ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
22/03/21(月)22:08:34 No.908884579
本日、目を覚ますと俺はモルモットから栗毛のウマ娘へとクラスチェンジしていた 「発光したり多少の肉体の変化には慣れているがウマ耳が生えたり性別まで変わるのは初めてだな…」 と、自分でも驚くほど冷静に現状を把握できたことに関しては担当ウマ娘「アグネスタキオン」に感謝したい 既に周囲でも何件かこの現象は起こっておりそのたびに 「男性から性別・年齢まで変化した身体のデータを取らせておくれよぉ!」とトレーナーに迫るタキオンを抑えるのが大変であった… さて、まずこの件を理事長へ報告に行って周囲への説明などやることはたくさんあるが―――― 「まずは弁当作らないとな」 この状況でおそらく一番時間を取られるのはタキオンへの状況説明である いつもどおり弁当を持っていかねば事情を理解はすれど機嫌を悪くするかもしれないし、なにより食事を抜いてはトレーニングに支障が出るだろう スムーズに事を進めるにはこれが最優先、と 背も縮んでしまっていつもとの勝手が違う体でなんとか料理を作るのだった
1 22/03/21(月)22:08:50 No.908884691
普段より少し遅れて弁当を持ってトレーナー室へ着いたがまだタキオンは来ていないようだ 「また研究室で寝落ちでもしてるのかもしれんな」 今日ばかりは資料を整理しつつ弁当を取りに来るのを待つほど余裕もないので俺はタキオンの研究室へ向かい そして予想通り机に突っ伏して肩に毛布を掛けられたタキオンを発見した 「タキオン、朝だぞ~弁当持ってきたから早く食べてくれ。ちょっと話があるから」 「あぁ…トレーナー君か…目覚ましの紅茶を入れておくれよ~お弁当が和食なら緑茶で頼むよぉ」 くたびれた口調で目を覚ましつつも全く動く気配のないタキオンを尻目に俺は紅茶を用意し彼女の元へ戻った 「はい紅茶」 「ありがたいねぇ…」 ここまで来てやっと体を起こし紅茶を一口 「んん?誰だねキミは?」 そしてコーヒーでも飲んだような渋い顔でそう言った
2 22/03/21(月)22:09:18 No.908884905
―――――「つまりキミはトレーナー君だというわけかい?」 「はい」 「うーん……」 弁当など信用に足るだけの準備はしてきたつもりだがやはり実際に自分のトレーナーがとなるとどうにも納得しかねているらしい しばらく考えた後、タキオンは席を立ちしばらくして青色の薬液が入った試験管を持ってくると 「じゃあ今日の分だ、飲んでくれたまえ」 と薬を差し出してきたので受け取って飲もうとすると 「ストップ!それは飲まなくていい…どうやらキミがトレーナー君なのは間違いないようだ」 「飲まなくていいのか?」 「反応を見るために用意したただの色水だからね」 「私が渡した薬を躊躇なく飲むのはトレーナー君とスカーレット君くらいだからねぇ」 「なりすましのイタズラならいきなり飲めと言われれば多少は動揺するものだよ」
3 22/03/21(月)22:09:36 No.908885015
ダイワスカーレット…彼女は数少ないタキオンに好意的に接してくれるウマ娘だが少しは疑うことを覚えたほうがいいかもしれない 「それは私も少し心配しているんだよねぇ…悪い男に騙されないかなぜだか妙に心配なんだよ」 「心を読まないでくれ」 「それではトレーナー君、言わずとも…分かるね?」 「あぁ、データが欲しいんだろう?協力するよ」 他のウマ娘の担当トレーナーをしかも性別の変化などデリケートな問題なのでタキオンを説得してやめさせていたが タキオンのトレーナーである自分の体ならば全く問題はないのが非常に助かるところ
4 22/03/21(月)22:09:48 No.908885081
まず身体能力が元からどれだけウマ娘に近くなったのかを調べるため ひとまず服はタキオンのジャージを借りコースへと向かう 「男性時のデータは以前合宿で取ったものがあるからそれと同じような強度の運動をしてもらうよ」 「同じ環境で測定できないのは非常に残念だがいつ元に戻るともしれない以上しかたがないねぇ…まずは全力で1000mから」 「わかった、行ってくるよ」 そう言って元モルモットのウマ娘は走り出した、元の肉体であれば「苦しくなっても脚を上げろ~!速度を落とすな!」と途中で文句が来る実験だ 「すごいな…元の体のことを思えば全然疲れないし速いのに無茶をした反動みたいなものもない…」 VRウマ娘体験実験ともまた違う速度に俺は少し感動していた
5 22/03/21(月)22:09:58 No.908885135
「ふむ、タイムは入学したてのウマ娘より遅いか…これはまだトレーナー君がウマ娘の体を制御しきれていないと見える」 「測定器の数値を見てもまだまだ本気じゃないような感じがするねぇ…いや手を抜いていないのは分かるんだが」 「そうか…ただの人間だった身からすると限界を超えたような走りをした感じだったんだが―――――」 と口に出して気づく これがタキオンが実験の果てに求めるものなのでは、と 「―――次は何をすればいい?もう一度今より全力で走ろうか?」 ただの人の感覚を持ってウマ娘になって走ったからこそ身を持って理解できた気がする ならばどこまでも協力しよう 君の夢のヒントが得られるかもしれないなら
6 22/03/21(月)22:10:13 No.908885230
「その前にこの薬を飲んでおくれよ、色々と視覚的にわかりやすくなるからね」 「わかった」 受け取った薬を飲み干すと徐々に体が光り始めた 「おお!筋肉が輝いているねぇ…疲労度によって色が変わるから部位ごとの負荷がわかりやすくなるんだよ」 そうして走ること十数分、アグネスタキオンが部外者のウマ娘を発光させて実験していると報告を受けて駆けつけた たずなさんに捕まり ウマ娘化の報告をうっかり忘れていた事なども含めて理事長室でお説教されることになった
7 22/03/21(月)22:11:05 No.908885558
おしまい 色々読んでたらつい自分も書きたくなったので タキオンとモルモット君はそんなに関係変わらない気がする
8 22/03/21(月)22:11:29 No.908885694
モルモットくんはそういう事する
9 22/03/21(月)22:11:38 No.908885746
いつも通りすぎる…
10 22/03/21(月)22:14:56 No.908887044
まあタキオンからしたら最高に興味深い研究対象だろうしな…
11 22/03/21(月)22:35:15 No.908895495
モルモット君はすぐ人生を捧げがち
12 22/03/21(月)22:38:57 No.908896985
カタログにタキオン怪文書が2体…来るぞ遊馬!
13 22/03/21(月)22:40:30 No.908897582
>モルモット君はすぐ人生を捧げがち でも仮にタキオンの足が壊れたとして ウマ娘になった自分の足というサンプルと実験材料があるならタキオンの足だけは治って欲しくない?
14 22/03/21(月)22:41:07 No.908897799
>カタログにタキオン怪文書が2体…来るぞ遊馬! やめろミザモット君
15 22/03/21(月)23:03:13 No.908906296
>>モルモット君はすぐ人生を捧げがち >でも仮にタキオンの足が壊れたとして >ウマ娘になった自分の足というサンプルと実験材料があるならタキオンの足だけは治って欲しくない? タキオンがモルモット(ウマ娘)を対象にしたプランBを発動させるんじゃないかな…