虹裏img歴史資料館

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22/03/04(金)22:46:18 私は彼... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1646401578462.png 22/03/04(金)22:46:18 No.903324037

私は彼女が好きだった。現役の頃からずっと。 それは愛の名を持つ私の、いわば初恋だった。 頻繁に同じレースに出ていたわけでもない。それならピサの方が彼女と因縁が強いだろう。 一緒にフランスへ行ったわけでもない。そもそもあの時私と一緒だったのはフェスタ先輩だ。 ともかく、一族の悲願を背負い、ひたむきに頑張っている。そんな彼女が私は大好きだった。

1 22/03/04(金)22:46:30 No.903324111

レースを引退した後、私たちはしばらく縁がなかった。数年経って、彼女が引退したウマ娘たちを集め牧場をやっていることを知った。私にとって、その話に乗らない手はなかった。 「ダムール!久しぶり!」 短くない空白を経て再び出会った彼女は、現役の時と何一つ変わることのない美しさだった。それから私にとって、毎日夢のような時間が過ぎていった。 問題があるとすれば、子供の頃から口下手で、一人でいることの多かった私が、彼女に思いを打ち明けることができなかったというぐらいだろう。 一年が経ち、私は引退したウマ娘向けの研修に行くことになった。再びローズと離れるのは寂しかったが、研修を修了すればまた逢える。その事実が私の原動力になった。

2 22/03/04(金)22:46:40 No.903324182

「君がダムール君か。よろしく。」 「お…おかえり…ダムール…」 研修を終えて帰ってきた私の目の前に現れたのは、私が知っているより幾分かだらしない…平たく言えば、えっちな体になったローズ。そして、タニノギムレットだった。 話を聞けば、私がいない間に随分と親密な…おそらく”そういう”仲にまでなったようだ。 思いを明かしていない私がどうこう言えることではない。私が先に好きだった。なんて言っても哀れで滑稽なだけだ。しかし、その時ばかりは、私の愛の名を恨めしくも思った。

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