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22/05/01(日)23:30:24 こんこ... のスレッド詳細

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22/05/01(日)23:30:24 No.922960398

こんこん……コンコン、コンコン……ごんごん。 休みということで昼間まで眠っていようと二度寝しようとしたところ、何度もドアを叩かれ少しだけ不快になりながらベッドから起き上がる。 寝癖を軽く抑え、大量に積み上がったダンボールのゴミなどを退かしながら玄関へと向かう。 「はい、どちら様でしょうか」 「おい、早く出ろ……って何だその姿は」 扉を開けると、そこそこの時間待たされてイライラしてそうなエアグルーヴが立っていた。 「え?どうしたのこんな朝早くに」 「どうしたのではない。先日話しただろう、今日貴様の部屋を掃除しに行くと。それと今は朝ではない」

1 22/05/01(日)23:30:45 No.922960554

「あー……今日だったっけ」 「たわけ」 先日の会話を思い出しながら、やってしまったと少し後悔していると、寝癖が気に障ったのか手を櫛のようにして私の頭を整えようとしてくる。 「こんな姿で人前に出ようとするな」 「普段はある程度ちゃんとしてるし、今はエアグルーヴの前だからいいじゃん別に」 「ほう、なら貴様は扉の前にいるのが私だと分かった上でこんな格好で出たということか?」 「……はい、ごめんなさい」 「これからは私以外の前でそんな姿を晒すなよ」 そんな雑談をしながら私の髪を手で整えようとしてくれたが、何度やっても癖の強い髪は元に戻らなかった。

2 22/05/01(日)23:31:03 No.922960665

エアグルーヴは元に戻らない髪に軽くため息をついた後、諦めたのかさっさと部屋に入ってくる。 「……おい、何だこの有様は」 「いや、ちょっと段ボールと服が溜まってるだけでそこまで汚れては」 「それならきちんと畳め。箱のまま残しておくな、たわけ」 私を叱ってはいるが、少しだけ嬉しそうに尻尾を振りながら、慣れた手つきで段ボールを畳んでいくエアグルーヴを眺めていると、貴様も手伝えと視線で伝えてきたので手伝う。 積み上がっていた段ボールや荷物を消化していると、飽きがこないようにか適当な雑談を始まった。 「この前掃除しに来たばかりというのに、何故こんな早くゴミが溜まるんだ」 「いやー、自分ではちゃんとしてるつもりなんだけどね」

3 22/05/01(日)23:31:28 No.922960865

「本当に貴様は……貴様のことをきっちりした有能トレーナーだと思っている後輩達には絶対見せられないな」 「エアグルーヴ以外には見せないから大丈夫だよー」 「……ふん、ならいい」 あ、でもこの前桐生院ちゃんとお酒飲んだ時にちょっと怪しかったな。 ただこの話をエアグルーヴにしたら、しっかりしろと怒られる気がしたので黙っておくことにした。 「……私が来ないだけで直ぐにこんな部屋になってしまうのに、貴様は私が卒業して居なくなったらどうするつもりなんだ」 「えー、卒業したら来てくれないの?」 ちょっとだけ意地悪したくなり、揶揄うように言ってやると作業していた手が一瞬止まった。 「……まあ、それもありかもしれないな」 「え?」

4 22/05/01(日)23:31:47 No.922960999

思っていた反応とは違い、意外と肯定的な返しをされ困惑してしまう。 「いや、駄目だよ。エアグルーヴってダメ男捨てられないタイプ?心配なんだけど」 「おい、貴様が最初に言ったくせに何だその反応は」 「いつもみたいにたわけって言ってくれるかと思ってたから……」 エアグルーヴは一つため息を吐いた後、じっとりとした目で呆れたように見つめてくる。 「というより貴様、自分がダメ寄りであることを自覚しているのなら直せ」 「それは一旦置いといて」 一旦置くなと言いたげなエアグルーヴを無視して、今生まれた心配事を解決させる方を優先させる。

5 22/05/01(日)23:32:18 No.922961218

「それよりだよ、え?何、エアグルーヴって見切り付けられないタイプ?」 「……そうだな、もっと簡単に諦めがつくような性格だったら、こんなことにはなっていないのかもしれないな」 エアグルーヴは諦念を孕んだ目で、誰かを憐れむように言い放つ。 そんな様子が、身体の奥底を掻きむしりたくなるような程に不快で、鬱陶しくて、何も考えずに口を開いてしまった。 「でも私はそんなエアグルーヴが大好きだよ」 「そう、か……貴様はずるいな」 「え?」 ──ぐぅぅう。 言葉の真意を聞こうと思ったところで、身体はそんな私の考えを無視して空気を読まずに、食欲を満たせと訴えてくる。

6 22/05/01(日)23:32:33 No.922961367

「ふっ、もうお昼も近いし一旦休憩にするか。少し台所を借りるぞ」 エアグルーヴは私のお腹の音に軽く一笑した後、台所へ向かい慣れた手つきで冷蔵庫を開けて適当な料理を作り始めた。 結局さっきの言葉どういう意味だったんだろ。 そんな思いもエアグルーヴの料理を食べる時には、薄ぼんやりと消えて無くなっていき、それからはいつもと変わらないエアグルーヴと一緒に一日を終えた。

7 <a href="mailto:s">22/05/01(日)23:33:37</a> [s] No.922961908

このまま歯痒い距離感のまま関係が続く感じのが好きなので書きました

8 22/05/01(日)23:44:39 No.922966643

いい…

9 22/05/01(日)23:47:35 No.922967797

女帝のツンデレ具合がじりじり距離を詰めていくはめになってる…

10 22/05/01(日)23:48:27 No.922968162

じれったい…あとたわけは早く自覚して…

11 22/05/02(月)00:05:09 No.922974632

クソたわけめ…

12 22/05/02(月)00:16:07 No.922978392

女帝はテンプレツンデレが通じない相手に弱いからな…

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