虹裏img歴史資料館

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22/03/07(月)23:33:06 「精が... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1646663586041.png 22/03/07(月)23:33:06 No.904377866

「精が出ますね」 夕暮れ時のグラウンドでふと声をかけられた。 「まだまだ走り足りません」 コース外、柵の向こうから彼女は語りかけていた。私はそう答えると早々にトレーニングに戻ろうとした。 「あまりトレーニングは捗ってはいないようですが」 まだ彼女は私に声をかけてくるが既に返答するつもりはない。 「もう帰りましょう」 私は聞く耳を持たない。 「……まさか本気で出るつもりですか?」 その言葉が聞こえた瞬間、私の頭に血が上るのを感じた。 「当然です。あなたに代わってリベンジしたい相手がいる。そのために私は全身全霊を尽くします」 思わず少し大きなってしまった声で反論してしまう。そうこれは仇討ちであるのだ。 「それに……」 そしてもう一人戦いたい相手がいる。ずっと近くにいたけどずっと遠かったあの子と今度こそ最高の勝負を。

1 22/03/07(月)23:33:16 No.904377908

私の心底のただの独りよがりな願望を、丸裸にしてナイフを付きたてられたような、そんな鋭い言葉は私の体に脳天から尻尾の先まで寒気を走らせた。 「……」 少したじろぐ私。返せる言葉がなかった。 そして私は子供のように強情になった。事実であってもそんなことは関係ない。あなたには私の気持ちはわからない。 踵を返して走り、彼女を振り切ろうとしたその時。 腹部に痛みが走った。 私は思わず腹部を抑えうずくまってしまった。 その様子を見て彼女は私に駆け寄ってくる。そして私に肩を貸しコース脇まで運ぶと柵に体を預けさせた。

2 22/03/07(月)23:33:29 No.904377982

「言わんこっちゃないです」 その声は先ほどまでとはうって変わり優しかった。 「あぁでも言わなければ私の話を聞いてくれないと思いましたが逆効果だったみたいでーす」 やれやれとため息をつき、彼女も私の隣で柵に腰をかけた 「でもさっき言ったことは私の本音です。その状態で出てもあなたのためになりません」 「……私は自分が情けないです」 私はふと弱音を漏らしてしまう。 「そんなことないですよ」 すぐさま否定されても構わず私は続ける。

3 22/03/07(月)23:33:42 No.904378060

「ケガばっかりでレースに出れなくて、皆ともっと一緒に走りたいのに、もっと勝ちたいのに」 心に抱え込んでいた弱い部分がどんどんと口から流れ出していく。 ケガをして復帰を繰り返す日々。掴み取った栄光が大きければ大きいほど、転落の絶望感と復帰への苦難は大きくなった。 それでも走ってこれたのは、同期が走り勝ち取る姿を見ていたからだった。 「あのレースを、エルの凱旋門を見て、どこまでも強いエルとブロワイエと走って、超えたいって思いました」 「日々日に強くなるスペちゃんを見て、その隣を走れるライバルになりたいって思いました」

4 22/03/07(月)23:33:59 No.904378146

そしてそれを糧に頑張ってきたはずなのに。なぜ彼女たちのように走れないのかというわだかまりに押しつぶされそうになった 「ジャパンカップ、ブロワイエとスペちゃんが走るレース……こんな時にどうして私は弱くて…どうしてまた置き去りに……」 「グラスは弱くありません」 いつの間にか泣き出しそうになっていた私の言っていたことを彼女はぴしゃりと否定した。 「グラスが私たちを見ていたように私もグラスをずっと見ていました。どんな逆境に立たされても諦めずに頑張って、そして勝ってしまう。まさに不死鳥のごときウマ娘」 「そんなグラスは私は力を貰っていました。そしてスペちゃんもきっと同じだと思います」

5 22/03/07(月)23:34:11 No.904378202

「グラス、あなたは置き去りになんかされていません。日本一と世界最強を目指す私たちの隣をずっと一緒に走ってきてくれた親友です」 覆面から覗かせた澄んだ瞳は強く、そして優しく私を見つめていた。 「……エル……」 「帰りましょうグラス。次のレースに向けて今はしっかり休む時デス」 「……はい」 涙をぬぐった私はグラウンドを後にした。 『グラスワンダー、腹部のケガによりジャパンカップ出場を断念。』後日、新聞にそう書かれることとなった。

6 22/03/07(月)23:34:24 No.904378260

制服に着替えた私はエルは校門を後にする。 「私、宝塚記念でスペちゃんにあんなこと言ってしまったのに、私自身焦りで色んなものが見えなくなっていました。恥ずかしいです」 「そういう時は誰にだってありますよ。ない方がおかしいデス」 「……ジャパンカップは観客としてスペちゃんの応援ですね」 「グラスはブロワイエとスペちゃんどっちが勝つと思いマース?」 「ホームの分スペちゃんの方が有利だとは思いますが、相手はあのブロワイエです。それだけで勝てる相手だとは思いませんが……」 「私は断言します。スペちゃんが勝ちマース」

7 22/03/07(月)23:34:35 No.904378324

「すごい自信ですね。根拠は?」 「ありまセーン! 世界最強の勘デース!」 「なんですかそれは……」 「そしてブロワイエに勝ったとなればスペちゃんは日本一にとどまらない、世界最強のウマ娘になったと言えるでショウ! 悔しいデスが」 「……!」 「でもグラスはそれを黙って見てるウマ娘ではないでしょう?」 「私もドリームトロフィーに参加表明してなければ自分で奪取しに行くところですが、ちょうどいいデス」 「グラス、あなたがスペちゃんから世界最強の座を奪い取ってくだサイ。そして、ドリームトロフィーですべての決着をつけマース」

8 22/03/07(月)23:34:46 No.904378378

「……本当に勝手ですねエルは」 「だってそっちの方が面白いでショウ?」 「えぇ、同感です。全身全霊を賭す価値があります」 自分の血潮が滾るのを、私は確かに感じていた。

9 <a href="mailto:S">22/03/07(月)23:35:34</a> [S] No.904378611

以上です もしかしたらどこかで見た文章かもしれませんがお気になさらず

10 22/03/07(月)23:43:57 No.904381068

いいね…

11 <a href="mailto:S">22/03/07(月)23:46:45</a> [S] No.904381912

あー慌ててコピペしたせいで文章抜けてました…しくじった・・・

12 <a href="mailto:S">22/03/07(月)23:47:03</a> [S] No.904382009

>そしてもう一人戦いたい相手がいる。ずっと近くにいたけどずっと遠かったあの子と今度こそ最高の勝負を。 「本気で勝てると思ってるんですか?」 鋭い言葉が脳内に突き刺さる。対面するウマ娘は恐ろしい剣幕で私を睨みつけていた。 「心技体、全てを賭せば必ず道は開けるはずです。だから絶対に私は走ります」 その迫力に気押されながらも私は引かずに答える。 「はっきり言います。万が一も勝てません。ジャパンカップはダメで元々のウマ娘が走るようなレースではありません」 彼女は私の言葉をばっさりと切り捨てた。 「私に代わってリベンジをしたいと言いましたね。そしてあの子とも走りたいんでしょ?」 「私を、私たちを舐めるな」

13 <a href="mailto:S">22/03/07(月)23:49:48</a> [S] No.904382761

ミスったんで一応飛ばさず読める全文貼っておきます…あー恥ずかし fu867305.txt

14 <a href="mailto:S">22/03/07(月)23:54:14</a> [S] No.904384065

もっとスポ根熱血グラスペ流行れって思って書きました 流行って!

15 22/03/08(火)00:04:37 No.904387260

スポ根いいね

16 22/03/08(火)00:09:52 No.904389122

グラスジャパンカップ回避してたの知らなかった

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