虹裏img歴史資料館

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22/03/25(金)23:44:39 「ねえ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1648219479787.png 22/03/25(金)23:44:39 No.910149225

「ねえ、アンタ最近スキンケアしてる?ちょっと荒れてきてるんだけど」 パソコンと睨めっこしているトレーナーに、最近ちょっと気になっていたことを指摘する。 「え?ああ、最近ちょっと寝不足でさー」 バレたかー、みたいな表情をしながら頭をぽりぽりを掻くアイツを見て、少しからかってやろうという気持ちが沸々と湧いて出てきた。 「そんなんじゃアンタ、一生彼氏できないんじゃない?」 「えー、酷くない?」 少し唇を尖らせてぶつくさと不満を垂れている様子を見て、少し満足したのでとりあえずフォローしておこうと口を開こうとした所で、トレーナーの方から言葉を被せてくる。

1 22/03/25(金)23:45:05 No.910149348

「──一応昔に彼氏居たことあるんですけどー」 は? 何それ? 聞いてないんだけど? いろんな言葉が反射的に喉を通って出かかりそうになるが、何とかそれを抑えて、あくまで普通の雑談みたいに聞き出そうとする。 「え、何?冗談とかじゃなくてマジでアンタに惚れて、彼氏になってた奴が実際に居たわけ?」 「酷いなー、疑わないでよ。居たよ本当に、高校生の時にまあまあ仲良かった男子と付き合ってた」 心臓が酷くうるさい、手汗も掻いてきた。 心臓がうるさいのも汗がすごいのも、トレーニング後ならあんなにも気持ちいいのに、何でこんなに不愉快なんだ。

2 22/03/25(金)23:45:29 No.910149462

正直今すぐストレス発散したいところだけど、トレーナーの彼氏がどんな奴だったのかとか聞かないともやもやして更にストレスが増えそうなので、考えていることが表に出てこないように、上手く演技をしながら強引に話を続ける。 「ふーん、そうなんだ。それでそいつとはどれぐらいの期間付き合ってたの?」 「えーとね、確か高二の夏に付き合って、高三の終わりで別れたから、二年ギリギリいかないぐらいだね」 「結構長いんだ……」 「うん、最初はとりあえず付き合ってみるかーって感じだったんだけど、結構気が合ってまあまあ長い間一緒にいたなー。懐かし」 何だよその顔、何でそんなに笑顔で振り返れるんだよ。結局は別れてるくせに。 「……何で別れたの」 尻尾を軽く握りながら、あくまで普通の雑談のように自分を偽りながら聞いていく。

3 22/03/25(金)23:46:06 No.910149609

「距離だよ、距離」 「は?」 「私は高校卒業したらトレーナーになるために地元から出ることになったけど、あいつは家の仕事を継ぐって言って地元に残ったんだよ。だから別れたの」 懐かしむような顔をしながら淡々と過去を語っていくトレーナーに、何故か腹が立ってしまい、つい出てきてしまった嫌な言葉を抑え付けることが出来なくなってしまった。 「そんなに仲良かったんなら、また縁戻して結婚でも何でもしたら?」 「はは、それは無理かなー。あいつもう結婚して子供もいるし」 「じゃあ何、もしそいつが結婚してなかったらアタシを捨ててそいつと結婚して、トレーナー辞めてたってこと?」 ああ、ダメだ。 アタシの頑張って抑え付けてた汚い部分が、全部言葉となって出てきてしまっている。 ダメだ、ダメだ、頭では分かっているのに心はそれを理解してくれずに、どんどん言葉が溢れてしまう。

4 22/03/25(金)23:46:39 No.910149784

「つーか、そんなにそいつが好きならトレーナーになんかならなければ良かったのに」 「──シチー」 ああ、やってしまった。 本当に言ってはいけない酷いことを言ってしまった。 そしてそんな酷いことを言ったアタシは、俯いたまま謝ることすらできない。 そうしていると、トレーナーは自分が悪いと思ったのか頭を下げて謝りにきた。 トレーナーが謝る必要なんて全くないのに。 「ごめんね、普段しっかりしてて欲しいトレーナーのこういう話が嫌だったのかな。ごめんね」 違う、別に普段からしっかりしてて欲しいなんて思ってない。アタシはただアンタの口から男の話が出たのが嫌だっただけ。

5 22/03/25(金)23:47:13 No.910149997

「それとも単に私がシチーより大人の女として進んでたから僻んだのかな?……なんちゃって」 半分正解、アンタがアタシに出会う前に誰か知らない奴と付き合って、手を繋いで、キスをして、もしかしたらその先までしてるかもしれないってのが、最高に最悪で不愉快なだけ。 だから、トレーナーが悪いんじゃない。 悪いのは──ちゃんと好きって言えないアタシなんだから。 もしアタシがトレーナーに告白出来てたら、トレーナーは多分前の彼氏の話なんてしなかっただろう。だから悪いのは全部アタシなんだ。 世界で一番愛してるくせに、女同士だからとか、ただの気の迷いだからとか、ひたすらに自分に言い訳をするアタシなんだよ悪いのは。 もしかしたらこの場で急に、この思いを伝えたらこの場は何とかなるかもしれない。 それでもこの気持ちを伝えることは出来ない。もしこれを伝えたら、絶対に何かが壊れて戻らなくなってしまう、そんな確信が頭から離れてくれないから。

6 22/03/25(金)23:47:36 No.910150134

だから演じる。 この思いが絶対にバレないように、ただの担当とトレーナーという関係を崩さないように、ただひたすらに演じ切る。 「ごめん、さっきから何か頭痛くてさ。それであんまりにも懐かしむように語ってるトレーナー見て、ちょっと当たっちゃった。ごめんなさい」 「いや、大丈夫だよ。それより頭痛いの大丈夫?少し横になった方がいいんじゃない?」 「……うん、ちょっとソファーで横になってるわ」 「じゃあブランケット持ってくるね」 あんな酷いことを言ったのに、直ぐにアタシの心配をしてブランケットを持ってくるトレーナーの様子を見て、罪悪感に心がぐちゃぐちゃにかき混ぜられる。

7 22/03/25(金)23:48:01 No.910150258

「はいブランケット、私は近くで作業してるけど何かあったら呼んでね」 「ん、ありがと」 ブランケットを受け取るとすぐさまソファーに横になり、どうか今の涙に塗れて醜い顔がトレーナーに見えないようにと深くまでブランケットをかぶる。 ──ああ、もしこのままブランケットの中にこの気持ちを閉じ込めて置けたら、どんなに楽だろうか。 そんな妄想をして、トレーナーの作業音を聞きながらアタシはゆっくりと瞼を閉じた。

8 <a href="mailto:s">22/03/25(金)23:48:51</a> [s] No.910150507

美しいシチーさんが見たかったから書いたべ… 見づらいって言われたからスレ画も少し変えてみたべ

9 22/03/25(金)23:49:45 No.910150772

めんどくさい女だべ…いいべ…

10 22/03/25(金)23:49:59 No.910150844

恋する少女って感じの情緒で良いべ…

11 22/03/25(金)23:50:21 No.910150983

消えるべ!闇のわだ

12 22/03/25(金)23:52:20 No.910151646

いいね…シチー持ってないからそうとしか言えないけど…

13 22/03/25(金)23:53:29 No.910151972

>消えるべ!闇のわだ 消えたべ…

14 22/03/25(金)23:56:49 No.910153039

美しいべ…

15 22/03/26(土)00:00:00 No.910154045

はずめでめぐりあえだべ えがったえがった

16 22/03/26(土)00:00:06 No.910154083

ブランケットが涙に濡れてるのがバレてるべ…

17 22/03/26(土)00:02:45 No.910154895

めんどくさい女いいよね…

18 22/03/26(土)00:03:48 No.910155201

すっごく頑固というか子供っぽいって言うか 自分に素直なんだよねシチーってばさ

19 22/03/26(土)00:04:07 No.910155288

勝手に傷付けて勝手に傷付いてる…

20 22/03/26(土)00:04:52 No.910155501

このめんどくささ…芸術品だべ…

21 22/03/26(土)00:05:38 No.910155711

あれ?ブランケット濡れてるな…

22 22/03/26(土)00:06:30 No.910155965

きれっきれいいべ…

23 22/03/26(土)00:33:11 No.910163897

めんどくさい女だべ…

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