22/05/10(火)19:23:29 陽射... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1652178209785.jpg 22/05/10(火)19:23:29 No.926141019
陽射しを浴びて、細かな波がどこまでもゆったりと流れる海の上に、オルカが長大な船体を横たえていた。 艦尾のハッチから搬入作業用のアームが展開し、海面すれすれに低く伸びている、その突端に腰をかけ、のんびりと釣り竿をたれるバイオロイドが二人。
1 22/05/10(火)19:23:45 No.926141109
竿がひょいと跳ね上がり、ゼリーのような海面を破って、銀色に暴れる小さな魚が空中へ飛び出した。 「ゲッ、ニシンだ。あげる」 シルフィードは手のひらの幅ほどのちっぽけな魚を一目見て、広いおでこに皺をよせ、隣に座るジニヤーの膝へ放り投げた。 「サッパだね。おいしいのに」 「ニシンの仲間でしょ。苦いから嫌いなのよ」 「これくらいなら丸揚げがいいよ」 ジニヤーは投げ渡された小魚を、海中まで提げてある網の口へするりと入れる。 ほどなく、彼女もリールを巻き上げると、細長い顔をした赤い魚がのたうちながら出てきた。 「アカムツだ。ラッキー」 「へー、そんなのも釣れるんだ。私好き、ちょうだいよ」 「えー」 「さっきニシンあげたじゃない」 「えー」 言いながらもさほど嫌そうでもなく、ジニヤーは釣り上げた魚を渡した。シルフィードは満足げに、自分の側にあるクーラーボックスへ放り込む。
2 22/05/10(火)19:24:05 No.926141216
ブラウニーが一人、アームの付け根からとことこ歩いてきた。 「釣れてるっすかー」 「わりといいよー」ジニヤーが手を上げて挨拶する。 「フォーチュンさんから伝言で、16時くらいからアーム動かすそうっす」 「はいはい。まあ、夕方には撤収するわよ」 「ブラウニーも釣る?」 「午後から出動なんで」 「最近調子いいじゃない。あたし達と同じヒマ組だったくせにさ」 「えっへへへー、昇級と訓練の成果っす。やっぱ時代は連携っすよ、連携」 「連携かー。苦手なのよね」 「昔みたいにばーっと大勢で制空権取る方が楽だよねえ」 「三割くらい死ぬけどね」 「わかるっす。第一波攻撃で生き残ると、一気にテンション上がるっすよね」 「ドーバーだっけ、気持ちよかったよねえ。地面に一面ブラウニーがいて、空に一面私たちがいて」 あははは、と物騒な話題で明るい笑い声が上がる。
3 22/05/10(火)19:24:23 No.926141316
P-2000ジニヤーは、ブラックリバーの中ではブラウニーの次に数多く生産されたモデルである。本来は追撃機だったのが、あまりのコストパフォーマンスの良さから護衛機に転用されたという経歴がそれを物語る。嘘か誠か、ヨーロッパのどこかには今も稼働中の無人プラントがあり、新たなジニヤーが生まれ続けているという。 「でもやっぱり、死なないで勝てるのも嬉しいっすよ。隊長たちとの距離も、なんか昔よりちょっと近くなった気がするっす」 ブリーフィングの時間っす、とジャケットのすそを直して小走りにアームの上を駆け戻っていくブラウニーを見送って、ジニヤーがぽつりと呟いた。 「いいなー」
4 22/05/10(火)19:25:36 No.926141687
長くなったので続き fu1056689.txt
5 22/05/10(火)19:26:46 No.926142059
ほかにも怪文書書いてくれる人が現れたみたいでとても嬉しい ラストオリジン流行ってほしい まとめ fu1056687.txt
6 22/05/10(火)19:55:00 No.926151503
下っ端の息抜きいいよね…
7 22/05/10(火)19:59:48 No.926153192
今ラスオリ怪文書「」3人いるんだっけ
8 22/05/10(火)20:07:27 No.926155910
二人は知ってるがもう一人いるの?
9 22/05/10(火)20:12:38 No.926157779
>二人は知ってるがもう一人いるの? 最近新しい人が書き始めた
10 22/05/10(火)20:13:27 No.926158081
温泉ネタの人かな?
11 22/05/10(火)20:18:47 No.926160001
シルフィとジニヤーメインの二次創作初めて見た 良かった…