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22/05/06(金)01:09:31 つまら... のスレッド詳細

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22/05/06(金)01:09:31 No.924471703

つまらない女、と学生時代告白されてお断りをした男子から言われた言葉がそれだった。 微笑みを返さず、誘いに乗らず、必要以上の会話せず、口を開けば正論なのだから、それはそうだろう。反論もしないし、概ねその評価で異論はないと思う。 学生時代の私には、異性というのは私にとってその文字の通り異なる性の人間という認識でしかなく、そこに特異性も希少性も見出すことはなかった。あるものがあってないものがない。その程度だ。そしてその認識は今になってもあまり変わらない。 むしろ自分と異なるということで好奇心を満たしたのはウマ娘たちで、もし学生時代に恋をすることを青春とするならば、私は青春をウマ娘につぎ込んだことになる。それほどに彼女たちの走りには魅了された。 当然、トレーナーを目指してストレートに中央に所属できたが、女学園であるトレセン学園に入ろうとも、そこからURAに勤めようとも、当然そこに異性はいてやはり勝手に近づいてきては、何やら失望したように離れていく。私は世間一般的に顔だけはいいらしかった。

1 22/05/06(金)01:10:10 No.924471895

おそらく、その男性たちからも私はつまらない女。という評価を貰ったのだろう。ただし、業務評価は高かったので、優秀だがつまらない女。にランクを上げたのかもしれない。我ながら考えてバカらしい、まったく。 だが、やがてトレセン学園にまた身を置き始めて数年、親から結婚の催促をも受けそうな年(私の両親はこの職業に理解があり、あまり急かすこともしないが)になってからのことだった。どうにも可笑しなことになった。 「樫本トレーナー!」 太陽の暖かさが眠気を誘うような、昼過ぎの廊下できゃんと犬が吠えるような、元気がよろしい声と共に一人の少年に近い青年が近づいてきた。若々しく、初々しい、溌剌とした顔に幼さがまだ残るような子。いまだ新人の二つ名が外れるには短い勤続年数だが、それでもチームキャロットを任され、立派にそれを務めた将来有望なトレーナー。今だ成長期の恐ろしい好敵手。 「今日は午後から練習はありませんよね。お昼ご一緒しませんか? 良いお店を見つけて!」

2 22/05/06(金)01:10:27 No.924471977

そんな彼は出会った時と比べて、よく私を食事に誘うようになっていた。食事だけではない、私のチームへの参考のために彼とは様々な場所に行った記憶があるがその時以上に頻度は増えて場所も増えている。 誘われるままについていってしまう私も私だが、声をかける方もかける方である。それほどに参考になる場所があると言うのだろうか? しかしながら、その学習意欲には感心するほかない。私も彼も未だ学ぶことは多くあるのだ。 「今月の月刊トゥインクル見ましたか? 液体ウレタンゴム蹄鉄の開発がかなり進んでいるみたいですね。あれなら練習中の足の負担にもかなり……樫本さん?」 「え? えぇ、はい。ですがコスト面がまだ心配ですね、そういったものは流通に時間がかかりますし、接着蹄鉄は通常のものよりもかなりコストがかかりますし」 彼の言葉で、とっさに深い所に潜っていた意識を浮上させる。そう言えば彼は私のことをトレーナー呼びからさん呼びにすることが増えてきたような気がする。気にすることではないが。

3 22/05/06(金)01:11:01 No.924472137

「大丈夫ですか? もしかしてお疲れでは……」 「いえ、心配は入りません。それよりも、どのような飲食店なのですか?」 「前に樫本さんがパスタの話をしてたでしょう? それを思い出して美味しい店を見つけたんです! 中々オシャレでウマ娘サイズもやってるからチームの皆も連れて行けますよ」 「それは良い。チームの士気も上がります」 よかった。と、彼が笑った。不愛想と言われる私と違って彼は良く笑う。おかげで何回かつられて表情筋が緩んでしまって、そのたびに彼は眼を丸くして私の顔を見る。よく分からない。 「あっ樫本トレーナー! と、キャロットのトレーナー」 そうして玄関を出て外にでると、ちょうどビターグラッセが私達を見つけて声をかけてきた。 「ちょうどみんなでご飯に行こうという話になりまして! それで……どうやら先約があったみたいですね、ふふふ、お邪魔しました!」

4 22/05/06(金)01:11:31 No.924472278

かけてくるなり、私達を見て邪かつ満面の笑顔でそう言い放つ。この子はどうにも練習熱心な風貌からはあまりイメージが出来ないほど、耳年寄りというか恋やらに熱心に思える。立派にビターグラッセも年頃の女の子ということだろうが、あまり深く考えられては困る。リトルココンの方は解ってくれているのか、私達を見ても静かにじっとこちらを見つめてくるだけだ。 「何を想像しているか知りませんが、私達は同僚として食事に行くのであって……」 「はい! もちろん! この前も同じ答えを返されましたから!」 「待ちなさい、分かっていないでしょう」 ごゆっくりと言いながら走り去っていくビターグラッセの背中を見送りながら、ため息を吐く。彼女には困ったものだ。そもそも私にはそういう気は全くない。そんなことに現を抜かす暇があったら新しい練習メニューを考える方が性に合っている。彼だってそうだろう。 「まったく……困ったものだ。すいません、気を悪くしたのであればいい加減ちゃんと言い聞かせます」 「い、いえ、そんなことは全く! ホントに!」

5 22/05/06(金)01:12:02 No.924472414

「しかし、貴方にも責任はあることを忘れないように。あまり私とばかりいると、その内意中の女性からも勘違いされてしまいますよ」 珍しく冗談を言ったな、と自分でも驚いているとクルマの前で足音が一つ足りないことに気づいた。振り返ってみると、彼が少し俯きがちに立ち止まっている。あまり冗談としては出来が良くないものだったのだろうかと、思ってみると不意に彼が顔を上げた。顔がリンゴのように真っ赤だ。 「お、俺は、勘違いされてもいいです!」 そしてそんなことを、上ずった声で言ってきた。勘違いって、何をだろうか? 「好きです!」 あぁ、なるほど勘違いとはそういうことか。なるほど、彼は私のことを慕っていたらしい。なるほど、なる 「え"っ」 もはや蒸気を吹き出しそうなほどに赤くなっている彼を前に、ただ口を開き、開いて言葉がでてこない。可笑しい今まではただお断りしますとちゃんと言えたというのに。ただそれだけで済んだというのに。

6 22/05/06(金)01:12:27 No.924472550

やけに耳が熱い、違う、頬から熱が上がってきているのだ。どういうことだ、どうしたというのだ。何で心拍数が上がっていかなければならないのだろうか。 小学生と大学生ぐらい年が離れているというのに、面白い気の利いた話などしたことがないというのに、彼は私を好きだと言った。何故だ。 分からない、どうにも分からない。理解ができない、可笑しなことになった。まったくもって可笑しい。理解が不明だ。 「いや、私と貴方は年が開いて……!」 「気にしません!」 「その、私にはそう言われるような魅力が!」 「時々見せてくれる笑顔が可愛いです!」 「私はつまらない女で!」 「一緒にいて、とても楽しいです!」 一番可笑しいのは、どうにもお断りしますとは違う言葉を言いそうになっている点だ。

7 <a href="mailto:s">22/05/06(金)01:13:50</a> [s] No.924472932

年下男子から猛烈にアタックされてへにょへにょになっていく樫本トレーナーが見たかったので書きました誰か続き書いて

8 22/05/06(金)01:16:51 No.924473739

お前の始めた物語だろう? めちゃくちゃ良いから焦らず書いて

9 22/05/06(金)01:17:03 No.924473811

とてもよかった

10 22/05/06(金)01:17:07 No.924473832

お前が 書くんだよ

11 22/05/06(金)01:17:28 No.924473938

お前が書くんだよ!

12 22/05/06(金)01:17:41 No.924474000

スレッドを立てた人によって削除されました お前が始めた物語だろうが

13 22/05/06(金)01:18:13 No.924474147

年下に翻弄される年上いいよね…

14 22/05/06(金)01:18:50 No.924474321

これはお前の物語だ

15 22/05/06(金)01:20:03 No.924474622

いいぞ もっと理子ちゃんをへにょへにょにしろ

16 22/05/06(金)01:20:20 No.924474699

寝る前に良いものを見た…

17 22/05/06(金)01:22:15 No.924475271

この新人くん自体もだいぶへにょへにょになってて微笑ましくなる サポカであんなにぐいぐい行ってるのが公式だからいいよね…

18 22/05/06(金)01:22:28 No.924475326

ずっと書いてくれ

19 22/05/06(金)01:24:41 No.924475941

寝る前にいいものを見つけて思わずにっこり

20 22/05/06(金)01:25:05 No.924476050

お互い初めて意識しちゃった異性なんだ…

21 22/05/06(金)01:25:32 No.924476158

仕事もあるし寝るところだというのに良いものを読ませてくれたおかげで妄想が捗ってしまったじゃないか ありがとう

22 22/05/06(金)01:27:30 No.924476646

>サポカであんなにぐいぐい行ってるのが公式だからいいよね… 理子ちゃんにだけ食い気味に行くよね 守護ってあげないとオーラがそうさせるのか…

23 22/05/06(金)01:29:42 No.924477264

いい…

24 22/05/06(金)01:30:08 No.924477356

私の方が年上なのにと思いながらずぶずぶハマっていってしまう理子ちゃん見せて!

25 22/05/06(金)01:37:26 No.924479409

いちゃいちゃしろ…もっと理子ちゃんを困らせろ…

26 22/05/06(金)01:39:16 No.924479872

産駒作れ…

27 22/05/06(金)01:40:14 No.924480120

怒涛の連続お前が始めた物語だろで笑っちゃった 本当にお前が書くんだよ!!

28 22/05/06(金)01:42:09 No.924480622

正統派理子ちゃん怪文書初めて見た いいぞもっとやれやってください

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