虹裏img歴史資料館

1 22/05/22(日)01:01:44 No.930068484

〇 「アヤベさん、本当に大丈夫ですか？」 次の日、起きると昨日のことで心配していたカレンさんが私より早く起きて見守ってくれていた。もしかしたら寝ていないのかもしれない。 対する私も泣きすぎたのか、眼が腫れぼったい。これではあの人の前に顔を出すことも出来ない。 「大丈夫だから……心配、かけてごめんなさい」 「その、トレーナーさんと何かあったんですか……？」 「それは、どうして？」 「ずっとうなされるように呟いてたから……」 昨夜のことが頭の中を駆け巡る。月もない夜に、星もない空のような彼の瞳。いったい私はあの人のことをどれくらい理解していたのだろう。 彼は苦しんでいた？ 痛みを覚えていた？ 何を考えていた？ 彼と過ごした数年間の思い出が、全て疑問符で塗りつぶされていく。 あの人が分からなくなっていく。それが怖くて、恐くてたまらない。

2 22/05/22(日)01:02:58 No.930068853

「……アヤベさん？」 いけない、思考が海の渦のようになって意識が疎かになってしまった。慌てて顔を向けると、少し潤んだ瞳になったままだった。今度こそカレンさんは私になにかがあったのだと確信してしまうだろう。 でも、この子に話していいものだろうか。そもそもどうやって話せばいいのだろう、私は彼のことを何も知らないというのに。 「カレン？ もう、お出かけの時間なんだけど……部屋にいるのか？」 その時襖がノックされて、開かれる。顔を向けるとカレンさんのトレーナーさんが立っていた。昨日のあの人の横にいた人とは違う、いつもの良くも悪くも快活な姿だ。 「おにっ……トレーナーさーん？ 合宿中で宿が一緒だからって女の子の部屋を返事もなしに開けるのはどうかと思うな～って前にもカレン言ったよね～？」 一瞬私も驚いたけれど、確かに宿には女子寮などはないからトレーナーも気軽に会いに場所にはなっている。と言っても男の人が生徒の区画に入ってくること自体かなり勇気のいることらしいが、この人にとっては平気らしい。

3 22/05/22(日)01:03:33 No.930069033

「あっ、ご、ごめん！ って、アヤベさん泣いてるのか！？ 何処か痛いのか！？」 「トレーナーさ～ん～～！」 「ごめんなさいごめんなさい！」 「待って！」 ふと、あることを思い出してカレンさんから追い出されようと押されている背中に声をかけた。トレーナーもその担当も眼を丸くして私を見る。 「貴方は……あの人の、私のトレーナーの幼馴染だとカレンさんから聞いたわ」 「あぁ、そうだけど……なになに、もしかして恋の話？ アイツの好みとか？」 ぎゅっとカレンさんが自分のトレーナーの肉をつまんだ。うぎゃっと声が上がる。 「……昔のあの人に何があったの？」 ふ、と砂に描いた絵が波にさらわれたように、笑顔だった彼から表情が消えた。それはあまりにも一瞬で、近くにいたカレンさんも思わず後ずさる。 「あそこにいたのは、アヤベさんか」 彼の顔から血の気が引いて、目を手で覆った。叫ぶような唸りが喉の奥から発せられて、数秒して絞り出すようにか細い声が聞こえてきた。

4 22/05/22(日)01:04:46 No.930069394

「どうして、どうしてあんなところにいたんだ。よりによって君が……」 「わ、私、あの人を探していて、海が好きだって話を聞いたから、海をよく見るからって……」 「好きなもんか！ あぁぁ……最悪だ、なんてこった……だから、だからアイツ気にするなって……」 「アヤベさん……？ トレーナーさん？ ねぇ、昨日何があったの……？」 カレンさんが珍しく戸惑っている。だが、気に掛ける余裕が私にもない。私にも何が起こっているのかわからないのだ。 「聴くつもりはなかったの、見つけるつもりも……」 「バッチリ聞こえてたわけか……悪いが何も話せない。知らない方がいいこともある、忘れた方がいいことも」 「ねぇ、待って！ お兄ちゃん！」 「来るな！！」 窓が揺れるような怒号が響いて、静かになった廊下にカレンさんのトレーナーの足音だけが響いた。 あんな彼を見るのはカレンさんも初めてだったのだろう。何を言われたか理解できないように立ち尽くしていた彼女はやがて眼に涙を溜めて、それが限界を迎えると声も無くただ涙をこぼし始める。 そっと肩を抱いて引き寄せると、カレンさんは胸の中に顔をうずめて、そうしてやっと声を上げて泣いた。

5 22/05/22(日)01:05:05 No.930069487

いったい何がいけなかったのかが分からない、昨日からまるであの人との距離が変わってしまったかのようだ。本当に知らない方がいいのだろうか、全てを夢だと忘れてあの人とまたいつも通り過ごせば、それですべてが元通りになるのだろうか。 彼が見せてくれた笑顔に心から笑顔で返せるのだろうか？ 疑問に思っても、知るすべは後はあの人から聞くしかない。だが、あの人は答えてくれるのだろうか？ そうしていると意外なことが起こった。数時間後、カレンさんのトレーナーさんがまた、部屋に来たのだ。

6 <a href="mailto:s">22/05/22(日)01:05:38</a> [s] No.930069644

調子に乗って続きを書きました出来心です許してください

7 22/05/22(日)01:06:19 No.930069829

続きを書いてもらわないと辛いんだが？

8 22/05/22(日)01:12:28 No.930071668

救いの方もあって光と闇が合わさって綺麗！

9 22/05/22(日)01:13:54 No.930072097

救いはないんですか～？

10 22/05/22(日)01:17:13 No.930073037

>調子に乗って続きを書きました出来心です許してください 完結するまで許されないんだ 辛いだろうが書き続けるんだ

11 22/05/22(日)01:17:44 No.930073181

おい待てェ ちゃんと完結させろ

12 22/05/22(日)01:21:48 No.930074337

>調子に乗って続きを書きました出来心です許してください お前が書き始めた物語だろ

13 22/05/22(日)01:22:10 No.930074430

>調子に乗って続きを書きました出来心です許してください これはお前の始めた物語だろ

14 22/05/22(日)01:23:18 No.930074760

何で同じ時間に同じ話から分かれた怪文書が出てるんだよ！

15 22/05/22(日)01:27:05 No.930075876

本当に分裂しててダメだった

16 22/05/22(日)01:28:09 No.930076215

>何で同じ時間に同じ話から分かれた怪文書が出てるんだよ！ これ本当にすごく…すごいです！

17 22/05/22(日)01:29:14 No.930076505

つまりよぉこっちがどれだけ闇になっても大丈夫ってことだよな！

18 22/05/22(日)01:33:11 No.930077597

>何で同じ時間に同じ話から分かれた怪文書が出てるんだよ！ 三女神じゃ！三女神の仕業じゃ！

19 22/05/22(日)01:33:35 No.930077707

初めて僕らは出会うだろう同じ悲鳴の旗を目印にして

20 22/05/22(日)01:35:04 No.930078117

冒険彗星ルートか…

21 22/05/22(日)01:38:18 No.930079007

思いもしなかった1人でいるときも2人でいる時も同じ寂しさがあるなんて 近寄るだけじゃ手に入らない温もりがあるなんて 愛されたいと望みながらその先は怖くて目を背けてきた

22 22/05/22(日)01:38:36 No.930079086

長いね

23 22/05/22(日)01:39:40 No.930079367

ガラス玉一つ落とされた追いかけてもう一つ落っこちた

24 22/05/22(日)01:40:19 No.930079538

カレンチャンがお兄ちゃんをお兄ちゃんと呼べなくなる日が近づいてきたな…

25 22/05/22(日)01:41:14 No.930079770

分裂したもう一つのルートは救いを与えたんだ こっちのルートは2にどんな結末をあたえるか最後まで綴ってくれ

26 22/05/22(日)01:42:44 No.930080158

私はこの怪文書をかぶりつきで観たいんですよ 最後まで

27 22/05/22(日)01:52:30 No.930082633

ハッピーエンドは一旦摂取した かかってくるがいい

28 22/05/22(日)01:52:31 ID:hP0U0bhQ hP0U0bhQ No.930082637

https://img.2chan.net/b/res/930065480.htm

29 22/05/22(日)01:54:16 No.930083116

汚れた手と手で触り合うのをやめろ！