ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
22/03/24(木)22:21:12 No.909809989
青毛短髪の大柄なウマ娘が、体操服姿で瓦割り用の瓦を運ぶグラスワンダーのトレーナーを見かけ、声を掛けた。 「ねえアンタ、中等部?それとも飛び級組?そんなちっこいのに力仕事なんてさせてらんないよ。運んであげよっか」 「ご厚意は忝ない。しかし、儂はこれでもURAのトレーナー故、ご助力の申し出は有り難いがお気持ちだけ受け取らせて頂こう。それに、この瓦を運ぶ際に万一にも傷があっては困る故、儂の手で運びたいのじゃが…」 そう云うと慎重に熨斗瓦を下ろしてから、芦毛の小柄なウマ娘に生まれ変わったトレーナーが、トレーナー証を少女に示す。其処には生前のトレーナーを示す老爺の写真と、禿に切り揃えた芦毛のウマ娘の写真が並べて掲載されていた。 「……何これ。こんな書式のトレーナー証、見た事ない。トレーナーごっこするならもっと上手な嘘つきなよ。大体アンタ、学園生のブルマ姿じゃん」
1 22/03/24(木)22:21:45 No.909810164
「この格好は事情があってな…それと、このじじいが以前の儂なのじゃが…」 「は? アンタ学部言ってみなよ。中等部か高等部か位なら言えるでしょ?」 「……享年七十九歳と、ウマ娘歴四ヶ月ほど、かのう。してトレーナーを引き続き拝命しておるが」 「…ッ! へぇ、アンタ中央でたまに聞く『そういうキャラ』って奴なんだ。からかって…くれるじゃん!」 誤解からカッとなった青毛のウマ娘が、トレーナーに掴み掛かる。が、すんでのところでトレーナーが躱す。 騒ぎを見た周囲の学園生に動揺が広がる。 「まずいよ、誰かグラスワンダーちゃんすぐ呼んできて!」 「わ、分かった!」
2 22/03/24(木)22:21:58 No.909810237
「その口ぶり、地方からの編入組か?」 「そうだ…よっ! ちょこまかと…足運びの上手さだけは、認めてやるっ!」 「なるほど…武道を嗜んでおったか」 「ああくそ、そうだ!地元の高校じゃ剣道で敵なし、地元のダートでも敵なしだった!こっちでも芝の走りを覚えて、バリバリっ、勝ちを、獲ってやるんだ!それを、アンタみたいなっ、おチビ一人、捕まえられない、ようじゃ、話にならない、だろっ!?」 野心と激情に駆り立てられて青毛の少女は何度も何度も腕を伸ばすが、その度にするりするりと躱される。苛立ちを募らせる青毛の少女に、(このままでは怒らせるばかりか)見かねたトレーナーが、右腕を差し出す。 「ほら、持っていきなさい。腕一本の手柄じゃ」 「~~~~~~~~ッッッ!!!」
3 22/03/24(木)22:22:13 No.909810336
鍛えたウマ娘による激情に任せた全力の突進、そして掴み。(生前の儂ならば腕が折れるやも知れぬ) がちり。ぎりり、ぎりぎりり。 青毛の少女が掴んだ白く細い手首を思い切り握り締める。柔らかな、弱い腕だ。骨の軋む音まで聞こえる。(だがこの身体ならば) その途端、力を吸われるかのように青毛の少女から膝の力ががくんと抜け、前につんのめる。腕を掴んだ事で体崩しを受けたまま、突進の勢いも殺され、青毛の少女は背中から転がされる。 「気は済んだかの」 握った跡が赤く痛々しく残る手首をひらひらと振りながら、トレーナーが尋ねる。(骨と筋は無事か。ならばこれしきは指導の内で済むこと) 「…くそっ…」 「力量を計るのも強さのうちじゃ。もう十分に武を比べた事は、お前さんが心底理解していよう」
4 22/03/24(木)22:22:30 No.909810429
──負けた。完敗した。中央の子に。 技術でも、度量でも、戦う覚悟でも。 自分よりも小さなティアラ路線の娘に。 変なキャラ設定付けてるような年下の娘に。 (多分に誤解を含んだ)現実に打ちのめされ、へたり込んだ青毛の少女の金色の瞳に涙が溢れ、たちまち涙腺が決壊した。 「これ、そのように泣くでない。皆がこちらを見ているであろう。…ほら、早く立って自分のトレーニングにお戻りなされ」 わんわん泣き崩れる青毛の少女に近寄り、宥めようとするトレーナーの背後から──殺気が迸る。 「……その赤い手首の痕……見知らぬ方、私のトレーナーさんに何をなさいましたか……?」 悔し涙も一辺に引っ込む殺気と共に、青毛の少女は自分が大変な誤解をしていた事に気付くのであった。
5 22/03/24(木)22:22:48 No.909810536
「元はと言えば私が悪かったんです。トレーナーさんのブルマー姿が見たいだなんて我儘を言ったから…」 「いや、儂が素直に親切に応じなんだのが悪い。格好の問題ではない、気を落とすでない」 幾重もの誤解を深く詫びた青毛の少女を見送り、本日のトレーニングを済ませた後。シャワーを浴び終えてトレーナーの髪と尾を梳かしながら、グラスワンダーは反省しきりであった。だが本当の反省の意味は… 「でも、あの人にとってトレーナーさん、色々な意味で疵になってしまったと思います。ちゃんといいトレーナーの方が見つかるといいのですけれども」 「なに、才能も勝ちへの執念もある子じゃ、よい指導者が付けばぐんぐん伸びるじゃろう」 「──けれど。私のトレーナーさんに痕を残した事は、許しません。根に持つつもりもありませんが」
6 22/03/24(木)22:23:01 No.909810601
トレーナーの白く細い右腕。その手首には、くっきりと、青毛の少女に握られた痕が赤く残っていた。 「この程度、男だった頃の疵に比べれば生傷の内にも入らん。それに痛みもどうという事もない」 「そういう問題ではないのです。──トレーナーさんに痕を残すのは、トレーナーさんの肌に痕を残すウマ娘は──」 グラスワンダーの白い歯が、そっと手首の痕を上書きするように、かりりと軽く、しかし確かな噛み跡を残す。 「私だけです。誰にも、譲るつもりはありません、こんな事には、二度とさせない」 「欲深い事よ…いや、それでこそ我が愛弟子と言うべきか」 「かてて加えて、私は執念深いので…あの人から受けたトレーナーさんの痕も、あの人の匂いも、すべて上書いてしまいたいのです」そこまで述べて、言葉に詰まる。 いけませんか……?
7 22/03/24(木)22:23:15 No.909810668
修羅とも夜叉とも見えた愛弟子の顔が、歳相応の少女のそれに戻り、恋人に対して縋るような視線で語り掛けてくる。 トレーナーは、そっとグラスワンダーの髪を撫でながら「よい、儂とそなたの仲じゃ。好きにせよ」とだけ答えた。余談ではあるが、機密保持のため、トレーナー室の防音は万全である。 それから数日の間、グラスワンダーのトレーナーが洋装…それも長袖ハイネックのインナーを着込み、スカーフを首に巻いた姿で過ごした事は、学園を随分とざわつかせたとか、そうでもないとか。
8 22/03/24(木)22:23:42 [s] No.909810802
青毛ちゃんに特定のモデルはございません
9 22/03/24(木)22:33:13 No.909814033
えっちなことしたんですね?
10 22/03/24(木)22:37:05 No.909815327
和装派の人がわざわざ長袖のインナーを着て首にスカーフを巻くのはまあ…
11 22/03/24(木)22:41:05 No.909816631
事情を知っている人はみだりに口外しないし 事情を知らない子からはのじゃロリTS達人キャラ設定の牝馬に見えるのは厄介だな…
12 22/03/24(木)22:43:47 No.909817565
過積載すぎる…
13 22/03/24(木)22:44:15 No.909817718
トレーナー受けなの!
14 22/03/24(木)22:46:11 [s] No.909818298
>トレーナー受けなの! TSなので!一応!血なまぐさくても!
15 22/03/24(木)22:47:52 No.909818856
おじいちゃんお盛んだな…
16 22/03/24(木)22:57:13 No.909821857
青毛ちゃん絶対後から弟子入りしに押しかけてくるでしょ…
17 22/03/24(木)22:59:13 No.909822535
また新しい子に疵を与えてる…
18 22/03/24(木)23:00:56 No.909823114
平然と勤務してる芦毛ロリの長袖やスカーフの下は愛弟子が付けた噛み跡で一杯なのは倒錯的すぎない?