虹裏img歴史資料館

1 22/05/05(木)19:48:08 No.924328371

「トプロさんみたいになってんじゃんウケる」 「いやぁ……だって凄いんだもん。まさかジョーダンがプラモデルやってたなんて知らなかったし」 「あー、プラモ始めたのは最近。この前ゴルシにムリヤリ町内プラモデル大会に連れてかれたんだけど、そん時にケッコー楽しくてさ～」 「成る程ね。道具は結構揃えたのかい？」 「いんや。モロモロ揃えっと高ぇーから、必要最低限のでやってる」 「なら俺の道具をあげるよ」 「え？ いや、流石に貰えねーって言うか、トレーナーだって完全にヤメたワケじゃないんでしょ？」 トレーナーも趣味でやっていたので、道具はそれなりに揃っている。しかし、学生の時とは違いトレーナーの仕事の忙しさでプラモデルに触れる機会は大きく減ってしまった。

2 22/05/05(木)19:48:23 No.924328468

いつでも出来るようにと寮の部屋にはあるが、寮に引っ越してきて以来、1度も箱から出していない。 「じゃあ、ジョーダンが飽きる時まで貸すって事でも良いよ。どのみち、中々弄れる機会も無いし、何より折角使う人が居るなら道具も使われた方が良いだろう。道具は使うものであって、大切に保管されてしまっては、本来の意味を失ってしまうからね」 「う～ん……じゃあそうするわ。後で帰るときに取り行くわ」 「ほい。じゃあ今日は予定通り勉強会ね」 「うぃ～」

3 22/05/05(木)19:49:04 No.924328741

その日の夕方に約束通り、トーセンジョーダンはトレーナーの寮へプラモデルの道具一式を受け取りに行った。 段ボールに綺麗にしまわれた道具の各々の説明を軽く受け、ついでに途中で改造を止めてしまったという戦闘機関車トーマースも貰ってウキウキ気分で自室へ帰っていると、これからトレーナー寮に向かうのか、ダイワスカーレットと出くわした。 「あ、こんばんはジョーダンさん」 「おっす～。ダスカちゃんこれからトレーナー寮行くとこ？」 「はい。ちょっとトレーナーさんに用事が。……それ、プラモデルの道具ですか？」 「お？ 分かるカンジ？ そうそう。あたし最近プラモにハマってさ～。トレーナーも趣味でやってたみたいだから、その道具をかりたん」 「へぇ。あ、そうだ。もし良ければちょっと変わったプラモデル作ってみたくないですか？」 「変わった？」 「はい」 取り敢えず立ったままでは何だからと、ダイワスカーレットはトレーナー寮へ向かうのを止めて自分の部屋へトーセンジョーダンを案内した。

4 22/05/05(木)19:49:26 No.924328881

まだ同室のウオッカは帰っていないようで、ウオッカの机に荷物を置かせてもらい、ついでにその椅子も借りる。その間にダイワスカーレットはベッドの下をガサガサと漁りだすと、1つの箱を取り出してきた。 プラモデルの箱だ。しかし、上箱のイラストは見たことがある人物と、その人物の名前がデカデカと記載されている。 「あたしのトレーナー？」 「はい。前に理事長にトレーナーさんの健康が心配だから隅々までチェックする必要があるって提案して、それで全トレーナーさんの健康チェックが入ったんですが、その時にタキオンさんにお願いして全トレーナーさんの詳細データをぶっこ抜いて貰ったんです。それをマックイーンさんにお願いして、プラモデル化してもらったのがそれです。いわゆるトレモデルですね」 「えぇ……」 ちょっと引くトーセンジョーダン。 「それを闇ルートで売ってたんですが、遂にアタシのトレーナーさんにバレちゃって……暫くウマ娘トラズに収監されてたんですけどまだ残っているのがあるのでこうして秘密に配ってるんです。お金貰うと流石にまた怒られるので」

5 22/05/05(木)19:49:44 No.924328995

「そういう問題かな……」 「かなり詳細に出来てるので良ければ作ってみて下さい」 何やらヤバい領域に足を踏み込んでしまったと冷や汗をかくトーセンジョーダンであったが、上箱のイラストは良くみると健康診断の際に上着を脱ごうとして見事な腹筋がチラリズムしているトレーナーの写真だ。サイズは1/10。箱の側面に記載された彼女のトレーナーのパーソナルデータを見ると、凡そ17cm程のサイズだ。 (あたしのトレーナーが、1/10で……？ こ、こんな腹筋もサイゲンできてるのかな……) ゴクリと唾を嚥下する。 心では、こんな肖像権の侵害をしているような違法な物、受け取ってはいけないと分かっている。しかし上箱の写真から離せない目。上がる心拍数。箱を潰さんが如く力む指。体は正直であった。 「あ、あたし、もう帰らなきゃ。あまり遅いとチケゾーさんうっさいから」 「はい。引き留めてしまってすみません」

6 22/05/05(木)19:50:04 No.924329153

ダイワスカーレットの丁寧な謝罪をどこか適当に受け流し、道具が入った箱に隠すようにプラモデルを突っ込んで、心臓の鼓動に釣られるように早歩きで自室へ。 案の定、「遅くて心配したよお！！ その箱何！？」とウイニングチケットの爆音が出迎えてくれた。しかし、トーセンジョーダンはそれに動じず至って冷静にプラモデルの道具だと伝えると、隠すように机の下に押し込む。 トレーナーのプラモデルを取り出すのは同室のウイニングチケットが寝静まってからか、或いは── 「チケゾーさん、お風呂入った？」 「まだだよ！ これから行くんだけど、ジョーダンも行く？」 「……あたしはちょっとやることあるからいーや。後で行く」 「分かった！ じゃあ行ってきます！」 わざわざ待ってくれて居たことに申し訳ないとは思うだろう。しかし、トーセンジョーダンはもうそんな事を気にする余裕が無い。 ウイニングチケットも待たされたとかそう言った考えもないので、ひたすら元気良くいつも通り大浴場へ出ていった。 「……」

7 22/05/05(木)19:50:41 No.924329398

煩いウイニングチケットの声が完全に離れたのを確認して、トーセンジョーダンは机の下から少し指圧で潰れたプラモデルの箱を取り出す。 先ずは焦らず、トレーナーのパーソナルデータを確認。 身長172cm。体重75kg。血液型はO。体脂肪率は── 「……ウソ、そんな情報まで……これトレーナー知ったら死ぬんじゃね？」 恐ろしきはダイワスカーレットかタキオンの技術力かメジロの力か、それともここまで事細かに申告させた学園側か。 興奮8割、恐怖2割で遂に上箱を開けた。 中にはしっかりとビニールに包まれたランナー、組み立て説明書、1/10トレーナーの衣服等々。 「……ちゃんとパーツあるか確認しないと……」 そう。先ずはパーツに欠損等ないか確認だ。 決してトーセンジョーダンはトレーナーの裸体パーツが早く見たいわけではないのだ。 その鼻から垂れてる血も、それを想像しての事ではない。

8 22/05/05(木)19:51:02 No.924329531

「──！」 そして見付けた。 肌色1色のランナーに、細分化されたトレーナーの裸体がある。筋肉質の腕、様々な表情で既に目などがプリントされた顔。上箱にあったのと同じ腹筋。そしてヘソより下の── 「……………ヤッバ」 その夜、ウイニングチケットが寝静まった後にこっそりと組み立て始めたトーセンジョーダンは暫く寝不足気味に悩まされる事となった。

9 22/05/05(木)19:52:30 No.924330070

ゴルシとジョーダンの会話見てて、手先器用そうだからマジでプラモデルは出来るんじゃないかと思ったら 急に目線ダスカが脳裏によぎった

10 22/05/05(木)19:53:46 No.924330552

ねぇこのダスカ目線入ってない？

11 22/05/05(木)19:53:51 No.924330593

なんということを！

12 22/05/05(木)19:54:12 No.924330724

そういえばあの目線って物理的に存在してるんだよな

13 22/05/05(木)19:54:30 No.924330827

急に目線ダスカが出てきたと思ったら不健全さが増した…

14 22/05/05(木)19:54:38 No.924330871

ウマ娘トラズに収監されてるから確実に目線世界

15 22/05/05(木)19:55:16 No.924331125

ジョーダンを隠れ蓑にした実質目線ダスカ

16 22/05/05(木)20:05:05 No.924335435

出来上がったのをどこに置くのかとか考えてなさそうなのが良し

17 22/05/05(木)20:08:41 No.924337170

>体は正直であった。 そうだね

18 22/05/05(木)20:17:08 No.924341447

生産ラインどこよ…

19 22/05/05(木)20:38:12 No.924351607

つまんね