22/05/05(木)02:45:49 泥の爆... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1651686349178.jpg 22/05/05(木)02:45:49 No.924109055
泥の爆発オチ
1 22/05/05(木)02:46:21 No.924109135
もう壊れた幻想するしかねぇーっ!する泥
2 22/05/05(木)03:00:42 No.924111084
覚醒する意識。 まず感じたのは痛みだった。自分が浮かび上がるにつれそれは全身からずきずきと傷んだ。 ただ救いだったのは痛みこそすれ、眠りの淵へ再び沈むこむことを許容するほどの痛みではなかったことだ。 それで全身を襲う痛みが自分の行動を妨げるものではないということに確信が持てた。 ただありがたかった。自らが修める剣道において相手の激烈な打ち込みで一瞬意識が飛ぶなどよくあることだ。 原因が痛みでこそあれ意識をきちんと確保できている。少なくとも失神したままであるよりはマシだった。 だから、少しずつ目を開けた。 「……っ」 つい呻く。身体を襲う痛みと、瞼を広げて外界を視認する痛みに依って。 目に入ったのは味気のない簡素な白い天井だ。のっぺらぼうに端まで広がっている。 それがどこかを悟ることはできなかったが、一方でその天井からは何らかの秩序が感じ取れた。 少なくともある程度の常識の下で自分は寝かされている。そういう認識が持てた。 「…あはー。もうしばらく寝込んだままと踏んだのですけれど。頑丈ですねぇ、あなた」 ドアが開く音と、どこか間延びした人の声と、それらが混ざって聞こえたのはその頃のことだ。
3 22/05/05(木)03:03:14 No.924111400
ガ ン ダ ム
4 22/05/05(木)03:03:50 No.924111460
燃え上がーれ 燃え上がーれ
5 22/05/05(木)03:05:32 No.924111672
巨大な死徒を 討てよ討てよ討てよ
6 22/05/05(木)03:20:43 No.924113258
「っ、ぁ…っ」 「無理に喋らなくていいですよ~。五体無事ではあれ吹き飛ばされて全身打撲には違いありませんから。 まぁ、打ちどころ自体は良かったようですけれども。受け身の技術とか習っていました?」 まだぼんやりと霞を帯びる意識の中で、開いた視界に映る女の姿があった。 ───かの宗教に関してさして詳しい訳では無い。 けれどその浅薄な知識であっても彼女がその宗教に携わる人物だというのはすぐに読み取れた。 特徴的な法衣が理由だ。いわゆる修道女らしい服を着ている。 まだ意識が朦朧とする私の側で、大して減っていない水差しの水の量を確かめながら女は言う。 「その様子ですとまだ自分の身に何が起こったのか分かっていないようですね。 大変残念ながら、あなたは巻き込まれてしまった身分なのです。 こうして寝込んでいるのだってあなたが彼らの戦いの余波で不運にも吹き飛ばされてしまったからに相違ありません」 …分からない。彼女が何を言っているのか。 ぼんやりと朧気な意識のままに彼女を見上げる。視線が合った。 そうして彼女は穏やかに笑った───他の人は怖いというその眼差しを、その時の私は安心できると感じたのだ。
7 22/05/05(木)03:39:22 No.924115004
「大丈夫。安心してください。ひとまず私の元にある以上あなたの無事は保証します。 迷える者を救うのは主の御心に従えばこそ。詳しいことは、あなたの意識がはっきりとしてからにしましょう」 そう言って女は私へ向けてにこりと微笑んだ。 それで少なくとも安心できた。今から思えば、その笑顔はどことなく薄っぺらな印象を帯びたものだったかもしれない。 しかし更に言えば、その薄っぺらで簡単に裏へとひっくり返りそうな表情の裏にひっくり返るものが無い。 つまり、そもそも裏表に返るものがないもの。そういうふうに本能が感じ取っていたのだろう。 だから、全身に負った傷のためにろくに喋ることもせず眠りへと誘われ始めた。 然と目覚めるにはまだ早かったと、そう告げるかのように。 「もう暫しお休みなさい。次に起きたならば話すべきことはその時に。 ───やれやれ。日本のこうした避難措置は優秀だと聞いていたのですけれどもねぇ。取りこぼしはあるということですか。 ああ、急に私の責務が面倒になった。…とはいえ、これも聖務。都合はつけねばなりませんか」 私の知らぬ間にシスターはそんなぼやきをしていたが、全て私の知らぬことだ。