虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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22/05/17(火)22:03:03 「ぐへ... のスレッド詳細

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22/05/17(火)22:03:03 No.928641357

「ぐへへ。ここからなら盗撮し放題という訳よ」 昼下がりのトレセン学園、校舎の屋上。そこから高いであろうカメラを構えた痩せぎすの男が見下ろす先には屋内プールがあった。 絶賛ウマ娘がスタミナトレーニング中であり、男の目的であるゴールドシップとトーセンジョーダンの姿もあった。 「流石は高身長の良いスタイル。長いロングの芦毛も美しい。対して胸は大き過ぎず、バランスよく整ったスリーサイズも最高だ。ハァ、ハァ」 何度もシャッターを切る。 男はこの道1ヵ月の大ベテランだ。見た目からは想像できない運動能力でこの学園の校舎屋上まで忍び込み、夏も厳しい炎天下の屋上だが余計な荷物を増やすのは愚行だと、屋上の床の熱さも、降り注ぐ日光の熱さも己が身と機動性に優れかつ正体をバラしにくい長袖長ズボンの服だけで凌いでいる様子からも彼が今までトレセン学園に侵入してきた他の変態とは格が違う事を物語っている。

1 22/05/17(火)22:05:36 No.928642456

例え今すぐトイレに駆け込みたくても、例え汗が眼球を濡らそうと、瞬きをせずにカメラを覗き続けるその気迫は、丸2日は標的を撃ち抜く瞬間までスコープを覗き続けるスナイパーそのもの。 僅かな反射物すら許さない徹底振りは最早戦場を生き抜いてきた男だ。 「体を濡らすあの水……是非とも舐めとりたい」 そんな特級の変態がゴールドシップとトーセンジョーダンの肌を流れ落ちるプールの水を隅々まで舐めとる己を想像し、危うく果てかけるのを抑える。 漏らすなら神聖なここではなく、近くのコンビニで失敬しようという魂胆か。何とも図々しい。 「もっとこの目に焼き付けたい」 男がカメラを覗き込む。しかし、そこで見えたのはただの白に金の錨のマーク。異常事態だ。 「な、何だ?」 「それは私のお錨さんだ」 「な!」

2 22/05/17(火)22:06:05 No.928642679

痩せぎすの男が跳び跳ねる。 いつの間にかカメラの先に男が立っていたのだ。腕を組んだその男は顔に白い布を被っていて容姿はよく分からないが、鍛えられたその肉体と体に残る蹄鉄の跡が圧倒的な強者感を、肩まで引っ張られたブーメランパンツは強烈な異常性を醸し出している。 「へ、変態!」 「君の誕生日はいつかな? その日に是非とも壁一面の鏡をプレゼントしよう」 (まさか同業者と鉢合わせるとは……。しかも、ただものじゃない) 男はベテランなだけあって判断も早かった。即座にカメラを回収して屋上の入り口へ向かう。 ──しかし、 「な!? いつの間にカメラがおもちゃに!」 「すり替えておいたのさ!」 「誰だ!」 屋上入り口の屋根から赤い影が翻る。見事な三点着地を決めたその影はその状態から両手を突きだして口上を述べた。

3 22/05/17(火)22:06:27 No.928642849

「担当の柔肌を守る男、トレーナッ!!」 「また変態が! くそ、何なんだお前ら!」 今度は柵の上にガイナ立ちしたブーメランパンツが答える。 「オレは対変態仮面」 そして何故か赤いタイツももう一度口上を述べる。ご丁寧にポーズも取り直してだ。 「変態を許さない男、トレーナッ!!」 赤と白に挟まれた。痩せぎすの男は突然の変態おかわりに脳が理解を拒むものの、先ずは一見筋肉密度が低そうな赤いタイツの男から排除しようと動き出す。 右手にウマソウルブレード。左手にはウマソウルシールドだ。 「コイツ!?」

4 22/05/17(火)22:06:43 No.928642955

「チェアッ!」 バチィッ!! 赤いタイツと痩せぎすの男が激突する。赤いタイツは鉤爪状のウマソウルで迎撃するが、痩せぎすの男は戦いなれているのか、パリィから下段からの逆袈裟斬りを仕掛けてきた。 当然、それを簡単に受けるような赤いタイツではない。肘と膝にウマソウルを強く纏わせ、ブレードを挟むとパリィされた右腕を無理矢理引き戻して手刀でブレードを破壊する。 「ちぃっ!」 ドムッと背中が何かに当たる。ついでに尻の辺りに柔らかい物が当たった気もした。 「Welcome」 「クソッ!」 背後に接近を許していたブーメランパンツをシールドで殴るが、強靭な肉体の前ではウマ娘のドロップキックよりも威力はない物は無力化されて虚しく消し飛ぶ。 そのまま抱き付かれてホールドされるかと思いきや、痩せぎすの男は細い体を活かしてスルスルとブーメランパンツの剛腕から逃げおおせる。

5 22/05/17(火)22:07:03 No.928643113

「中々やるなこの変態」 「あぁ。ベテランなだけはある」 「はぁ、はぁ」 しかし痩せぎすの男と2人とにはどうしようもない差があった。男は変態にしてはウマソウルを上手く扱えているものの、洗練されている訳ではない。 2人の男のように、いついかなる時もあらゆる方向からの不意討ち等に備えて常に全身をウマソウルで覆えない。攻撃力も防御力もレベルが違う。最早『ウマ娘』と『人間』とは別のカテゴライズが必要な『トレーナー』という種族。 初めから、『人間』である痩せぎすの男が勝てる相手ではなかったのだ。 (勝てない訳だ……先輩達が7日見付からなければベテランと言っていたのはこの事だったか。これ程までか、学園のトレーナー達は! ここは戦利品も何もかもかなぐり捨てて逃げるしか無いですな)

6 22/05/17(火)22:07:16 No.928643217

遂にトレーナーと気付いて戦意が喪失。逃げるべく脳内マップで予め用意しておいた逃走マップを思い出すが、もう遅い。男の四肢にはいつの間にか蜘蛛の糸のような物が絡み付いており、身動きが取れなくなっていた。 まさにそれは、美しくも奇抜な色へ“変態”した蝶が圧倒的捕食者である蜘蛛の糸に捕らわれてもがいているよう。 弱肉強食の自然の摂理を体現しているような命の美しさすら感じられる。 「な!?」 「Welcome」 「う、うわああああああっ! やめろぉ!! やめてくれえええええっ!!!!」 両手を広げたブーメランパンツの後ろに回りこんだ赤いタイツに引っ張られ、少しずつ引き寄せられる。そして汗ばんだブーメランパンツの男にハグされる2秒前。哀れ痩せぎすの男はあまりの恐怖に失禁し、意識を手離した。

7 22/05/17(火)22:07:37 No.928643364

「全く……。ウマ娘を盗撮したりする変態にも困ったものです。油断も隙もありません。これを機に、監視カメラ等増やしましょうか理事長」 「……なぁ、たづな。わたしの目が狂ってなければ、この盗撮犯を捕まえた2名も変態ではないのか? 変態が変態を取り押さえているようにしか見えないのだが……」 「蜘蛛と同じですよ理事長。見た目は悪いですが、本来蜘蛛は益虫。害虫を排除してくれる有難い存在なんです」 「確かにそうだが……」 盗撮犯を取り押さえる赤と白の変態が写った報告書に再度目を通し、学園理事長秋川やよいは「益虫も増えすぎると害虫では」なんて考えつつも取り敢えずウマ娘が無事なのが何よりなので、天晴れと扇子を開いてその話をこれ以上理解することを拒むことにした。

8 22/05/17(火)22:09:14 No.928644046

ちょっとゴルシのトレーナーはやり過ぎた感があるかも

9 22/05/17(火)22:12:21 No.928645314

なんだこの…なんだろう?

10 22/05/17(火)22:13:13 No.928645666

疑念!ウマソウルをなんだと思っているのか!

11 22/05/17(火)22:15:44 No.928646717

子供に変態見せちゃ駄目だよ!

12 22/05/17(火)22:17:10 No.928647296

>腕を組んだその男は顔に白い布を被っていて その白い布の出どころはどこなんですか…?

13 22/05/17(火)22:18:38 No.928647907

変なの見ちゃった

14 22/05/17(火)22:19:11 No.928648115

たづなさんはそれでええんか…?

15 22/05/17(火)22:20:37 No.928648704

毒をもって毒を制すみたいな感覚で変態を野放しにするのはどうかな…

16 22/05/17(火)22:21:31 No.928649093

ん…?いや…ん…?

17 22/05/17(火)22:33:44 No.928654102

んーあのね 寝る前に悪夢を誘発させそうな怪文書は

18 22/05/17(火)22:40:40 No.928656944

いるんだろうなこんな輩 それと校内に隠しカメラとかも

19 22/05/17(火)22:58:31 No.928664072

トレーナッは前に2回くらい見かけた気がする

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