虹裏img歴史資料館

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22/03/06(日)23:31:40 先日ポ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1646577100632.jpg 22/03/06(日)23:31:40 No.904072281

先日ポケスペ純愛健全ゾロ目スレでの終盤のダイスをレブルとゴーシルの話と解釈して書かせていただきました このスレ自体はダイススレではありません 思いっきり三次創作ですのでご了承下さい あらすじ >飲む頻度 >しょっちゅう レッド ブルー ゴールド シルバー  >たまに気が向いたら クリス レッドとブルーの仲が怪しいとジョウトトリオは思い… とか言いつつ今回レブルしか出ません

1 22/03/06(日)23:31:55 No.904072365

話は3年前に遡る。 あれは確か8月の半ばの夜。 その日、ブルーは行きつけの居酒屋にいた。 客は多いというわけでも、少ないというわけでもない。 それなりの人数がいて、ブルーはカウンター席で1人で酒を飲んでいた。 こういう空気は嫌いではない。 オシャレなバーで飲むというのもいいのかもしれないが、 こういった普通の店も日常的でいい。 さまざまな人の中に自分がいると実感できる。 ちびちびとビールを飲む。 飲み始めた頃は苦くてあまり飲めなかったが、今ではそんなこともなくなっていた。 それでも一気に飲むのはまだ無理だが。 「あれ?ブルー?」 と、聞き覚えのある男の声がした。

2 22/03/06(日)23:32:23 No.904072508

単に見知らぬ男に声をかけられたなら軽く流すだけだが、知り合いなら話は別だ。 声のした方へ振り向く。 「レッド?」 「よう」 見慣れた赤い上着の帽子の男。 レッドがにこやかに手を上げていた。 「レッドもここによく来るの?」 「いや、初めてだよ。バトルの挑戦とか受けててこんな遅くまで何も食べてなかったから立ち寄ってさ。ブルーは?」 「アタシはたまに来るくらいね。最近は来る頻度高くなってきたけど」 思い返せば彼をこの店で見かけたことはない。 たまたま行き違いになっていたというわけではないらしい。

3 22/03/06(日)23:32:41 No.904072599

「ここ、座っていいか?」 「どうぞ」 自分の隣の席を使う許可を求められて、ブルーは即答した。 「別に聞くまでもないんじゃない?アタシとレッドの仲でしょ」 「一応な。1人で飲みたいのかもしれないし」 席につくと、レッドはメニューを広げた。 しばらくメニューの睨んでいたが、腕を組んでうめきだした。 何を食べようか考えているようだ。 レッドの方に身を乗り出し、メニューのある箇所を指差す。 「このだし巻き玉子美味しいわよ。こっちの串カツもよかったわ」 「そ、そうなのか?」 顔を赤くしながらレッドが言う。

4 22/03/06(日)23:33:00 No.904072702

自分が近づいてきたから照れているのだろうか。 突っ込んでからかってやりたい気持ちもある。 が、店内だしこれくらいにしておこうと思い直して身を離した。 レッドは頭をかいた後、気を取り直したように表情を整えて、 「とりあえずブルーのオススメのもの頼んでみるよ。 ブルーが言うなら間違いはないだろうしさ」 「初めて会った時みたいに騙してるかもしれないわよー?」 「たはは。今更そんなことしないだろ。 そのあたりは信頼してるよ」 不意にそう言われて、ブルーは驚いた。 そこまで自分を信頼してるとは。 かつては彼をカモにしたのにそこまで見直してくれたことにブルーは嬉しくなる。 そんな自分の内心を知ってか知らずか、レッドは呼び出しボタンを押した。

5 22/03/06(日)23:33:17 No.904072805

注文しただし巻き玉子や串カツが届き、レッドは舌鼓を打っていた。 「本当に美味いな!」 「喜んでくれたのなら何よりよ」 嬉しそうに食べる彼の姿にこちらも嬉しくなってくる。 「うん、美味い」 「…」 それと同時に自分も食欲が刺激されていく。 なので、自分もカニクリームコロッケを注文した。 「ブルーも食うのか?」 「レッドが美味しそうに食べてるの見てたらアタシまでお腹すいちゃった。 あとで分けてあげるからだし巻き玉子一個もらうわね」 「ああ、いいよ」 許可も得たので、だし巻き玉子を口にする。 美味しい。

6 22/03/06(日)23:33:40 No.904072932

「別に聞かなくても食べていいんだけどな。 全部食べられると困るけど」 「一応ね。聞かずに食べてびっくりさせるのも面白いかもしれないけど」 「それもタイミングによるかなぁ」 などと会話していると、注文していたカニクリームコロッケが届いた。 箸で切り分け、口にする。 クリームのまろやかさと衣のサクサク感が美味しい。 「あ、レッドにも」 またコロッケを切り分け、箸で掴んでレッドの口元に運ぶ。 「い、いや、それは…」 「アタシにあーんして食べさせてもらうのは不服なの?」 目に涙を浮かべ、レッドを見つめる。 うっ、とレッドが狼狽えた。

7 22/03/06(日)23:34:07 No.904073057

今度こそ完全にからかい目的でやっていることだ。 レッドは目の前のコロッケをしばらく見ていたが、やがて意を決したようにかぶりついた。 咀嚼を終えるのを待って、彼に聞いてみる。 「美味しい?」 「美味いけど、恥ずかしいいよ…」 箸の先を舐めてみせると、さらにレッドが赤くなった。 「その、間接キスなんだけど…」 「いいわよ、レッドとなら」 自分の唇を指でつつき、 「なんなら直接しちゃう?」 「いや、遠慮しとく!」 レッドは慌てて食事を再開した。 そんな彼が可愛く見えてつい笑う。

8 22/03/06(日)23:34:29 No.904073196

でも、本当にしてみたらどうなるだろう。 レッドと、キスしてみたら。 絵面を想像してみると、全く嫌悪感はなかった。 逆にちょっとしてみたいとも思ってしまった。 「酔ってるのかな、アタシ」 「え?」 つい口からでてしまったことをレッドに聞かれた。 「酔ってるからレッドにあーんとかしたのかなって」 「酔ってなくても、いつもブルーはあんな感じだと思うぞ」 誤魔化すために適当に言うと、レッドに苦笑された。 「そういえばレッドはお酒飲むの?」 話題を変えるべく、レッドに聞いてみた。

9 22/03/06(日)23:34:49 No.904073301

「結構飲むよ。ビールはまだダメだからチューハイとかだけど」 「オホホ、レッドはお酒の味もわからないお子様ねー」 珍しく、レッドがムッとした顔になった。 「そういうブルーはどうなんだよ」 子供の頃を思い出すそのリアクションに微笑ましさと自分たちが歳をとったという実感の両方が感じられた。 「アタシも実はそんなに飲めないんだけどね。 ビールもちょっと慣れてきたってくらい」 「なんだ、あんまり変わらないじゃないか」 「ちょっとは違うじゃない?その多少の違いが勝敗を分けるのはバトルでもよくあることでしょう?」 「なら、オレも慣れていかないといけないかな」 「無理しないようにね」 早速、レッドはビールを注文した。

10 22/03/06(日)23:35:12 No.904073432

注文したビールが届いた。 「せっかくだし乾杯しましょ」 「いいな、それ」 2人でビールの入ったグラスを軽くぶつける。 そして直後にビールを飲む。 「やっぱり苦いな…」 「そうね…」 同時にため息をつく。 「お酒が飲める大人になったと思ってたけど、味に慣れてないなんてアタシたちまだまだ子供ってことかしら」 「仕方ないよ。オレたちだって最初は上手くいかないこともどんどん上達したんだし」 そうね、と同意しつつまたビールを飲んだ。

11 22/03/06(日)23:36:24 No.904073855

帰り道。 ブルーはレッドに肩を貸していた。 「ほら、レッド。家についたわよ」 「んー、誰の家?」 「あなたのよ」 もう酷く酔い潰れていると判断しつつ、メタちゃんに変身してもらった鍵を使って玄関のドアを開けた。 「勝手に開けちゃったけどごめんね」 「いーよ、仕方ない」 より一層レッドがこちらにもたれかかってきた。 酒の匂いと共に、彼のがっちりとした身体が密着する。 いつもとは逆にこちらが少しどきりとする。 そうしながらも寝室にたどり着く。

12 22/03/06(日)23:36:51 No.904074011

レッドをベッドに寝かせて、 「ここでいい?」 「んー、ありがとう…」 答えると、彼は寝息を立てだした。 穏やかな寝顔。 無防備なその顔を見て、ブルーはふと先程のことを思いだした。 レッドとキスしたらどうなるだろう。 彼の唇につい目が行く。 鍛えられて筋肉のついた身体と違い、柔らかそうな唇。 そこを指でつつく。 次に自分のそれに触れる。 さほど柔らかさは変わらないように思える。 もしそれ同士が触れ合えばどうなるか。 「って、何してるんだろアタシ」 ブルーは考えをやめた。

13 22/03/06(日)23:37:28 No.904074239

レッドとはそんな関係でもないのに何を考えているのか。 だけど、口付けをしたいと思ってしまったのも事実だ。 この欲求はなんなのだろう。 レッドに対してなんの欲求があるのだろうか。 試しに、彼の頬にキスしてみた。 軽く触れるだけですぐに唇を離す。 何か言いようのない気持ちがブルーの胸を満たした。 眠ってる相手に仕掛けた悪戯。 親しい異性の友人相手への男女の行為。 背徳感や達成感だけではない何かが自分の身体に溢れかえっていく。

14 22/03/06(日)23:38:18 No.904074550

が、レッドにいけないことをしてしまったことへの後悔も後から湧いてきた。 なんてことをしてしまったのか。 自分はおかしくなってしまったのか。 おやすみとだけ呟き、ブルーは寝室を後にした。 その悪い気持ちから逃げるように。

15 22/03/06(日)23:38:35 No.904074640

翌日。 また居酒屋に行こうとする最中。 「あ」 「よう」 またレッドと会った。 「ブルーもあの店か?」 「そうね。そう言うレッドも同じみたいね」 たははと笑う彼を見て昨日のキスのことは記憶にないと分析する。 覚えてるならわかりやすい反応をするはず。 自分の知ってるレッドならそうする。 だからその日は安心してレッドと飲みに行けた。

16 22/03/06(日)23:39:20 No.904074884

が、そんな気持ちは居酒屋に着いた途端に終わった。 「あ、今日休業か…」 玄関の張り紙を見てレッドが肩を落とす。 店側のトラブルがあったのか、臨時休業と書かれていた。 仕方のないことではあるが、出鼻をくじかれた気分になる。 「じゃあ、別のところで飲むか…。ブルーは何かいいところ知ってるか?」 「ごめん、アタシもここばっかり来てるから他はあんまり知らないの」 「そっか…」 ネットで検索してみると、他の居酒屋はあまりないようだ。 レッドに見せると、 「案外居酒屋少ないんだな」 「マサラも田舎だしね。普通の飲食店でもお酒は出してくれるだろうけど」 「そっちも結構遠いな…」 どうしたものかと悩む。

17 22/03/06(日)23:39:53 No.904075078

と、思いつくことがあった。 「そうだ!レッドの家で飲まない?」 「オレの家?」 驚き、聞き返してくるレッドに頷く。 「そこならレッドがいくら飲んでも帰りに困らないでしょ? 営業時間も気にすることないし」 「…それもそうだな」 レッドの同意を得られ、沈んでいた気持ちが晴れていく。 「じゃ、買い出し行きましょう!おつまみも買わなきゃ!アタシが少しなら作ってもいいけど」 「ちょ、ちょっと待ってくれって!」 レッドの手を引いて、ブルーは早足でその場から移動した。 この後の飲み会を楽しみにしながら。

18 22/03/06(日)23:40:10 No.904075181

以上です 閲覧ありがとうございました

19 22/03/06(日)23:41:44 No.904075691

お疲れ様です 酒を飲む雰囲気が今こうして怪文書を読んでいる状態と一致しそうになります

20 22/03/06(日)23:44:42 No.904076601

またも終わらなくて次回に続きます 回想シーンだけで今回終わってしまいました

21 22/03/06(日)23:46:49 No.904077286

ゴーシルクリ出ないって前置きはそういう事なのね こっちとしては丁寧に仕上がった方が気持ちよく読めるけど

22 22/03/06(日)23:54:45 No.904079955

>ゴーシルクリ出ないって前置きはそういう事なのね >こっちとしては丁寧に仕上がった方が気持ちよく読めるけど 前置きしておかないとジョウトトリオ楽しみにしてた人がいたら期待裏切ることになるので… 頑張って完結させます

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