22/03/29(火)21:06:16 「ねぇ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1648555576973.jpg 22/03/29(火)21:06:16 No.911490696
「ねぇ、ジョーダン。何だかんだ言ってアンタのとこのトレーナーって『スパトレ』じゃない?」 「すぱとれ? ……あー、確かにそうかも。この前もカワカミちゃんのトレーナーがあたしのトレーナーにそんな事言ってた気すっし」 今日はトレーナーが体調を崩したからトレーニングはお休み。 教室でいつメンで駄弁ってたらシチーがそんな事聞いてきた。 スパトレってあれでしょ? チョーすごいトレーナー『スーパートレーナー』って意味の。 「あ、それ分かりみ~。ジョーダンのトレぴ周りがよく見えてるって言うか」 「うーん……あ、それそれ! おとといもグラスちゃんとこのトレーナーと合同でトレーニングしてた時に『その若さでよく視えておる』ってホメられてた。『まだまだ未熟者です』とかケンソンしてたけどちょい照れてたわ」 「ヨユーで3K揃ってるでしょ?」
1 22/03/29(火)21:07:47 No.911491339
ヘリオスにも言われて、改めてあたしのトレーナーをイメージする。そうかな? 1Kはあるけど。 あ、まって……ふむ、成る程──ってアイツの口癖移ったし。ナシナシ。 「どっちかてーと2Kじゃね? トレーナーももうちょっと……なんだっけ? て、手……数? まぁなんかそれ稼げればって言ってるし」 「手? 手取りとか? なに、もしかして浪費癖ある?」 「ろーひ?」 「無駄遣いする事」 「あー、多分、うん。グラスちゃんのトレーナーにもそれ言われてた。『もっとその無駄使いを無くすように意識をしろ』って」 「意外。じゃあ、ますますジョーダンがしっかり支えてあげないとだね」 「ちょ、恥ずいからやめろしパーマー」
2 22/03/29(火)21:08:34 No.911491652
あたしなんかアイツの隣には立てないっての。 だって下手にアイツの隣に立ってたら逆にアイツの迷惑になるのは嫌と言うほど分かってる。特にこの間そんな事を思い知らされる事もあったばっかだし。 アイツも言ってた。『ジョーダンは俺の後ろに居てくれればそれで良い』ってさ。 ……何か恥ずかしくなってきたし。 まぁ、でもあたしからしたら皆スパトレに見えっけどな~。 「っと、トレーナーから電話~。ちょい待ちよろ」 『ジョーダン! 良かった声が聞けて安心した! 今どこだ!?』 「ちょい! 声デケーし、何なの一体……」 「何々? トレぴのラブコール?」 「そんなんじゃ……え? 何?」 あたしの電話のやり取りをどうなるのか楽しみにしてるようにシチー達が変な視線を向けてくる。 ちょ、気が散るからやめれ! やめろってのまったく……。 視線を散らすみたいに空いた手を振ってトレーナーとの電話に戻る。電話越しのトレーナーの声は酷く焦っていて、走っているような声。まさか──
3 22/03/29(火)21:11:40 No.911493001
『察しが良いなジョーダン! 今すぐ中庭の方に逃げろ! ウマ娘イーターだ!』 ──ウマ娘イーター。 有史以来、ウマ娘の存在と共に有ってきたウマ娘の天敵。 植物の筈のそれらは、ウマ娘の保有するスキルを無力化し、圧倒的な力と生命力でウマ娘を補食する。 『ジョーダンは今周りに誰か居るなら避難するように言ってくれ! 中庭側に逃げればウマ娘イーターから離れられる! 今他のトレーナー達も向かっているが、眷属の小イーターの数が多くて──セヤァッ! 遅れるかも!』 「分かった! 皆、中庭の方にすぐ逃げよう! ウマ娘イーター出たって!」 「「「「「??」」」」」 「な、何言ってるのジョーダン……? 変なもん食べた?」 「ふざけてる場合じゃないから! 逃げないと──」
4 22/03/29(火)21:12:02 No.911493178
ドガァッ! 「キャアアアアッ!!」 「ウワッ!? ヤバッ!」 教室の皆ウマ娘イーターの事を知らないのか、あたしがふざけてると思ってすぐには動いてくれなかった。それが原因で教室の窓から顔を覗かせてきた巨大な花型ウマ娘イーターに捕まってしまう。 ヒマワリみたいな見た目で、でっかい目ん玉がこっちを覗いてる。この前みたいにあたしの本能が逃げろって言ってくる。 いつメンの娘が捕まって、パニックになる教室。ウマ娘イーターのウネウネが教室を壊しながら次々にパニック状態の娘を捕まえていって、遂にあたしの腕に絡み付いた。 「ジョーダン!? キャッ! ヤダ何これ!?」 「早く逃げて!」 強張る体を無理矢理動かしてウネウネから逃げようとするけど、やっぱり力が全然入らない。このままじゃ皆捕まっちゃう……助けて……誰か……!
5 22/03/29(火)21:12:42 No.911493418
「──トレーナァッ!!」 「待たせた!」 「「「!!」」」 持ち上げられていた体が飛び込んできたあたしのトレーナーの攻撃で解放され、床に落ちる。けど、直前でトレーナーがキャッチしてくれたから怪我も何もない。ここに来る途中で戦ったのか、お花のいー匂いがする。 「無事だなジョーダン。間に合って良かった」 「でも、でも他の娘達が……!」 「大丈夫だ。彼等が既に対応している」 お姫様抱っこされたままウマ娘イーターの方を見ると、キラキラとなんかが光って、凄い勢いで捕まってた娘達が助けられてる。あれって! 「あぁ。グラストレーナーとカワカミトレーナーだ。流石の薙刀捌き。時折光る薙刀も美しいな。彼等が居れば負けることはない。俺も手数を稼ぎつつウマソウルを効率よく使えばばお腹が痛くても彼等の足を引っ張ることはないだろう」
6 22/03/29(火)21:13:11 No.911493628
「あ、あのさ……ジョーダン? これ、何なの?」 「何って……ウマ娘イーターってやつ。あたしらウマ娘の天敵。でもスパトレのトレーナー達が居るからもう安全っしょ。あー……マジで怖かったぁ……」 「……スパトレって、なにこの、え? 何?」 「さっき話したばっかだし! スーパートレーナーだって。『きょじん』『火力』『筋肉』の3Kがバッチリな」 「『強靭』な。でも他のはちゃんと覚えられてるようで何よりだ。じゃあ後は任せて良いな?」 「トーゼン! 任せとけっての!」 トレーナーから下ろされて、腰を抜かした皆を連れて中庭に向かって逃げ出す。 次々に集まってくるトレーナー達が助けてくれるお陰で無事に中庭に。到着すると、皆パニックになってるのか泣いてたり気を失ってるような娘が一杯いた。あっちではカワカミちゃんがキングちゃんと協力して避難指示してるし、あたしもそっちに行った方が良いのかな。
7 22/03/29(火)21:13:45 No.911493884
「ちょっと待ってジョーダン! アンタのトレーナー何なのあれ!?」 「シチー。怖いのはあたしも──」 「それは良いから! え、何? さっき2Kとか浪費癖とかで変な話じゃなかったじゃん! 急に世界観変わってアタシ風邪引くんだけど」 「そんなん言われても……あたしのトレーナー、ウマソウルの使い方に無駄があるってこの間言われてて、グラスちゃんのトレーナーに合同でトレーニングしてもらったって言ったじゃん?」 「……そう、ね……?」 「だから、火力が足んなさそうだから2Kなんだけど、なんかごめん……」 シチー、ヘリオス、パーマーがお互いに顔を合わせてため息。そんであたしに詰め寄ってきてデカい声で怒ってきた。 「「「ややこしいっての!!!」」」
8 22/03/29(火)21:15:50 No.911494826
「バ……バカな……きさまはトレーナーだろ!? ち……ちがうのか……!?」 「……ちがうな」 「オレは……超(スーパー)トレーナーだ!!」 という事でアンジャッシュ気分で書きました ジョーダンはたい焼きの件といい、信じ込むとある意味適応が早い気がしたのでイーター慣れも早いかなと ちょっとアンジャッシュ部分が短めだった気がするので反省 因みにエアグルーヴがたまたま拾った種を「強く逞しく育つがいい」って育ててたら実はそれがイーター種で、強く逞しく育って人類に反乱しました 満足したのでこれにて御免
9 22/03/29(火)21:18:23 No.911495911
やっぱりイーターじゃねえか!!!!
10 22/03/29(火)21:19:10 No.911496238
>急に世界観変わってアタシ風邪引くんだけど そうだね
11 22/03/29(火)21:23:38 No.911498097
適応早いなジョーダン…
12 22/03/29(火)21:42:03 No.911506110
>急に世界観変わってアタシ風邪引くんだけど 初めてモブと心が一致した