ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
22/03/21(月)18:57:49 No.908811253
ウマ娘になって、俺の身体はキタサンブラックよりも小さくなった。 この身体だと自分の担当ウマ娘と話す時に見上げる事になるのは、個人的にはかなり大きな変化だと感じている。トレーナーとして当然の事ながらキタサンブラックとはほぼ毎日顔を合わせるのだから、その度に意識していたのではキリが無い。だから自分自身がこの身体に慣れるのは、キタサンブラックを見上げる事に違和感を感じなくなった時だと想定していた。…今、この時までは。 「トレーナーさん…」 キタサンブラックと同じ高さで視線が揃う。互いに息は荒く、心臓は激しく鳴り響いているのが分かる。 「行くぞ、キタサン」 その一言以外は互いに何も言わず、丁寧に指を絡める。こうして握り合っていると、自分の手がキタサンブラックの手よりも一回り小さい事を身体で実感した。ああ、この身体はもはや人間の男なのではなくウマ娘なのだと心の底から受け入れて…ギュッと手を握る。 良いよね、このまま…。
1 22/03/21(月)18:57:59 No.908811295
「レディー、ファイッ！」 「世界中ぅぅぅ！！！敵に、回ってもぉぉぉ！！！」 「ぐぅっ、いいよね、いいよねいいよねこのままぁぁぁ！！！」 「トレーナーさんっ、今の一息で言うのズルくないですかっ！？」 「全然、ズルじゃない…っ！ダイヤちゃん、判定っ！」 「うーん…まあヨシという事で！それでは再びキタちゃんからどうぞ！」 「ぐぬぬぬ…！えっと、離さない…っ！」 「ゆずれな、いぃぃぃ！！！」 「逃さな、わっ！？」 「ッ、たさないぃぃぃ！！！よっしゃぁぁぁ！！！」 「カーンカーンカーン！勝者、キタちゃんのトレーナーさん！」 「うわぁぁぁ！！！負けたぁぁぁ！！！」 「ハァッ…ハァッ…見たかキタサン！これがっ、トレーナーの力だあああああ！！！」
2 22/03/21(月)18:58:26 No.908811425
「僕のトレーナー室で何やってるんですか先輩…それにダイヤに加えて、床に転がってるキタサンブラックまでいるし」 そう言って俺とキタサンとサトノダイヤモンドがいた部屋に入ってきたのは、サトノダイヤモンドである男…が、俺と同じくウマ娘になった姿だ。俺より一年後輩の新人トレーナーで、担当同士が仲の良い事から自然にトレーナー同士でも交流が産まれた。 「あっ、トレーナーさん！今キタちゃんとキタちゃんのトレーナーさんが、『ウマ娘ライブ曲歌唱腕相撲三本勝負』をやってたんです！」 「ライブ曲歌唱…なんて？」 「くぅっ、悔しい～！あ、こんにちはダイヤちゃんのトレーナーさん！ほら、私のトレーナーさんがウマ娘になったじゃないですか？だから身体能力はどれくらいなのか確かめようって事になって」 「それで俺が、せっかくウマ娘同士になったんだから力比べでもしないかって提案してな」 「でもただ腕相撲してもつまらないので、ライブの曲を交互に歌いながらやりましょうって私が言いました！」 「なるほどダイヤが一番おかしいのは分かった」
3 22/03/21(月)18:58:50 No.908811557
生意気な口を叩いた後輩が部屋にかけてあったサトノダイヤモンドの勝負服の袖に頭から吸収されていくのを尻目に、俺とキタサンは改めて向かい合う。 このエクストリーム歌唱腕相撲3回勝負(現在2勝2敗次で決着)は、腕相撲で敗北しても続きの歌詞が歌えなくても負けになる過酷なルールだ。力で負けないように腕相撲を行い、そして歌を歌うだけの余裕を残しながら呼吸をして、最後には根性で勝つ。知力体力戦略が求められる、ウマ娘にしかできないハイスペック競技なのだ。 「ちょっ、先輩！男子中学生じみた子供っぽい事やってないで助けてくださいっ！」 「ん？今の俺の外見年齢はしっかり未成年だから子供みたいじゃなくて子供だが？」 「アンタウマ娘になったのをエンジョイし過ぎでしょう！？あ、やばっ」 完全に上半身を捕食されてジタバタともがいている後輩は無視して、改めて考える。 俺もキタサンもお互い体力は使い切っている…そして身体の小さい俺がキタサンより力が弱いのはもうバレているだろう。だが俺には学生時代同級生たちとの腕相撲トーナメントで3位となった技術がある、総合的に見て実力は互角だ。
4 22/03/21(月)18:59:07 No.908811640
審判のサトノダイヤモンドは自分のトレーナーには目もくれず、俺たちの勝負の開始を見守っている。 さてどうした物か…そう思っていると、メラメラと瞳の中に炎を燃やすキタサンが口を開いた。 「トレーナーさん…最後は、あの曲で行きましょう」 「…そうか、分かった。俺たちといえば、あの曲だな」 「おお…キタちゃんもトレーナーさんも、バッチリ通じ合ってますね！それでは最終試合、レディー…ファイッ！」 体験した事無いほど強い握力を手に感じながら、こちらも負けじと握り返す。 もう加減もペース配分もいらない、最初の1部分で決着は着く…そこに、互いに全力をかける！ 『ハァァァァァン！！！』 「祭りだっ！」 「祭り…だぁ！」 『祭りだああああぁぁぁぁああああああ！！！！！』
5 22/03/21(月)18:59:25 No.908811744
勝負の結果は、言うまでも無いだろう。(ライブ曲では無かったので両者失格) だが俺はこの日、真に理解した…この身体が、かつての肉体より強い力を秘めたウマ娘の物となった事を。 そして俺の心の中にも、キタサンやダイヤちゃんを含むトレセン学園生たちの心の中にも…俺と同じくウマ娘となったトレーナーたちの心にも、きっとこの燃えたぎる闘争心が眠っている事を。 それを感じながら、俺は清々しい気持ちで様子を見に来たたづなさんに「心まで中学生に戻らないでください」と怒られ謝罪するのだった。
6 22/03/21(月)19:01:25 [s] No.908812383
トレーナーがウマ娘になったら絶対ヤりたくなるよね…ウマ娘との力比べ あと若返るんだから昔の学生時代のバカなノリも復活するよね… TSキタトレとキタちゃんの真・健全な関係の怪文書を書いていたらこれが書き上がりました ごめんなさい
7 22/03/21(月)19:02:34 No.908812766
中学生かよ 中学生だったわ
8 22/03/21(月)19:06:06 No.908813965
>生意気な口を叩いた後輩が部屋にかけてあったサトノダイヤモンドの勝負服の袖に頭から吸収されていくのを尻目に 待ってくれないか健全展開にしれっとSANチェックを混ぜるのは！？！？！？
9 22/03/21(月)19:09:05 No.908814922
サトちゃんコワー…
10 22/03/21(月)19:11:17 [s] No.908815622
昼頃のスレで最初は健全なTSキタトレとキタちゃん書いてたのに途中からTS雌堕ちの闇にスレが乗っ取られたので今度こそ真っ当に健全なの書こうとしたら(そういえばTSウマ娘化って事は若返ってるんだよな…)という事に気づいてしまいこうなった でもヒシアマ姐さんに軽く一捻りされるトレーナーとかを見てるとこう…トレーナーも元男として勝ちたくなる心が湧いてくるよなって… でも実際こうやってトレーナーなのにウマ娘に混じってバカな学生のノリで盛り上がれたら楽しそうですよね
11 22/03/21(月)19:14:35 No.908816691
>でも実際こうやってトレーナーなのにウマ娘に混じってバカな学生のノリで盛り上がれたら楽しそうですよね タイトレ辺りはよくタイシンの傍で知能指数下げてるから実際楽しそうだなって思う
12 22/03/21(月)19:42:18 No.908825515
待ってくれサトちゃんが勝負服着て袖で捕食しているのではなく自律稼働型勝負服がトレーナーを捕食している認識でいいのか
13 22/03/21(月)19:44:46 No.908826274
ダイヤちゃんの勝負服の袖はミミックか何か…？
14 22/03/21(月)19:48:23 [s] No.908827553
今気づきましたが >そう言って俺とキタサンとサトノダイヤモンドがいた部屋に入ってきたのは、サトノダイヤモンドである男…が、俺と同じくウマ娘になった姿だ。 ここダイヤちゃんのトレーナーがサトノダイヤモンドそのものになってますね 『サトノダイヤモンドのトレーナーである男…』に読む時は訂正しておいて欲しいです それ以外は特におかしい所無いと思います
15 22/03/21(月)19:50:54 No.908828449
>それ以外は特におかしい所無いと思います 待ってくれ