22/03/14(月)23:18:38 ! 注... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1647267518011.jpg 22/03/14(月)23:18:38 No.906595680
! 注意 【人を選ぶ表現があります・今回ハード目】 あの日のことを、今でも思い出す 横転したバス、血を流し泣き叫ぶあの子たちのことを、今でも鮮明に覚えている そしてその惨劇は『不幸にも』『たった一人だけ生き残ってしまった』少女にトラウマとなって ─── もうすぐ午後6時、トレーナーが帰ってくるのを私は1人彼の部屋で待っていた 「………トレーナー…まだかな…」 そんなことを呟きながらドアから視線を外すと 「───っ………!?」 目が合った、気がした
1 22/03/14(月)23:19:17 No.906595909
誰もいないはずのトレーナーの部屋、何もないはずの空間、なのに何故か視線を感じた 「あ……ぁ……!?」 あの日見た眼、私を遺して亡くなった彼女たちの目が、私の視線の先にあった 「いや…!やめて………!見ないで………!」 何度このトラウマに襲われたことか 私の脳裏に深く、強く植え付けられたトラウマはあの日からずっと私の心を蝕み、苦しめてきた 何も言わずただただ強く睨み付ける視線に怯え、私は脚を抱え込み身体を寄せる 「やだ…やだやだやだやだやだ………見ないでぇ…」 小刻みに震える脚に顔を隠し耳を強く絞りギュッと目を閉じれば、世界からの情報はシャットアウトされる
2 22/03/14(月)23:19:32 No.906596002
「っ………ひっ!?いやっ!?いやぁっ!?」 暗闇の中から目玉が2つ現れ、私と視線を合わせる 驚いて目を開ければそこには 「………………ぁ…あぁぁ…あぁぁぁぁぁ………!?」 空間に現れる無数の目 「いやっ!見ないで…そんな目で、私を、見ないでよぉ………!」 どこを見ても睨み付けるような目が私を追い掛けてくる 次々と増える目が私を囲み、気付けば部屋の中を大量の目、眼、目、眼、目、眼、め、目、め、眼、目、め、め、眼、め、め、め─── 「怖い………怖いよぉ………トレーナぁ………助けてぇ………」 失禁してしまっていることさえわからず、私はトレーナーがいないときの唯一の救いへと手を伸ばす 「薬………くすり…薬、薬、薬………!」 瓶に入れられた精神安定剤へと手を伸ばすが震える手は瓶を掴めず何度も空を切りテーブルを叩き 「───あ………」 瓶に手が当たり、唯一の頼りがカーペットに広がる
3 22/03/14(月)23:19:47 No.906596085
「あ、あぁぁぁ………!?」 錠剤を拾うという考えさえ今の私には浮かばず、神に見放されたと瓶からこぼれ落ちるように心に絶望が広がっていく 「そんな…どうして…神様ぁ………なんで私だけこんな目にぃ………」 顔を手で覆うと溢れる涙が手を伝い袖の染みとして消えていく 「どうして私だけが………私だけ生き延びてしまったんですかぁ………!」 運命のいたずらを嘆き、自分だけ残されたという事実に心を痛めていると 『………サンデーちゃん』「ひっ………」 幻聴が頭の中で響き渡る 『サンデーちゃんは運が良いね…』「違う…!良くなんかない…!」 『なんで泣いてるの?』「怖いの…あの日のことが…全部…」 『なんで怖いの?』「みんなが私を…こんな私を恨んでるんでしょ…」 『恨んでる………?』 『当然でしょ!』「ひぃぃっ………!」
4 22/03/14(月)23:20:02 No.906596168
突然の激昂、怯んだ私をあの子達が追い詰めていく 『なんであなたなんかが残ってるのよ!』『私だって!みんなのために走りたかった!』 『あの時一緒にバスに乗ってたのに!』『なんでアンタだけが生きてるの!』 『脚の悪いあなただけが生きてるの!』『健康体な私たちはみんな死んだ!』 「いやっ………!ごめんなさい…!ごめんなさい…!」 『ごめんじゃないのよ!』『ふざけないで!』 彼女たちから浴びせられる怒号に、私はクッションを抱き締めながら耐える 『期待されてなかったのに!』『私たちは期待されてたのに!』 「やめて………やめてよぉ………ぐすっ、ひっく…」 『アンタなんか───』「やめて───」 『───死んじゃえば良かったのよ!』
5 <a href="mailto:(この次からハード要素注意)">22/03/14(月)23:20:40</a> [(この次からハード要素注意)] No.906596358
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 あの子達の言葉に耐えられなくなり私はクッションを振り回し暴れ始める 「私だって!私だって死にたかったのにぃぃぃ!!!」 あの子達を追い払うかのように大きく振り回し、やがてウマ娘の力に耐えきれなくなったクッションが千切れて飛んでいく 「わだじだっでぇ!わだじだっでえぇぇぇ!!!」 武器を無くした私は台所にあった包丁を手に取りあの子達を切りつける 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」 声にならない叫びをあげながら、あの子達の顔目掛け包丁を振るう 「消え"ろ"っ!消え"ろ"っ!!!消え"ろ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"っ"!!!!!」 足を滑らせて転んでも腕を振って必死に何かを切り、疲れはてて座り込んだ後は両手で包丁を持ってあの子達目掛けて振り下ろす 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!う"わ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!」 1つ、2つ、3つと、いないはずの何かに一心不乱に包丁を突き刺していく
6 22/03/14(月)23:20:55 No.906596445
「はぁ………はぁ………はぁ………」 50回か、100回か、何回包丁を振り下ろしたかわからないほどに暴れた後、私は呼吸を整えていた 全身から噴き出す汗の感覚、静寂の中呼吸音だけを拾う耳、ぽっかりと穴が空き虚しさだけが残された心………何も考えられない中私は左腕を見る 「はぁ………はぁ………うぅ………」 袖を捲ると、そこに現れたのは無数の切り傷が付けられた手首 苦しみから逃げるために付けた切り傷…誰にも見せられない、トレーナー以外には見せたことのない切り傷を眺め、その1つを指でなぞる 「………トレーナー…ごめん…」 包丁を手に取りその傷の少し上に刃を当て、そのまま包丁を引く 「いっ………たぁ………!」 刃がなぞった場所にすぐさま赤い線が滲み、そのまま腕を伝い捲った袖に赤い染みを作る 「はぁ…はぁ…いっ………!…くっ、うぁ…あぁ………!」 包丁で切る度に腕から全身に走る痛み とても痛くて、胸が苦しくなって、涙が溢れ出てくる それでも、あの日彼女たちが味わった苦しみと比べれば…と自分に言い聞かせて何度も手首に赤い線を作っていく
7 22/03/14(月)23:21:05 No.906596517
「うぁぁ………いっ…たい、よぉ…トレーナぁ………」 痛みに耐えきれなくなり包丁を床に置く 手首からは大量の血が溢れ、袖に吸い込めなくなった液体がカーペットへと滴り落ちていく 「苦しいよぉ…怖いよぉ…みんなぁ………ひっく…ぐすっ…」 右手で涙を拭うも、すぐに涙が溢れ頬へと垂れて服へと落ちていく 「みんなぁ…みんなぁ…私も、みんなの、元に………」 震える右手で包丁を掴み、力の入らない左手を添え首元に先端を突き付ける 「神様…私も、みんなの元に…」 目を強く瞑り、両腕を引く そして、持っていた包丁を─────
8 <a href="mailto:おしまい">22/03/14(月)23:21:23</a> [おしまい] No.906596606
「………ひっく…うぅ…あぁぁ…」 ───床に、落とした 「トレーナぁ………トレーナぁ………!」 いつもこうだ 死のうとすると毎回彼の顔が目に浮かんで、私を止めてくる 「ひっく…うわぁぁぁん…!トレーナぁ………!うあぁぁ………!」 彼のことを想い泣いていると、遠くで鍵が開く音がした 大丈夫かと、声を荒らげながら私に抱き付く彼 「うわぁぁぁぁ………!トレーナぁぁぁ………!」 痛かっただろ、苦しかっただろ、怖かっただろと心配した声で優しく私を宥めるトレーナー 「ごめんなさい………!ごめんなさい………!ごべんなざいぃぃ………!」 彼の熱を背に受けながら、私は赤ちゃんのように泣きじゃくることしか出来なかった
9 <a href="mailto:S">22/03/14(月)23:21:45</a> [S] No.906596718
唐突にSSの重い話のアイデアが降りてきたので書いた みんなも是非SSの怪文書を書いてほしい txt fu885412.txt (前作 fu885410.txt)
10 22/03/14(月)23:21:54 No.906596761
おしまい!?
11 22/03/14(月)23:23:06 No.906597173
SS怪文書ありがたい…
12 22/03/14(月)23:23:51 No.906597413
弱々しいSSさんはなんか興奮する
13 <a href="mailto:s">22/03/14(月)23:24:14</a> [s] No.906597547
>おしまい!? アイデアが浮かんだら書きます…いつ出るかはわかんないけど
14 22/03/14(月)23:25:41 No.906598063
幼少期にこれでもかと運命に虐められるSS
15 22/03/14(月)23:30:08 No.906599454
俺にはつらすぎる