虹裏img歴史資料館

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22/03/04(金)23:44:25 「おお... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1646405065079.jpg 22/03/04(金)23:44:25 No.903345752

「おお、ニシノフラワーではないか!」 昼休み、規則違反にならない程度に早足で廊下を渡るフラワーに声がかけられる。 足を止め向き直ると、理事長の秋川やよいが扇子をはためかせていた。 「邁進ッ!日々精進していることは学園関係者全てが知るところ!  それでこそスカウトした甲斐があったというもの!」 突然の賞賛にフラワーは面映ゆそうに苦笑しながらも、シャンと姿勢を整え頭を下げる。 「ありがとうございます!おかげさまで充実した日々を送れています」 まさに模範生な物腰に、理事長はうんうんと頷き満足げだ。 「む、手に持ってるのは弁当箱。しかも二つとは──旺盛ッ!身体作りにも取り組んでいるとは!」 「あっ……!これは違います」 フラワーは慌てて首を振る。 「ひとつはトレーナーさんの分です」 「ほう!?自身の担当トレーナーに!」 「はい。最近お疲れのようですから、精のつくものをと♪」

1 22/03/04(金)23:44:39 No.903345806

「ハッハッハ!親密ッ!いい担当を見つけたわけだ!!」 「それはもう……。トレーナーさんは素敵な人です」 フラワーの頬にポッと赤みが差す。 「わたしのことを、一人前の女性として見てくれますし──……」 コスメやネイルに興味を持っていることに、背伸びだと笑ったりしない。 そればかりか自分でも勉強して、一緒に雑誌を見てあれこれ意見をしてくれて。

2 22/03/04(金)23:44:52 No.903345882

「血を流して痛がってる時も、優しくするからって頭を撫でてくれて──……」 派手に転んで膝をザックリやってしまった後の保健室。 消毒液を染み込ませた脱脂綿で傷口を拭う、繊細で慈しみのある動き。 痛いの痛いの、飛んでいけ。幼稚園の頃、お母さんが歌いながらしてくれたように。 おかげでほとんど沁みたりはせず、むしろ胸が温かくなった。

3 22/03/04(金)23:45:06 No.903345944

「大人な部分を、しっかりと見せつけてきて──……」 親戚のお兄さんのようで、歳の離れたお友達のようで── そんな距離感の近さがあるのに、紛れもなく自分を導いてくれる大人の人。 それは、ついこの前まで小学校に通っていたフラワーには不思議な感覚を抱かせた。 お父さん。お母さん。先生。 みんなそれぞれの役割についていて、自分の中できちんと存在を整理できていた。 けど、トレーナーさんは違う。時には遠く。時には誰よりも近く。 いくつもの顔を見せてくれる、捉えきれないミステリアスな人。

4 22/03/04(金)23:45:22 No.903346022

「──とっても大きくて、わたしの中に納まりきらないんです」 ほうっ……、とフラワーは瞳を潤ませ熱い吐息を洩らす。 トレーナーが理事長室に呼び出されたのは言うまでもない。

5 <a href="mailto:s">22/03/04(金)23:45:41</a> [s] No.903346107

おしまい。健全な関係です。

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