22/03/14(月)23:41:43 「参っ... のスレッド詳細
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22/03/14(月)23:41:43 No.906602991
「参ったな...どうすればいいんだ...」 夕焼けの射し込むトレーナー室でそう項垂れる自分の右手にはスマホ、机の上には綺麗に包装されたお菓子が置いてあった 本日3月14日はホワイトデー。一般的には女の子からバレンタインに貰った物のお返しをする日である。かく言う自分も先月に担当であるゴールドシチーからチョコレートを貰った為、お返しをしようとわざわざ少し離れたデパ地下まで行き、慣れないお菓子コーナーで苦労して探し出したのが目の前にある包みなのだが... 「はあ...よりにもよってマシュマロが...」 そう、トレーニング終わりに他のウマ娘が「ホワイトデーに送るお菓子には意味がある」と話していて、ふと気になった自分は手元のスマホで調べてみたのだが、どうもマシュマロはあまりいい意味ではなかったのである
1 22/03/14(月)23:42:26 No.906603202
「あなたが嫌い、って意味だなんて...クソっ誰だよ最初に言い出したの...今から買い直そうにも購買は昼間の時点で全滅だったし...」 そうこう悩んでいる間にも時間は流れて行き... 「...ぇ!.....ねえ！トレーナー！着替え終わったから来たよ！」 「...うわあシチー！？いつ来たんだ！？」 「さっきから呼んでたじゃん...ってかそれお返し？なになに？何用意してくれたの？」 見てすぐ分かった、今日のシチーはとても機嫌がいい。そんなシチーにプレゼントするものがよりにもよって...と何となく申し訳なく思ってしまう 「...どうしたのトレーナー？もしかしてくれないの？お返し」 「いや...その...」
2 22/03/14(月)23:44:02 No.906603677
駄目だ。シチーならきっとホワイトデーのお菓子の意味を知っているに違いない。そんな考えが頭の中を巡って渡そうにも渡せなくなっていると、段々とシチーの表情が険しく、耳も伏せてきていた 「は？何でくれないの？もしかしてアタシをからかってた？遊んでたワケ？」 「違...そんなんじゃ...」 不味い、機嫌を損ねてしまったようだ 「あーハイハイ分かったよ、じゃあアタシ帰るから。そのお返しはちゃんとした人にあげれば？」 そう言って向こうを向いたままシチーが出て行こうとする 「待ってくれシチー！これは─────」
3 22/03/14(月)23:44:26 No.906603786
そう言って懐から包みを出した瞬間、シチーがものすごい速さでこちらに振り向くと 「...あれ？」 「よーし回収成功！アンタがアタシ以外にお返しとかありえないっつーの」 いつの間にかシチーの手の中に包みがあった 「.......汚いぞシチー！」 「へー...アタシに汚いとか言っちゃうんだ」 「綺麗だぞシチー！」 「はいはい知ってるよ。さてとアンタがこんなにも渡したがらなかったお返しはどんなものかな～？」 そうしてこちらの制止する暇もなくシチーが包みを開けた
4 22/03/14(月)23:45:09 No.906604003
「...これって」 「ち、違うんだシチー！別にお前が嫌いとかそういうのじゃないし知ってたら選ばなかったし単に俺が詳しくなかっただけでただシチーにこれをプレゼントしたいって一心で選んだから要するに」 「プッ...アハハハハハハハ！」 「何がおかしい！」 俺の抗議も聞かず、そのままシチーは数分間笑い続けていた 「いや....ごめ....(ｽｩｰﾊｧｰ)....ﾝﾌﾌﾌﾌﾌ...いやアンタが必死になってんの面白くてさ、別に気にしてないし第一アンタがそういうの知ってる訳ないって分かってるから」
5 22/03/14(月)23:45:58 No.906604232
「そ、そうか...あー良かった」 全身の力が抜けていくのを感じる。とんだホワイトデー騒動だった 「ハア...全く...それにしてもこのマシュマロって」 「ああ、君が出てたCMのだよ」 そう、これは以前シチーが出演していたCMのものだった 「へー...あんな前の奴覚えててくれたんだ」 「そりゃ君が出てたからな。それにしても探すのに苦労したぞ、あんなに疲れたのは初めてだ」 「ふーん...そんなに頑張ってくれたんだ」 自然とシチーの表情が柔らかくなる。どうやら機嫌も戻ったみたいだ
6 22/03/14(月)23:48:13 No.906604830
「さて、じゃあ渡すのも終わったしまた明日なシチー」 用も済んだのでそう言って部屋から出ようとすると (ｶﾞｼｯ) 俺の手がシチーに掴まれていた 「...シチーさん？何ですかこの手は？」 「ねえトレーナー、アンタあのCMでこれ選んだんでしょ？」 そう言うとシチーは俺にマシュマロを一つ持たせると 「だったらさ、あのCMみたいにやってみてよ」 そう言って口を大きく開けた 彼女が出ていたCM、それはマシュマロを手に持った人物がシチーに向かってマシュマロを差し出し... 「ほあ、はやふはへはへへ」
7 <a href="mailto:終わり">22/03/14(月)23:48:28</a> [終わり] No.906604899
───────結局、俺の手で全部食べさせた上に途中からシチーも俺に食べさせようとして、解散となったのは夜遅くになってしまったのだった
8 22/03/14(月)23:49:42 No.906605230
いいべ…
9 22/03/14(月)23:49:53 No.906605285
>「.......汚いぞシチー！」 >「へー...アタシに汚いとか言っちゃうんだ」 >「綺麗だぞシチー！」 くそ甘い夫婦漫才じゃねぇか…
10 22/03/14(月)23:51:34 No.906605782
だいぶ距離が打ち解けてる感じがいい……
11 <a href="mailto:s">22/03/14(月)23:53:04</a> [s] No.906606209
ホワイトデーのお返しに意味があるとか初耳だった...個人的にはお菓子作ってる人に失礼じゃないかって思うけどネタにはなったので結果オーライかなって思いました
12 22/03/14(月)23:55:40 No.906606975
そういう意味には縁のないヤツというのが却ってシチーの評価を上げたやつ
13 22/03/14(月)23:58:12 No.906607637
これもう付き合ってるべ？ これもう付き合ってるべ？
14 22/03/14(月)23:59:23 No.906607961
夜遅くまで二人きりなら抱いたんだな！？
15 <a href="mailto:おまけ">22/03/15(火)00:15:31</a> [おまけ] No.906613266
「あっ...もう最後の一個か...」 シチーがそう言って残念そうにしている。確かに普通のマシュマロより美味しかったし、食べ終わるのも寂しいんだろう 「俺はもう食べさせて貰ったし残りはシチーが食べていいぞ」 なんて言っておきながら、実際にはこの状況から早く脱出したいという気持ちもあった。お互いの手は相手の唾液で濡れており、更にマシュマロの甘い香りが漂っていて、なんとも言えない空気だったからだ 「ふーん...じゃあさ」