虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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  • 泥のSS のスレッド詳細

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    22/04/20(水)00:57:46 No.918751617

    泥のSS

    1 22/04/20(水)01:00:19 No.918752240

    思ったよりレス使いそう 3レスくらいかな

    2 22/04/20(水)01:02:07 No.918752679

    かまわんやれ

    3 22/04/20(水)01:17:44 No.918756653

    真夏の太陽───というと、この22世紀の日本においてはそれなりに忌むべきものである。 いよいよ切羽詰まったところで間に合った温暖化対策の研究により多少は歯止めがかかったものの、前世紀より上昇してしまっている気温は殺人的だ。 故に海水浴場やプールのピークは8月ではなく9月にズレこんだ。この時期に海へ泳ぎに行こうなんて人間はそうはいない。 だがそれも22世紀ではの話だ。 「はい、ご苦労さま水無月くん。のんびりしすぎて温くなってないでしょうね?」 「申し訳ありませんサクヤ。しかしこれもじゃんけんによる勝負の結果ですので」 砂浜に立てられたビーチパラソルの元へ戻ってきたパシり、もとい僕をふたりはにこやかに出迎えた。 大きなビーチチェアにふたり並んで寝そべって悠々自適といった様子である。 これでもかと詰め込まれた氷でじゃらじゃらと鳴るソフトドリンクのカップをテーブルに置きながら僕は汗を拭った。 この汗も電子の世界で再現された虚構なのだが、この《TSUCHIKA》で感じるそれはほぼ現実と遜色ない。 そう、僕らは2009年の土夏市へとやってきていた。 一ヶ月前に終結した聖杯戦争など全く関係ない。完全にレジャー目的だ。

    4 22/04/20(水)01:17:58 No.918756703

    《ALPHA》の爪痕残る《TSUCHIKA》は僕らが舌を巻くほど迅速に機能が回復しつつあった。このソフトドリンクがその証拠である。 総面積の半分ほどが滅茶苦茶になった《TSUCHIKA》だったが、時間を経た現在では僕らの他にもAIたちが浜辺で遊んでいて海の家なんてものが建つくらい元気なのだ。 今、《TSUCHIKA》では自律稼働をし始めたAIたちによる復興が行われている───枢木によると魔術的にも科学的にも驚くべきことらしい。 だがそんなことはいい。とりあえずすぐには。僕は大仰に肩をすくめて言った。 「…君らねぇ。いいかい、ここのAIで海の家を経営していた山田さんの言葉を引用させてもらおう。  電子世界といえどここは度が過ぎるほど現実世界に即した場所だ。故にAIだろうが容赦なく熱中症が引き起こるそうじゃないか。  この炎天下の中、僕にあの距離を往復させたという罪の呵責はないのかね」 「ええ、これっぽっちも」 「すみませんサクヤ。勝負の結果ですので」 これである。「ねー」、などと顔を突き合わせて笑い合うのである。 美少女ふたりがビーチチェアの上で腕など組んで仲睦まじくしている光景はあまりに眩しすぎて危うく許しそうになった。

    5 22/04/20(水)01:18:11 No.918756747

    しかしむべなるかな。ふたりとも僕のコーディネートした水着を着用。 魅力、3割増し。これは僕の美的センスの勝利と言えないだろうか。いや言えるとも。 ───などと自己陶酔に浸ろうとしたが、やめておいた。 セイバーも枢木もとても楽しそうだ。ふたりはとても仲が良い。まるで姉妹のようにだ。 自分というものが希薄だったセイバーが、満足するという機能が欠落していた枢木が、こんな風に笑い合っている。 それでいいじゃないか、と思えてしまった。思えてしまったのなら仕方ない。 「さて、ではこれから何をする?ご両人」 「そうですね、せっかくの海ですから泳ぎましょう。実のところ泳ぎには少々自信があります。ケイ卿直伝なので」 「え゛っ…そ、そうかしら?そのぉ…砂浜でのんびりするのも悪くないと思うのだけれど…」 「さては泳げないな枢木?」 「泳げないんですかニレ?」 「は、はぁ?泳げるわよ!その気になれば(きっと)泳げるわ!…何よふたりとも、その顔は!」 反射的に食ってかかろうとする枢木を見て僕とセイバーは笑った。 夏の1日が過ぎていく。僕らにとってはまだまだ続いていく日常のひとつだけれど、だが特筆すべき1日だった。

    6 22/04/20(水)01:18:39 No.918756851

    >仲良しさんたち >fu991590.png のやつ

    7 22/04/20(水)01:29:13 No.918759380

    寝そべってる方もついでに書くかってなったけどちょっと時間ください

    8 22/04/20(水)01:35:23 No.918760750

    よかろう

    9 22/04/20(水)01:47:36 No.918763011

    「知らなかったな」 ぽつりと枢木が言った。枕を抱きしめ、うつ伏せに寝そべりながら。 先程の情事の淫香を微かに漂わせながら、枢木らしくない無防備な微笑みを浮かべた。 「絶対に嫌だ、と思ってたはずなんだけど…。  私ね。案外こういうの、好きみたい。ううん。たぶん…本当はすごく好きなんだと思う。  全部委ねて、相手に任せきって、自分は与えられるものだけ怠惰に啜るの」 照れくさそうに言う枢木に対して驚くほど興奮していた。 自分が何を言っているのか分かっているのだろうか。…浮かんだ疑問はすぐに解消された。枢木が答えたからだ。 「うん。そう。馬鹿みたいね。  私、強い意志で何もかも律して歩いていける人間だと思ってたけど違うみたい。  一切合切投げ出して君に私を預けるの…信じられないくらい気持ちよかった」 違う。それは逆証だ。奥底にそんな気怠い自分を持ちながら、それを完璧に律し歩む様の強靭さは舌を巻く。 だからこそ、その強さを自分の前では捨て去ってくれることに───強烈に高揚した。 枢木が流し目で微笑む。例えようもなく淫猥だった。 「だからいいや。思う存分嬲って。犯して。好きなだけ蹂躙したらいいわ」

    10 22/04/20(水)01:48:05 No.918763096

    >チョットエッチ >fu991592.png のやつ

    11 22/04/20(水)01:50:38 No.918763604

    くるるるるるる…いや枢木さん? いやらしモンスターすぎません?

    12 22/04/20(水)01:59:45 No.918765199

    >くるるるるるる…いや枢木さん? >いやらしモンスターすぎません? いやらしモンスターの上にクソがつくほどド真面目だがそうありすぎるせいで何でも全力で向き合っちゃう芸人器質を獲得しちゃってるだけ