22/03/27(日)22:55:02 トゥイ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1648389302583.jpg 22/03/27(日)22:55:02 No.910906139
トゥインクルシリーズの鮮烈で過酷な三年間を無事に走り抜けてくれたオグリキャップにトレーナーが感じたものは感謝であった。 自分のような新米と共に時に苦難に折れそうになりながらもオグリキャップが共にいたから頑張れたという限りなく大きな恩、自分なりに返そうと思い立ったのが 一日中三百個感謝のおにぎり作り! 炊いた米を手に取り、中身の具を適量入れ、握り、塩をまぶし、海苔を巻く。 一連の動作をこなすのに当初は2分、三百個作り終えるのに初日は十時間を費やした。 トレーナー業を終え帰宅しておにぎり作り、わずかな仮眠ののち日が昇るまでおにぎり作り。 中身のレパートリーを十五種まで増やした頃異変に気づく。 前日のうちに にぎり終えている。 作業6ヶ月目目を超えて完全に羽化する。 感謝のおにぎり作り一時間を切る! 代わりに付け合わせのおかずを作る時間が増えた。 シニア二年目の夏の頃に、トレーナーの作るおにぎりはとてもおいしくなっていた。
1 22/03/27(日)23:02:05 No.910909135
「うん、トレーナーの作るおにぎりは最高だな」 「そうか、作る甲斐があるよ」 ある日のトレセン学園のカフェテリアの一角で、白い山が崩されていた。 テーブルの上に乗った平均サイズのおにぎりの山、その数300、合換算にして75合重さ11キロ超! それらをノンストップで口に放り込み続ける怪物の名をオグリキャップといった。 「毎度毎度よくこんだけ食えるなあほんま。 こんなたくさん作ってくれるトレーナーもてて果報者やでオグリんは」 「うん、トレーナーには感謝してもしきれない」 もぐもぐと美味しそうに白い霊峰を天辺から削っていく見事な食べっぷり、その姿に普段は食の細い玉藻クロスも食欲を刺激された。 「なぁ、ひとつもろてもええか? あんまりに美味そうに食べるから小腹空いたわ」 「もちろんいいぞ。 トレーナー、いいだろうか」 「勿論だ」
2 22/03/27(日)23:08:15 No.910911582
「ほなありがたく、ぱくり」 たくさんのおにぎりの中から無造作に一つ掘り出しかぶりつくタマモクロス、反応は劇的だった。 「うっっっっっっっっっっま……!!!!!!」 目を見開き尋常ならざる溜めから放たれた驚愕の感想。 最高級魚沼産コシヒカリを絶妙な硬さで炊いた艶々の白米は楽しい歯触り、旨味がふんだんな塩がまず最初に舌に触れ、中身のおかかは取り寄せた本枯節を自らの手で調理したトレーナーお手製のもの。 海苔にまで徹底的にこだわったおにぎりはひとつひとつが店売りなら500円を超えかねない代物であった。 タマは胃がびっくりして倒れた。 その反応に当然周囲のウマ娘たちは惹かれた。 さもありなん、オグリキャップがすっかり外食に赴かずトレーナーの作る料理ばかり口にするようになってから誰もが興味を持っていた、しかし流石に図々しいかと遠慮していたのだ。 その枷が今弾けた、タマのリアクションで。
3 22/03/27(日)23:15:10 No.910914333
「あ、あの! 私も一ついいですか!?」 先陣を切ったのはスペシャルウィークだった、身を乗り出して血走った目でおにぎりを睨みつける様は悪鬼のようであった。 それに釣られて我も我もと食べ盛りのウマ娘たちがオグリキャップたちのテーブルに殺到してくる。 一つよかったんだから、自分達もいいだろう、獣じみた食欲と集団心理がうら若き乙女たちの理性の皮を引き剥がし暴徒へと変えた。 「こ、こら、やめないか! やめぬわーっ!」「あぁ、トレーナー!」 群がってくる集団に飲まれるトレーナー、次々に数を減らしていくおにぎりの山、トレーナーの念能力によって見ただけで食欲を促進させるおにぎりは完全にウマ娘たちを虜にしていた。 「……私の」 オグリキャップは、キレた。 「私のトレーナーのおにぎりに触るなぁーーーーーーーーーーーーーーー!!」 独占欲、食欲、妬心、etc。 それらを込めた怒りの叫びがカフェテリアに響き渡り、恐怖に理性を取り戻したウマ娘たちが一歩退く。 肩を震わせるオグリキャップが威嚇するように周囲を睨みつけ、そしてテーブルの上に視線を戻した、おにぎりはもう残っていなかった。 怪物が 誕生した。
4 22/03/27(日)23:28:36 No.910919456
お前が怪物になるんかい!
5 22/03/27(日)23:48:53 No.910927170
>タマは胃がびっくりして倒れた。 タマ…