22/03/17(木)20:21:57 お昼時... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1647516117491.png 22/03/17(木)20:21:57 No.907469022
お昼時、トレセン学園の食堂には年齢傾向問わず様々な生徒が集まる。 このテーブルの組み合わせも、一見突拍子もないように思える二人であった。 食事を載せたトレーを持って席を探し、彷徨い歩くウマ娘。やがて一つのテーブルを見つけるとそちらに向かい、トレーを置いて腰を下ろした。その右耳には、薔薇の飾りが揺れていた。 「ごめんね!今日は他に人来ない?」 ローズキングダムはジュースのパックをテーブルに置きながら訪ねる。相手は龍の大きな飾りごと、頭をゆっくりとそちらに向ける。 「あ…はい、大丈夫です…先輩」 ロードカナロアはボソボソと答えながらフォークでパスタを巻き取った。 この二人は一見年齢、得意距離、成績、性格もまるで違う同士で、横から見ているだけではどうして彼女たちの仲がいいのかはわからない。 当人もはっきりした関係性があるわけでもなく、ただなんとなく波長が合うのだという。
1 22/03/17(木)20:22:21 No.907469176
「いいよ先輩なんて~ローズでいいよ?」 「いえ…先輩ですし…」 「またまた…まあそれでね」 カナロアが口下手なことは承知しているので、ローズは気にせず会話を進めていく。そのペースは余計な労力を使わないでいられるカナロアにとっても楽なものであった。 「今日はちょっと相談というか…愚痴かなあ」 大きなジャガイモを口に入れながら本題を切り出す。 「カナロアちゃんって…同室の子とはどう?」 少し顔が赤いローズ。カナロアの顔はその何倍も赤くなった。噴き出した蒸気が見えるようだ。 「………仲良く、その…させてもらってます…」 「付き合ってるんだね。それなら話が早いや!」 ローズは身を乗り出す。胸から下がる乳房が机に乗った。 「言いにくいんだけど……胸ってどうしてる?」 「……むむ…胸…?」
2 22/03/17(木)20:22:41 No.907469321
不思議そうな、呆れたようにも赤面するカナロアの胸がぷるんと震える。そのサイズは通常の女性とは比べ物にならないほど豊かである。それはローズも同じだった。 同じテーブルについた二人の豊かな身体の少女。見目麗しいその様を周囲の生徒たちもそれとなく見ていた。 「僕もカナロアちゃんもほら…それなりに大きいでしょ?だから僕だとギムさんだけど、けっこう触られたりいじられたりすると思うんだ」 「あうう…僕も…そうですね、たくさん揉まれて…」 「でしょー!毎日触られるから着替えでふと擦れたりしても…」 「わかります…!この前もちょっと声出ちゃって…」 「そういうときに限って聞かれてるんだよね…」 「本当そうですよ!」 カナロアは次第にエンジンがかかってきたようで、気さくな態度に変化していく。 話が漏れ聞こえた周囲が一様に赤面し、一部は自分の胸元を覗いたりパートナーと顔を見合わせる中、二人の話は弾んで止まらなくなった。
3 22/03/17(木)20:23:09 No.907469517
「ギムさんったら人前でも平気で触ってくるんだもん!バレたら大変なのに!」 「わかります!ムーンも所かまわず求めてきて…前はトイレの中でしちゃって」 「…まあ愛してくれてるのはわかるけどね♥」 「そういうところも好きになっちゃいますよね♥」 二人はひとりきり喋ったあと、同時に息をついて重い乳房を机に乗せた。 ふーっとため息をついて、二人は口をそろえる。 「胸があるって…」 「大きいって…」 「「大変だよね~…」」 その時横から大きな影が迫ってきた。 「なーに話してんの?アタシも混ぜてよ~」 「むぐっ!?」 「ふぐっ」 陽気に笑うのは王冠の飾りを輝かせたルーラーシップだ。 二人を抱き込んで顔を胸元に押しつける。その胸は二人を凌ぐサイズである。
4 22/03/17(木)20:23:23 No.907469626
「…シップちゃんには関係ないよ」 「なんで~?」 「だって君胸の大きさで悩んだことある?」 王子様は目を瞬いたあと首を傾げ、にっこり笑う。彼女の人格を知らなければ魅入られそうなほどの美貌。 「ないよ?大きいほうがいいじゃん!イケメンもかわい子ちゃんも寄ってくるしさあ」 「…………やっぱり君とはなんか合わないんだよなあ」 「………………」 二人は大きな脂肪の塊に顔を押しつけられながら同じ思いに浸っていた…。
5 22/03/17(木)20:23:53 No.907469838
…⏰…
6 22/03/17(木)20:24:19 No.907470008
「♪~♬♩~」 軽快な、しかし堂々巡りに陥るような曲調の鼻歌を唄いながらくるくるとテーブルを探すハクサンムーン。その彼女を背後から呼び止める手がある。 「ああ、君は…ハクサンムーンくんだったかい?」 ゆっくりと振り向く。知らない声と顔。片目を覆う黒い髪と白く大きい流星、ギョロついたような目は眼光鋭い。 「…貴方誰?」 その言葉を受けて目つきを少し緩める。ほとんど乗り出していた姿勢を奥に引っ込める。 「いや、突然すまない。俺はタニノギムレット。君と少し話がしてみたかった」 タニノギムレットは一人で席についていた。手ぶりで席を薦められると、ハクサンムーンは不思議そうな顔をして空いた椅子に座った。 バターを載せたパンを齧りながらギムレットが話し始める。 「君はロードカナロアくんと親しくしてるみたいだね。いわゆる恋人」 「なんでそんなことを?」
7 22/03/17(木)20:24:38 No.907470158
二人の関係はあまり大っぴらに公開しているわけではない。実のところ学園の多くの生徒が知る公然の秘密なのだが、彼女たち当人はそれを知らない。 「実は俺の恋人と君の恋人は仲がいいらしい。それでお近づきにね」 「本当?カナロアって友達あまりいないのになあ…それで誰なの?」 「ローズくんだよ。ローズキングダム…知らないかい?」 「あー!あのジャパンカップの!おっぱいでかい人!」 あんまりな形容にギムレットは苦笑する。 「あまり本人の前では言わないでおいてくれよ?すごく気にしてるんだ」 「へえーカナロアにそんな友達が…でも全然性格が合うようには思えないけど」 ストローをぐるぐるとかき混ぜる。 「いやあ一つ通じ合えるものがあるだろう?」 再びギムレットは身を乗り出す。 「胸だよ」 「…ッ!」
8 22/03/17(木)20:24:54 No.907470282
カナロアは確かに胸が大きい。ローズ先輩も同様だ。だが自分…ハクサンムーンは身長も体格も小さく、胸も大きくはなかった。そのカナロアの友達が… 「ローズ先輩ってどんな人なの?」 「ん…改めて言われると照れるなあ」 そう言って見せた表情からは、武骨なシルエットに似合わぬ女性らしさを覗かせる。 「まず真面目だな。そして繊細なところがあって…打たれ弱いと言ってはなんだがこれがなんとも可愛い。でも生まれながら『王子様』として育てられたって言っててな」 ふっと笑う。 「本当は弱いところもあるのに、それをないかのように装うんだ。そう努力する姿とその裏側にある隙…が俺の好きなところだな。いや、喋り過ぎた。ローズくんには内緒にな…」 ハクサンは何かしらその人物評に思うところがあった。 「カナロアとちょっと似てるかもしれない…見栄っ張りだけどけっこう弱虫だし。でもそれがかわいくて愛おしいんだよね♪」
9 22/03/17(木)20:25:08 No.907470369
「カナロアくんもかい?」 「うん!で弱い所も全部、私にだけはさらけ出してくれるのがぐっと来るんだよ」 「そうか…案外俺と君は…」 「ちょっと似た者同士だったりして?」 二人は顔を見合わせた。肩をすくめてふふっと笑う。 穏やかに、しかし賑やかに二人の話はいつまでも続いた。
10 22/03/17(木)20:25:22 No.907470455
…⏰…
11 22/03/17(木)20:25:44 No.907470594
食堂を後にする廊下でも二人は談笑を続けていた。 「いや~…先輩には驚きました…」 「ごめんね…でも色々お話できてよかった!」 「そうですね!…あれ?ムーンと…誰?」 「ギムさん!」 食堂の出口から今まさに出てきたお互いの恋人を認め、呼び止める。 ギムレットとハクサンも気付いてそれぞれに駆け寄る。 ギムレットはローズのすぐ傍に、ムーンはカナロアの隣に身体をくっつけて。
12 <a href="mailto:おわり">22/03/17(木)20:26:03</a> [おわり] No.907470728
「さあまた練習だぞ…そういえばカナロア君とは仲良くできたのかい」 「え!?なんで知ってるんですか!?」 「さっき見かけたんだ」 「はあ…まあ仲良くしてますよ?共通の悩みもありますし」 「悩み?なんだいそれは」 「…ギムさんには教えません!」 「それは傷つくなあ…」 「ねえカナロア?」 「んー?」 「私が小さいこと…気にしてる?」 「そんなわけないでしょ?ムーンはムーンだからいいんだよ」 「…だよね♥それじゃあお部屋帰ろう?」 「まだお昼なのに?…いいけどさ♥」