22/03/27(日)23:04:59 「産ま... のスレッド詳細
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22/03/27(日)23:04:59 No.910910270
「産まれたぁ!」 「ふぅ……ふぅ……」 「元気な男の子よ!」 「……可愛い。」 「名前は決めてあるのか?」 「はい、あの人の名前をもじって……」
1 22/03/27(日)23:05:23 No.910910431
テルが本来の世界線に帰還してから10ヶ月も経過していた。 この段落ではショウが彼の子を産んでから更に二年程経過しているので厳密に言えば約三年なのだが。 とにかく、子供の方は元気に成長しており、ライチュウに進化していたショウのピカチュウと積極的に触れ合っていた。 「じゃ!お母さん行って来るね!」 立派に成長したショウが息子に声をかけると、ピカチュウは彼女のついていった。 「いってらっしゃい!」 しばらく手を振っていると、息子は母を送り出せたのを誇らしく思っているような笑顔を見せて移動した。
2 22/03/27(日)23:05:36 No.910910536
時刻も逢魔が時、つまり18時になった頃にショウは帰ってくる。 「いつもすみません……」 「ありがとうこざいましたー!」 ラベン博士の部屋に息子を迎えに来たのだ。 「いいんですよ、彼と一緒にいると新しい発見が多くて……」 「へへーん!」 得意げになる息子を窘めつつショウはその場を後にした。 ちなみに曜日で預ける人物や組織が変わるとか。
3 22/03/27(日)23:05:52 No.910910632
また年月が経過した。 立派な舞台の壇上にショウの息子らしき青年が立っている。 「皆さん!我々はかねてよりこのボールによって、共に生きる道を試行錯誤していきました。」 隣に立っている男が懐からモンスターボールを取り出すと、息子の方が見慣れないシンプルな色と形状のボールを取り出した。 「人が進歩するように、ボールも日々進化するのです!」 息子が投げたボールからピクシーが現れた。 その様子に観客席に居たショウは度肝を抜かれた。 最も、次の瞬間には夫や自分を重ねていたのだが。
4 22/03/27(日)23:06:25 No.910910853
またもや長い年月が過ぎた。 我々が何度も見ているような一軒家に、産声が響いていた。 「……私もとうとう、お婆ちゃんの仲間入りかぁ……」 「母さんはまだやれるよ!」 「とはいってももう私も50を突破……」 『オギャァァ!』 「はいはい、二人共話は外でね、赤ちゃんが泣いちゃうわ。」 姑と夫はそのまま家の外へ追い出されてしまった。 「ところで母さん、子供の名前は何だと思う?」 「なんですか?藪から棒に。」 「真面目な母さんの事だし、きっと男の子だったら父さんので、女の子だったら自分の名前を付けるんだろうなって……」 息子の発言に対し、ショウは不思議そうな顔で答えた。 「私そんなふうに思われてたんですか?」 侵害そうな反応に対して、平謝りしつつ息子は
5 22/03/27(日)23:07:06 No.910911130
「アヤコにしたんですよ。」 と返した。 「なるほど……彩るの「彩」ですね。」 「いいでしょう?この世界を色付ける子になんるですよ?」 ー そんなこんな早くもアヤコは大人になり、結婚し、子宝を手に入れた。 とうとう70代となってしまったショウだったが、病院で過ごしていても気分は浮かれ気味だった。 というのも、もうすぐ曾孫の顔が見れるのだ。 通算三回目となる自分の子供の頃を回想し、生まれてくる子とどう違うのかに期待を膨らませた。 「……こんにちはー!」 自分のいる病室に元気な声が響いて来た。 とうとうやって来た。と目を輝かせていると、その外見に目を見開いた。
6 22/03/27(日)23:07:19 No.910911212
曾孫は男の子で、外見はテルそのものであった。 正確に言えば、想像で思い描いていた二人のテルの幼少期そのものだっただけだが、危うく杖から手が滑って転びそうになってしまった。 「だいじょうぶ!?」 駆け寄ってきた曾孫の優しさに対して笑みを浮かべつつ、ショウは姿勢を低くして顔をまじまじと見つめた。 「……名前、は?」 「……コウキ。」 あどげない笑みを浮かべる孫の後ろからはアヤコの夫が現れた。 「ホホ……貴方と違って、元気な子ね……。」 若干どころではない嫌味を父に言われつつコウキは再び笑みを浮かべた。
7 22/03/27(日)23:07:48 No.910911397
更に年月は経過し、コウキは10歳となった。 この歳の少年がやる事はただ一つ。 冒険の旅である。 ハンチング帽を被っている姿を写真を貰ったりアヤコから聞いたりして知ってあるのだが、次々とジムリーダーを突破していくのを聞いた時は「後輩」の快進撃を思い出して心が震えたそうな。 なにはともあれ、とうとう四天王にまで手が伸び、ウォロが前世と思われるチャンピオンを倒し、殿堂入りを果たした。 取材や記者会見のためしばらく会えなかったものの、隙を見計らってコウキの方から会いに来てくれた。 面構えは今まで以上に精巧になっており、往年のテルそのものであった。
8 22/03/27(日)23:08:08 No.910911526
それからチャンピオンとして挑戦者を下す日々が続いていたが、大体五年が経過したある日のこと。 コウキが行方不明になった。 コンビニに向かおうと部屋着で出かけた所を目撃されたのが最後のようだ。 ニュースでは混乱を防ぐ為報道されていないものの、家族や友人、その他親しい人物は血なまこになって探している為ショウも何かあったのを察していた。 今日も落ちる夕日を眺めつつ、すっかり老いぼれた自分の掌を眺めていた。
9 22/03/27(日)23:08:18 No.910911600
後日、案外あっさりとコウキが見つかった。 行方不明になってから約一ヶ月後に槍の柱で倒れているのを発見されたのだ。 ショウが現役時代の時のギンガ団の制服を何故が着ており、ボールも比較的初期だった。 左腕を負傷しており、インタビューから遠ざけたりカウンセリングを受けさせる目的もあって入院させられてしまった。 ちょうどショウのいる病院だった。
10 22/03/27(日)23:08:35 No.910911712
腕をギブスでガチガチに固定されてしまったコウキがジュースを買っていると、車椅子を乗り回す老いた女性を見かけた。 背丈からすぐに曽祖母なのに気づいたが、頭巾をしていた為すぐに別の側面に気づいた。 「……せん……ぱい……?」 持っていたジュース缶を落として呟いてしまった。 「……おかえり。」 温かみのある声色だった。 即座に「後輩」は抱きついてしまった。 END
11 22/03/27(日)23:08:54 No.910911850
(おまけ) 一方その頃、 「えげぇっ!?」 見慣れた景色に落下してくる少年がいた。 「テルくん!?無事でしたか!」 たまたま近くにいたラベン博士が駆け寄ってきた。 「イテテテ……また腕ヤッちゃった……」 喋る元気はあるようなので、ひとまずラベンは安心した。 「一週間も捜索が続いていたんですよ、本当に良かった……?テルくん、キミのピカチュウが持ってる物はなんですか?」 テルが後ろを振り返ると、フーパを無理矢理従容しているボールに、既にボールから出て何かを抱きしめているピカチュウを確認した。 「なんだコレ……タマゴ……?」 テルの疑問に答えるのかのようにピカチュウは頷いた。 そちら側のショウと出会えた記念のような気がして、テルは無性に嬉しくなった。
12 <a href="mailto:s">22/03/27(日)23:09:54</a> [s] No.910912234
竜神様…ちょくちょく書いてたテルショウ怪文書の最終章です…どうかこの「」ガナめと絆を…
13 <a href="mailto:s">22/03/27(日)23:13:39</a> [s] No.910913735
前回の分は用意がめんどくさいので渋で妥協お願いします… https://www.pixiv.net/novel/series/8607728
14 22/03/27(日)23:16:21 No.910914788
ある日コウキの枕元にはてんかいのふえが置いてあるんだよね…
15 <a href="mailto:s">22/03/27(日)23:18:49</a> [s] No.910915667
>ある日コウキの枕元にはてんかいのふえが置いてあるんだよね… レジェアル発売からちょうど一か月くらいでてんかいのふえが手に入る更新があったはずなので自分自身のプレイ体験と連動させて読んでいただけたらと思います ブリダイシャイパのリマスター的な立ち位置に過去とアルセウス本人そして没データをひっくるめてダイパリメイクが完成したと個人的に思ってるので