22/03/18(金)06:29:04 「で、... のスレッド詳細
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22/03/18(金)06:29:04 No.907601557
「で、なんで俺まで? そろそろ言ってくれないか? というか手を離してくれないかな」 休日部屋でゆっくりしていたところ、やってきたのはウララとそのルームメートであるキングヘイロー嬢 二人に有無を言わさず、手をがっちり握られ連行されたのはショッピングモールだった 「ウララさんのお下がりを着てるそうね──というか今もだけれど」 いや、まあそれはそうなんだれど、それは着てないとウララが明らかに不機嫌になるからだ というのをウララに聞こえる声で言うわけにもいかないので、 キングヘイロー嬢にささやこうとしたが、差が激しすぎる身長差のせいでそもそもできない── 「……不健全だわっ!」 モゴモゴしている間に、一言でバッサリと切り捨てられてしまった……正直それは事実だし否定はできないが 「わたしはあげたいからあげただよーって言ったんだけどね、キングちゃんがどうしてもって」 「というわけで、私がなにか服を見繕ってあげるわ!」 「わたしもおてつだいするねっ!」 拒否権は無いに等しい── どうにも、この身体になってから受け流されることが多くなっているような気がする
1 22/03/18(金)06:29:35 No.907601583
「元は男性だから、シンプルなのがいいと思うわ」 「えー、かわいいのがいいんじゃないかなー?」 ウララが手に持つのは可愛らしいピンク色のジャンパースカート、 キングヘイロー嬢が持つのはシンプルで落ち着いたデザインのシャツとスカート── ウララのお下がりはズボンやオーバーオールだったので、どちらにしてもスカートは初めてだ 冷や汗を頬が伝ったような気がするが、冷静そうに見えるよう務める 「トレーナーはどっちがいいー?」 ウララがあどけない表情で尋ねてくる、ここはまあ……大人の選択肢しかないだろう 「仕方ないなあ……両方で」
2 22/03/18(金)06:30:10 No.907601610
更衣室の中、籠の中にはシャツとスカートが2組ずつ どちらにせよ両方着ることにはなるので、先に着るのであればウララが選んだ方からだろう ジャンパースカートを手に持って身体に当ててみる──確かに、この姿には似合っているけれど 一呼吸おいて、ままよとばかりに今着ている服を脱いだ 「トレーナー!」 「服の着方は、わかる……あら?」 その瞬間に、ハルウララとキングヘイロー嬢の声がして振り向く 「下着と肌着はお下がりじゃなくてほっとしたわ……(ウララさんならやりかねないもの)」 「おとこのこのだー」 マズい、見られてしまった、これは── 「とはいえ、こっちも選んであげないといけないわね」 「うん、えらぼー、キングちゃん♪」 「いや、それは流石に男としての尊厳が!」 という俺の言葉は虚しくも響かず、二人はどうやらインナー選びにまで行ってしまった 更衣室な以上、もはや逃げ場はない──諦めの境地で、大きなため息を吐いた
3 22/03/18(金)06:30:28 No.907601624
「うぅ……」 「恥ずかしがっていると余計に注目されるわよ」 結局試着したジャンパースカートをそのまま購入、着替えさせられたまま店を出ることになり、 (二人はキャミソールをしっかり籠に入れていた、財布は俺持ちである) タンクトップはそのままだけれど、赤いリボン付きの白いショーツに穿き替えさせられ、ショッピングモールを歩くことになった スカートは足元がすーすーして落ち着かない、ブルマとは違った意味で気恥ずかしい…… 「だいじょぶだよ、トレーナー。かわいいから♪」 だからかわいいは余計なんだって、と口走りそうになったのをなんとか抑える 「ウララさん、せっかくだから何か食べていかない?」 「甘いのがいいー!」 「え? 早く帰ろう、な?」 けれどその言葉はスルーされ、再び二人は俺の手を引いたのだった
4 22/03/18(金)06:30:52 No.907601647
「いや、俺は甘いものそんな好きじゃないからいいよ」 甘いスイーツを選ぶ二人、トレーナーさんも、と言ったウララに対して俺はそう返事をした 「あら、意外と味覚も変わっているかもしれないわよ、試してみたら?」 ウララの不満げな顔を見た、キングヘイロー嬢がそうコメントを返す まあ確かに、この姿になってからやけに苦味を感じるようになっていたので、もしかしたらそうかもしれない、試してみるか…… 「じゃあ、ウララが選んだのと一緒のを」 「ショートケーキね、わかったわ」 しばらく後、ケーキが運ばれてくる 俺はとりあえずちらりと横目でウララの方を見ると、目をキラキラと輝かせケーキを見つめていた 「いただきますっ!」 そして、フォークで口いっぱいに、派手にケーキを頬張る 「あー、(やっぱりね)、ウララさん、口にクリームが」 キングヘイロー嬢が立ち上がり、ウララの口についたクリームを拭く (やっぱりね)と小さな声がしたあたり、予期はしていたのだろう
5 22/03/18(金)06:31:30 No.907601674
それを見ていた俺は小さくフォークでケーキを切って、口の中に入れる ……うん、正直美味しい、やはり味覚も変わったということなのだろうか? もう一度口に放り込んで、ほんのりと幸福感を覚えたところで…… 「あっ、ウマ娘だー」 女性の声が聞こえたので、気づかれぬ様ちらりとそちらの方を見る 「かわいいねー、姉妹かなぁ」 どうやら好意的に見ているヒト達のようだ、ほっと一息…… 「姉妹だったら三姉妹かなー?」 思わずケーキを吹き出してしまいそうになるのを抑える そういえば俺も今はウマ娘だった、ということは向こうから見れば対象として含まれるわけ、で…… 「三姉妹、ですって。まあ、悪くはないわね」 「えへへー」 聞こえていたのか、ウララは笑顔、キングヘイロー嬢はまんざらでもなさそうな表情を浮かべている 俺は現実から逃避しようとケーキを大きく切って、口に放り込んだ
6 22/03/18(金)06:31:42 No.907601688
「あっ、トレーナー、口にクリーム付いてるよっ、わたしがふいてあげるねー♪」 「!?」 口に付いてしまったクリームの感触に気がついたときには既にもう遅く、俺はウララに口を拭かれてしまう 少なくとも、あの女性二人からしてみれば俺が三姉妹の末っ子に見えるだろう そう確信し、戸惑う頭の中で、頬がまたたく間に火照りはじめるのを感じた (おしまい)
7 <a href="mailto:s">22/03/18(金)06:32:09</a> [s] No.907601711
>キングにまとめて世話焼かれて欲しい… >三姉妹とか言われて喜ぶウララと戸惑うトレーナーとまんざらでもないキングみてえなぁ というわけでこちらをモチーフに深夜の勢いで(なおもう少ししたら出勤) とはいえまとめてという訳には行かなかったよ……ちょいお姉さんぶるウララ成分は入れられたけど 前回までの fu893873.txt
8 22/03/18(金)07:05:31 No.907603695
朝から良いものをありがとう… 心も完全にウマ娘化したトレーナーっていうのも見てみたいですね
9 <a href="mailto:s">22/03/18(金)07:09:14</a> [s] No.907603969
>朝から良いものをありがとう… >心も完全にウマ娘化したトレーナーっていうのも見てみたいですね ウララのトレーナーが即堕ちないし完全堕ちっていうのもなんか違うかもなー感 とはいえ別ルートで書いてみてもいいかも……
10 22/03/18(金)07:11:44 No.907604176
可愛い…お姉さんしてるキングもウララも可愛い
11 22/03/18(金)07:20:55 No.907604989
慣れないウマ娘ボディにヒトソウルが翻弄される姿はいつ見ても良いものだ