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22/03/18(金)23:48:36 カフェ... のスレッド詳細

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22/03/18(金)23:48:36 No.907855402

カフェテリアの片隅で彼は言った。 「正直責任重たくないですか……」 「いやあ君それは……」 「分かってます!分かってるんです!別に半端な覚悟で挑んだつもりも投げ出すつもりも無いんです!」 「とりあえず落ち着いたら?」 「そうそう、コーヒー冷めるぞ~」

1 22/03/18(金)23:48:47 No.907855469

昼過ぎのカフェテリアは非常に賑わい、話し声が周りに漏れにくい。 トレーナーが4人卓を囲もうものならそれはトレーニングの打ち合わせか何かだろう、と聞き耳を立てられることも無いのである。 故に人目をはばかる相談には意外ともって来いなのかもしれない。 「言いたいことは分かるよ?一般人には身分不相応な担当ウマ娘じゃないかってことだろう」 「はい……」 「まあ気負う気持ちも分からなくはないけれど」 「多分他のウマ娘担当してても変わらないんじゃないかな」 一番若手を囲むように、学内で言えば中堅と一流の間くらいのトレーナーが3人、彼の相談に乗っていた。 いずれも共通点は担当ウマ娘がやんごとなき身分の娘であるという点だ。

2 22/03/18(金)23:48:58 No.907855525

昼過ぎのカフェテリアは非常に賑わい、話し声が周りに漏れにくい。 トレーナーが4人卓を囲もうものならそれはトレーニングの打ち合わせか何かだろう、と聞き耳を立てられることも無いのである。 故に人目をはばかる相談には意外ともって来いなのかもしれない。 「言いたいことは分かるよ?一般人には身分不相応な担当ウマ娘じゃないかってことだろう」 「はい……」 「まあ気負う気持ちも分からなくはないけれど」 「多分他のウマ娘担当してても変わらないんじゃないかな」 一番若手を囲むように、学内で言えば中堅と一流の間くらいのトレーナーが3人、彼の相談に乗っていた。 いずれも共通点は担当ウマ娘がやんごとなき身分の娘であるという点だ。

3 22/03/18(金)23:49:09 No.907855572

先輩に問われ、漠然とした不安を紡いで少しづつ言葉にしていく。 「彼女って、沢山の人の期待を背負ってて。小さい頃から。それに彼女自身も真っすぐ向き合ってて」 「うんうん」 「……もし、結果的に、彼女がそれを裏切るようなことになったら。俺はどうすれば……」 想像すればするほど暗く立ち込める不安。 抱くことすら間違いとすら思えるそれは、まだ新人同然の彼の心を蝕んでいく。

4 22/03/18(金)23:49:27 No.907855662

「そうならないように俺たちがいるんだろ」 でもそれは彼らが既に通った道。 「先輩……」 「だいたい身分が多少違っても誰かの大切な娘さんであることに変わりはない」 「その夢をお預かりして、知識と俯瞰で手助けするのが俺たちの仕事だよ」 「まあ一回切りだし、失敗したらその時はもうしょうがない」 「割り切って全力尽くすしかないんだよ」

5 22/03/18(金)23:49:48 No.907855749

「やっぱりそういうもんですかね……」 「怖気づくのは分かるけども」 「もっと良いこと考えようよ。トレーナー始めてから紅茶に詳しくなったとかさ」 「教養っていうの?結構付いた気がする」 「確かに……」 「トレーニングのお礼にしては貰い過ぎな気もするけど……」 「拒むのも違うよなぁ」 「他にもこう、感謝の気持ちが想像よりこう……凄かったりするよな」 「あー分かります分かります」 「趣向が凝ってて楽しいのはそうなんですけどね……」 「丸ごとプレゼント!とか結構持て余すよね。樹とか」 「樹はまあ、うん……」

6 22/03/18(金)23:50:11 No.907855847

「あとたまに担当との距離測りかねたら……って思うとめっちゃ怖くないですか!?」 「そうかな?」 「うーん……トレセンで専属トレーナーやってるならよくあることなんじゃないか?」 「そうそう、生涯たった一人のトレーナーだから特別な位置づけになるのはしょうがないって」 「そういうもんですかね……」 「まあ俺あの子しかまだ担当したことないけど」 「俺も」 「右に同じ」 「あっそうなんですか?3年走り抜けたらチームとか別の担当とか……」 「打診はされるんだけどね……」 「複数の子に並行して同じことできるかって言われたら自信ないな……」 「チームトレーナーってすげえよなぁ……」

7 22/03/18(金)23:50:36 No.907855970

「……今後受け持つ予定とかって」 「あの子見るので精一杯だしな」 「そっぱ向かれるかもって考えるとちょっと……」 「そのうち?」 若手の彼は察した。 彼らの経歴に他のウマ娘が入ることは今後およそ無いであろうことを。 (それアリなのかなぁ!?トレーナーって、えっ、そういうもんなの?) 「どうかしたかい?」 「いえ、なんでも」 「……まあとにかく、まずは3年走り切ることだよ。その後の身の振り方はその時考えればいい」 「あっ、そ、そうですよね!余計なこと考えてもしょうがないですもんね」

8 22/03/18(金)23:50:50 No.907856047

「3年って割とあっというまだからね。ぼやぼやしてるとすぐ終わるよ」 「……」 「何か言いたげだね」 「……ノーコメントで」 相談からとりとめのない雑談に移行して、いつのまにか昼の終わりを告げる鐘が響いていた。 「おっと、もうこんな時間か。また相談が合ったらいつでもどうぞ」 「ありがとうございます!俺も頑張ります!」 「若いね~」 「年そんなに変わらないでしょ」 そうして各々席を立ち、それぞれの仕事へと戻っていく。 預かった夢を叶えるため、輝かしい栄光を掴ませるため────

9 <a href="mailto:おしまい">22/03/18(金)23:51:08</a> [おしまい] No.907856141

────録音終了 「盗み聞きははしたないですが……」 「中々面白い対談だったね!」 「ええ、本当に」 「私達、大切にされてますわね~」 なりふり構わないお嬢様に一般人が敵うはずがなく、 その後数日間、妙に機嫌のいい担当に振り回される4人のトレーナーの姿が見られたそうな。

10 22/03/18(金)23:54:37 No.907857216

終 わ り だ

11 22/03/18(金)23:55:23 No.907857447

運命の方からぶつかってきたスレ画が数名いるけど左下に関してはマジでお前が始めた物語だろすぎる・・・

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