有するということによる問題は、まだまだこんなものじゃない。 男性の目が無い時の、女子寮での彼女達の振る舞いや。 着替えや、風呂や。 ウマ娘としての特有の問題に付き合わされることや。 「大丈夫です……責任は、取りますから……」 一週間後、確かに俺の身体は戻ってきたのだが、『彼ら』の手によってウマ娘に身体に変わってしまうことを──この時の俺は、まだ知らなかった。
7 <a href="mailto:s">22/05/26(木)18:43:10</a> [s] No.931706567
女の子側に主導権があるタイプの憑依TSが好きだけど滅多に無いから書いた
8 22/05/26(木)18:44:27 No.931706927
>一週間後、確かに俺の身体は戻ってきたのだが、『彼ら』の手によってウマ娘に身体に変わってしまうことを──この時の俺は、まだ知らなかった。 ウワーッ!改造されてる!
9 22/05/26(木)18:46:41 No.931707594
えっ俺も改造してほしい
10 22/05/26(木)18:50:13 No.931708644
ソロぴょいが実質うまぴょいになる
11 22/05/26(木)18:53:38 No.931709722
>女の子側に主導権があるタイプの憑依TSが好きだけど滅多に無いから書いた わかる………!!!!
12 22/05/26(木)18:55:22 No.931710279
>女の子側に主導権があるタイプの憑依TSが好きだけど滅多に無いから書いた 素晴らしい概念を知ってしまった
13 22/05/26(木)18:55:29 No.931710314
改造…?
14 22/05/26(木)18:57:08 No.931710830
「トレーナーさん、感じていますよね……」 ダメだ、カフェ──なんて言おうにも、今の自分はただ彼女の熱を感受するばかり。 熱を持った頬、蕩けた思考。カフェの抱いている気持ち。 その全てを、濾過されることなく直接ぶつけられてしまっている。 「あなたがこんなそばにいるなんて……昂って……」 もじもじと、ベッドの中で生足を擦り合わせる感覚すら、今の自分には強すぎる刺激で── みたいなのが読みたい…