22/05/24(火)22:34:10 「ねえ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1653399250935.jpg 22/05/24(火)22:34:10 No.931114030
「ねえねえみんな」 カレンの姉御が皆を集めてニコニコしていたっス。 こういう時は凄くご機嫌な時か、あるいは誰かがやらかして、恐ろしい事が始まるかの前ブレっス。 プイ先輩を除く全員が「どっちだ…?」と戦慄していたのは想像に難くないっス。 そして今日はさらにその斜め上だったっス。 「今日はキスの日なんだって。知ってた?」 開戦の合図だったっス。
1 22/05/24(火)22:34:41 No.931114263
ウチは「そんなに戦争がしたいんスかアンタは!」という発言をギリギリ飲み込めたっス。 「それは……魚の「チュウの事だよ♪」 ヤる気だ。殺す気だこの人は。 「キスの日だとなんかあるプイ?」 凄いぞ無敗の三冠バ。地雷源を平然と突き進む。 「みんなはキスの経験あるかなぁ?」 「「「……」」」」 これはそう、マウントだ。ボスが自分はボスであるという事をアピールするそれ。 「カレンはもちろんあるよ?」 それも皆知っている。ウマスタに挙げられているトレーナーとのキスシーン。 日付が2999年とかにされてるので常に1番上に表示されてるそれっス。 まあ、キスと言ってもアレだ。ほっぺにチューなんスけど。
2 22/05/24(火)22:35:08 No.931114500
何を隠そう……いや隠れてないのだけれど、トレーナーはキス魔であり、レースに勝ったウマ娘に感極まってチューしてくるのだ。 それで脳破壊されたウマ娘も多いらしい。気の毒な話っス。ウチは違うっスけど。 なので結論から言えば、プレハブに入り浸るようなウマ娘は全員経験済み……という事になるのだ。 では何故そんな共通事項で姉御がマウントを取ってくるかというと。 「カレン……まさかアンタ……」 スイーピー先輩が恐る恐るという感じで尋ねる。 「こ、こ❤️」 姉御が指差したのは自らのくちび…… 「ハァァ!?あり得ないでしょ!」 スイーピー先輩、今ほど貴方の突撃が頼もしいと思ったコトはないっス。 カエルが見たら狂喜乱舞してそうっスけど。
3 22/05/24(火)22:35:35 No.931114704
「……そうです。証拠はあるのですか」 スイーピー先輩が真っ先に突っ込んでくれたおかげで、デュランダルパイセンが抜刀するという最悪の事態は避けられたっス。 「カレンのウマスタ見てないかなー?」 「……まさか!?」 あのトップの頬キスの写真のせいで見たくもないウマスタに新たな映像が!? 「これは……」 未だにガラケーのデュランダルパイセンがウチの後ろから覗き込んでくる。 それはこの間、カレンの姉御が1着を取ったレース後の動画だ。 姉御のつけていたゼッケンを持ちニコニコしているトレーナーにカレンの姉御が近づいていき… 「この角度だと分かりませんね」 確かに一瞬、カレンの姉御がトレーナーの顔に近づいて、離れている。 トレーナーは何が起きたのかと目をぱちくり。 「撮るの失敗したしちゃってー❤️」 ウソだ。わざと死角になる角度を狙って撮ったに違いない。
4 22/05/24(火)22:36:07 No.931114934
「こんなの証拠にならないわ!」 「でも『してない』って証拠にもならないよね?」 悪魔の証明。した事を認めるのは難しくないが、していないのを認めるのは至難の業だ。 何せ他ならぬカレンの姉御がしたと言っているのだから。 「トレーナーに聞けばいいんじゃないプイ?」 「一瞬だったから覚えてないんじゃないかなー?お兄ちゃんニブチンだから」 後半については同意せざるを得ない。 「……卑劣な」 デュランダルパイセンが見た事無いような顔をしていたッス。 「カレン一生懸命頑張ったんだよー?」 確かに、本当は口にキスをしていないのかもしれない。しかし、あのクソボケに自らキスをしに行ったという行動だけは真実である。しかもそれをウマスタに上げている。 これは圧倒的マウントを取られても仕方ないッス。 ボスであるという圧力。恐るべきカレンの姉御!
5 22/05/24(火)22:36:54 No.931115265
「……しゃあねなぁ……」 「どうしたんスか姉ちゃん」 今の今までずっと黙っていたジャーニー姉ちゃんが、面倒くさそうに口を開いた。 「いいか、戦争の火種撒いたのはカレンだからな?」 つまり、姉ちゃんには対抗できる何かの切り札があるという事か。 「……何かなー?」 姉御もそれに気づいてか、警戒した表情に変わる。 「おい愚妹、ちょっとこっちこい。マスク外して……」 姉ちゃんがウチのマスクを外してアゴにつけた状態にする。 そしてその状態でハナを触ってきた。 「……何スか?」 「今の見たな?」 何が何やら。
6 22/05/24(火)22:37:28 No.931115528
「どーいうコト?」 「コイツ、ハナ触られて顔、上げただろ」 「あー?」 それは完全に無意識の行動だと思う。 「愚妹よぉ、マスクしてるからさ、ハナ敏感なんだよ」 「それがどういう…?」 「1222」 なにやら数字を言いだす姉ちゃん。 「……あっ」 気づいてしまった。いや、忘れていた事を思い出したというべきか。 「なに、オルフェちゃん?」 「あ、いや、それ、有マ記念の日付なんスけど」 「ああ、そういえば」 「……」
7 22/05/24(火)22:37:57 No.931115737
ウチはその日、有マ記念を勝利した。 そしてその時にトレーナーのkmiクソボケがウチの鼻にキスをしてきたのだが…… 「知ってるよ、おハナでしょ?」 「うぐ……」 カレンの姉御のプレッシャーがウチに向けられている。勘弁して欲しいっス。 「あん時、身内だから近くにいたんだよな」 ウチの記憶でもそれは覚えてる。けど、なんかこうやけに記憶が曖昧なような…… 「んで、写真撮るからってアイツ2回もキスしたんだよ」 ちなみにその写真はウチのケータイの待ち受け写真でもある。うっかり壁紙にしちゃって戻し方分かんないんスよねぇ。困ったもんっス。 「今の愚妹の癖、見ただろ?」 「? それがなんの関係が?」 「鼻触ると無意識にさ、顔上げんだよ」 「顔を上げて……?」
8 22/05/24(火)22:38:38 No.931116059
「そうだ。鼻にキスをしようとしている時にだ。それが一度目に起きた」 「……えっ!?」 カレンの姉御が驚愕の声を挙げる。 「……何スか?」 それにどういう意味が? 「それって……鼻の位置に口が来るプイ?」 鼻の位置に口が。 トレーナーのクソボケは。 あの時、ウチの鼻にキスをしようとしていて。
9 22/05/24(火)22:39:03 No.931116260
「は~~~~!マジkmiッス~~~~~~~~~~~!」 ウチがアレとキスを????? ウチが気づかない間に????
10 22/05/24(火)22:39:31 No.931116494
「どういう事なのかなオルフェちゃん?説明して????」 「知らないっス!マジkmiっス!初めては、もっとロマンチックなものだと決めてたっス!」 「コイツどさくさに紛れてやる気だったって言ってるわ!」 「言って無いっス!!!!」 「トレーナーさんとオルフェーヴル先輩はそういう関係だったんですかぁぁあ!?」 「まだ違うっス!」 「まだ!?」 「んー、有マ記念勝ってのキスって凄くロマンチックじゃないプイ?」 「そんなに戦争がしたいんスかアンタは!!!」 「プーイプイプイ」 この三冠バ、部外者なのでやりたい放題である。 そしてそこにエールちゃんからのさらなるバクダンが投下された。 「……つまりレースに勝てば同じ事が出来るって事ですよね……」 大接戦ドゴーン!