※姉上が... のスレッド詳細
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22/03/16(水)22:16:02 No.907190459
※姉上が隠しギア見つけたIFです
1 22/03/16(水)22:16:18 No.907190557
来る12月24日。 その日の会場の雰囲気は異様なものになっていた。 「これが……有馬記念」 無意識の内に、私の口から声が漏れ出ていた。周りの雰囲気に圧倒され普段なら絶対にしない独り言をするほどに、私は極度の緊張状態にあった。 ……会場の外からは、私達を見にやってきた観客の声。慌ただしく準備を進めるスタッフの足音。全てが今まで経験したことないような規模のものだった。
2 22/03/16(水)22:16:30 No.907190642
大丈夫……豪州で学んだことを活かせば」 「フジ先輩見ててくださいね!勝ちますから!」 「……どうしてアイツがここに居ないのよ。たかが喉くらいで……バカ……」 「この手で英雄を!」 私とは打って変わって周りでは決意を固めレースに臨もうとするウマ娘の姿が見える。そこにいる全員が自信と覚悟をいっぱいに今日に臨んでいるようだった。 (あぁ、やっぱり……)
3 22/03/16(水)22:16:42 No.907190699
今更ながら私は実感した。このレースは今までのレースとは違うということを。 ……心臓の音が大きく聞こえる。まるで自分の身体じゃないみたいだ。こんな状態で走ったら間違いなく負けてしまうだろう。 (ダメだ……しっかりしろ私!) ここで諦めたら今までの自分が全て否定されてしまう。そんな気がしてならなかった。 ……しかし、いつもの感覚に体が戻らない。少しでも楽にしようと深呼吸をしてみるも、かえって焦りが増していくばかりであった。 呼吸が整わない。全身は震え、汗が冷たく感じ、平衡感覚が狂い、思考回路がおかしくなったと思うと_____
4 22/03/16(水)22:17:17 No.907190916
「タイドさん!!大丈夫ですか!!」 「うわああああっっっ!!!!!……あ、あれ?キタサン……?」 急に声をかけられたせいでかなりの大声を出して椅子を倒してしまう。慌てて振り返るとそこにはよく見る後輩がそこには立っていた。 「はい、お助けキタちゃんです!タイドさんはこれほどの大舞台は初めてなので今頃冷静さを失ってる時なんじゃないかなと思いまして。当たってたみたいですね!」 「う……鋭い……」 びっくりするほどに見透かされてしまっている……。どうやら彼女には敵わないようだ。
5 22/03/16(水)22:17:36 No.907191022
「そりゃあ分かりますよ……だってタイドさんのことずっと見てきたんですから」 少し恥ずかしそうにする彼女を見てなんだか私まで照れ臭くなる。だが、それと同時に彼女が側に居てくれることが心強く思えた。 「そうか、ありがとう、キタサン。……まさか今日も助けられちゃうなんてな……」 「い、いえいえ!これくらいお安い御用ですよ!」 彼女は笑顔で答えてくれた。……本当にありがたいことだ。彼女に感化されたのか私の体はいつの間にか落ち着きを取り戻していた。
6 22/03/16(水)22:17:55 No.907191133
『まもなく有馬記念が始まります。出走する皆さんは準備を……』 「……あっ、もうこんな時間なんですね。じゃあ私観客席で見守ってますから!」 「ああ、見ていてくれ。……勝ってくる!」 「はい!あたし、ゴール近くで待ってますから。頑張ってくださいね!」 彼女の激励を受けて私はパドックへ向かう。 ……気合いは十分だ!歩きながら作戦を今一度振り返ろうとすると野球帽を被った見慣れたウマ娘が私に絡んでくる。
7 22/03/16(水)22:18:07 No.907191204
「良い後輩持ったね~アンタ」 「うるさい……」 「うるさいって何さ!こわーい」 ダイワメジャー……相変わらずこいつは苦手だ。 私と同じく体に不安を抱えてたはずだったのに今じゃ余裕そうな表情を浮かべている。それがまた気に食わなかった。 「まぁいいけど。……やっぱりさー、今日一緒に走る英雄ちゃんのこと意識しちゃってる?」 英雄…… 散々聞かされたその言葉に、無意識的に私は反応した。
8 22/03/16(水)22:18:18 No.907191257
「当たり前だ。……もう妹には負けられないんだ。本気で勝ちに行くよ」 私の言葉を聞いて彼女はニヤリと笑みを浮かべる。 「おおー、言うね~!負けられないのは私もなんだけどさ。アンタにも、妹にも」 彼女は帽子に手をかけて話す。 「私の妹も、来年はここに来る。まだクラシック級ですらないけど、私には分かるんだ。あの子は絶対にここまで辿り着ける子だって」
9 22/03/16(水)22:18:33 No.907191346
彼女の妹……ダイワスカーレットはまだジュニア級のウマ娘。また姉特有の妹贔屓か……と思ったが、彼女の目は冗談を言ってるような目ではなかった。 真剣そのもの。……本当なのだと直感的に感じ取ることが出来た。私が黙っていると、ダイワメジャーは続けて話し始める。 「だからさ、ここで英雄を討ち取る。そして最強の姉になって来年立ちはばかる最大の敵になってやりたいんだ。……お互い妹に負けられたくないもんなぁ!」 「ははっ、そうだな……優秀な妹を持つと大変だ」
10 22/03/16(水)22:18:44 No.907191412
「そーだね。……ホラ」 彼女は拳を私に突き出した。私もそれに返すように軽く合わせる。 「さ、ブルペンで喋ってないでホーム行こっか。今日はいい勝負にしよう!」 「ああ!」 お互いに一言交わすと、私達はパドックへと歩みを進めた。
11 22/03/16(水)22:18:54 No.907191465
__レース場へと向かうと既に多くの観客が集まっていた。この場にいるだけで緊張感が高まるのを感じる。 そんな中、1人のウマ娘と目が合った。 同じ母から生まれ、同じ環境で育ち、世間では英雄と称され日本近代ウマ娘の結晶とまで言わしめた、彼女。 「……お姉ちゃん、ついにこの日が来たね」 最愛の妹にして、最大のライバル。 「ああ、来たぞ。お前との約束を果たす時が」 喧騒に包まれているはずなのに、不思議と私たちの会話だけがはっきりと聞こえた。
12 22/03/16(水)22:19:05 No.907191530
「正直お姉ちゃんがレースに戻ってこれるなんて、全然思わなかった。2年も離れてたのに」 2年……2年か。 確かに普通じゃただの重賞ウマ娘がここまで上り詰めることなんて有り得ない。 でも、それでも。 「私も、あの時は諦めてたさ。でも私には……私以上に諦めてくれない子がいた。もう世間に忘れ去られようとしているのに、弱い私を助けてくれる子が」 いつも元気で太陽みたいな……お節介で可愛いあの子を思いながら、私は語る。 「その子のおかげで、今の私はいる。だから私は諦めない。どんな相手でも……最強の英雄にだって私は勝ってみせる!」
13 22/03/16(水)22:19:17 No.907191607
ディープが私の目をじっと見つめたかと思うと、何かに安心したかのようにほくそ笑んだ。 「……ふふ。なんだか昔のかっこいいお姉ちゃんに戻ったみたいだね。うん!でも……負けないよ!私も絶対に勝つから!!」 「……それとお姉ちゃん、英雄って呼ぶのやめて」 そうして私たちは戦いの地へ向かう。ファンファーレが鳴り、知り合いのワガママ娘が遅延行為を行って……いよいよ私の、私達の運命を決める有馬記念が始まった。
14 <a href="mailto:s">22/03/16(水)22:20:26</a> [s] No.907191984
見なくても話は分かりますが前作も置いときます fu890053.txt
15 22/03/16(水)22:23:24 No.907193098
このプイプイキタちゃんにジェラシー持ってそうで可愛い
16 22/03/16(水)22:23:43 No.907193228
良い… 今日もありがとうね…
17 22/03/16(水)22:23:46 No.907193247
キタちゃんのバフ効果高いな…
18 22/03/16(水)22:26:56 No.907194501
隠しギアでキタちゃん並に覚醒するとしたらどっち勝つかわからんな…
19 22/03/16(水)22:28:39 No.907195179
>知り合いのワガママ娘が遅延行為を行って…… 締まらねえ!
20 22/03/16(水)22:31:10 No.907196184
メジャーの二人称アンタなの血を感じて好き
21 <a href="mailto:URA">22/03/16(水)22:41:16</a> [URA] No.907199944
ディープインパクトはね 最強の英雄として有馬記念に降臨するの 本人もそう呼ばれることを望んでるの
22 22/03/16(水)22:42:24 No.907200372
>ディープインパクトはね >最強の英雄として有馬記念に降臨するの >本人もそう呼ばれることを望んでるの ♥ですので
23 22/03/16(水)22:47:53 No.907202435
>ディープインパクトはね >最強の英雄として有馬記念に降臨するの >本人もそう呼ばれることを望んでるの delプイ
24 <a href="mailto:s">22/03/16(水)22:56:53</a> [s] No.907205500
姉上キタちゃんでやりたいこと大体やったのでここで一区切りにしようと思います 前から姉上で何か書きたいなと思ってたので姉上の幻覚投下してくれた「」には頭が上がりません