虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    22/03/02(水)04:03:17 No.902508287

    [不定期] 関係ねぇ、きりたんを産卵させてパンケーキを作りてぇ [成分] ・ゆかきり ・コッショリ ・淫紋

    1 22/03/02(水)04:03:42 No.902508311

    頭の中の情報がごちゃごちゃしている時は、夢を見れない。 ただ気がつけば朝になっていて、目を開けるとレンガの隙間から溢れた明かりが目を突く。 冬はそうして顔が冷えているから、先ずは顔を両手で拭うように温める。 春や夏は湿気ているから、先ずは額に浮いた汗を手で拭った。 そうして、朝であることを思い出して、ぼんやりと日差しの先を眺める。 お母さんがいる間は他人の温もりに安堵していたが、居なくなると最初は寂しさで目を拭ったものだ。 だが、慣れるまでにそう時間は掛からなかった。 案外どうともなるものだ、と思いながら起き上がって空を見上げる。 ……壁の向こうは、いつもの通り晴れていた。 村は案外に広い、そして私達親子の片割れの死などあっという間に歯牙に掛けなくなっていく。 漫然と続くような日々を抜けた先で、私はまた今日も目を覚ます。 部屋の中は真っ暗で、天井には月のほのかな明かりが溢れている。 ……奇妙な感覚だ。

    2 22/03/02(水)04:03:53 No.902508325

    起きたときは、何時もは太陽が西日を登っている頃なのに、まだ頭上には月が輝いている。 そうして少し寝ぼけた頭で起き上がろうとして、寒さも熱さも感じないことに気がつく。 暫く混乱したが、昨日のことを思い出してようやく落ち着きを取り戻した。 「……はぁ……」 アンニュイな気持ちが湧き上がって来ていた。 また昔の事を思い出していたからか、それとも現状に対する気持ちか。 兎に角、起き上がったからには何かをしなければいけない。 そう思いながら、部屋の明かりをつける。 天井に投影されていた精巧な月は、雲間に隠れた後ゆっくりと日光の光に置き換わった。 ……太陽が直接映らないのは、直接見上げるには明るすぎるからだろうか。 そんな事をぼんやりと思いながら、部屋に脱ぎ捨てた衣服をまた着直す。

    3 22/03/02(水)04:04:05 No.902508335

    ふと、自分の衣服とベッドの布地の質を比べてみる。 ……流石に、上等とは言わないが悪くないと思っていた衣服だったのだが、こうして比較すると幾分見劣りするものだ。 捨てる気はない、だが何だか悔しさを覚える。 ……仕方がないことだ、そう自分に言い聞かせながら私は部屋を出た。 目の前の階段を下って、不意に昨日のリビングが何処にあるのかとぼんやり考える。 確か幾つかドアを抜けたと思うが、どちらだったか。 そう思いながら近くのドアを開くと、雫が椅子に座って本を読んでいた。 その表情には静謐さが漂っており、目を瞑っていたらビスクドールかなにかと間違えていたかもしれない。 「……おや、起きましたか」 彼女はそう言って、手に持っていた茶色い花のような文様の描かれた本から目を上げてこちらを見る。 その表情には昨日のような少々勝ち気な様子は無く、静かな雰囲気を纏わせていた。

    4 22/03/02(水)04:04:16 No.902508346

    「……こちらではありませんでしたか」 私がそう言って部屋を出ようとすると、彼女は手に持っていた本を近くの棚に置いてから立ち上がった。 ……その雰囲気だけなら、敬虔なシスターもかくやとなるものだ。 そうして静かにこちらに近寄ってくると、不意に彼女がにへらと笑って見せる。 「案内しましょうか?」 「はぁ……」 そう言ってこちらを見る少女は、私より身長が高いことに気がつく。 ……いや、昨日からずっと身長は変わらなかった筈だが、どうして気が付かなかったのだろう? そんな事を思いながら彼女を見上げていると、少女は目を細めながらこちらを見下した。

    5 22/03/02(水)04:04:33 No.902508370

    「……ああ、すみませんね、本を読んでいる時は感情が余りでないものですから」 「……死んだのかと思いましたよ」 そう言って皮肉を返してやると、彼女はくすりと笑みを浮かべてから私の手を掴んで歩き出す。 彼女の手のひらが、思っていたよりも温かい。 ……生きては居る、ただ先程見ていた少女はまるで人形のようで人の気配を感じなかった。 ここに生きている人は、どうしてこうも奇妙に感じるのだろうか。 そんな事を思いながら、彼女に連れられて廊下を歩いた。 そうして幾つかのドアを通る。 途中の飾り物や、通路にあるものは精巧に作られていた。 原色の絵の具で塗られた四角と、黒い淵の絵。

    6 22/03/02(水)04:04:44 No.902508383

    何かの動物のように見える、奇妙な石の像。 そして、明るく廊下を照らす花のガラス。 ただ、私の知識不足のせいだろうそれが何なのかは分からない。 意味があるのかもしれないし、ただ乱雑に置いてある可能性もある。 そうして次のドアを潜ると、机の前で手を組んでいる女が目に映った。 表情は憂鬱げで、ドアを開ける音に気がついた様子はない。 ただ先程の像と違うことは、紫色の髪をしていて呼吸をしていること。 「ゆかり」 そう言って少女が呼びかけると、名前の主は少し体をピクリと震わせてこちらを見上げる。 ……その瞳は暗く、酷く疲れているように見えた。 昨日の気配はどうしたのか、そんな事を思っていると彼女はこちらに気がついたのか、また貼り付けたような笑みへと戻っていく。

    7 22/03/02(水)04:04:54 No.902508396

    「ああ……起きられたのですね」 そう言いながら、彼女はゆっくりと机から立ち上がる。 私が見ていない時は、何時もそうなのだろうか? そんな事を思いながら、ぼんやりと声の方を見つめる。 「……昨日は良く眠れましたか?」 そう言ってこちらを見る彼女は、昨日と変わらない笑みを浮かべている。 それが先程との落差を感じさせて、より違和感を覚えた。 奇妙、というよりは何だか不気味だ。 ゆかりだけではなく、雫も。

    8 22/03/02(水)04:05:05 No.902508410

    「……そうですね」 「ええ……それは良かった」 そう言いながら彼女の笑みが少し和らいだ気がする。 ……思っていたよりも、彼女は表情に出やすい性格なのだろうか? そんな事を思っていると、ゆかりが椅子から離れる。 「それでは、朝食を作りますから……その間に雫から朝の支度をどうすればいいのか、聞いていただけると助かります」 「あ、はい」 そう言って彼女は部屋から出ていった。 ……何だか駆け足気味だったような気がする。 そんな事を思っていると、少女がこちらを見つめている事に気がついた。

    9 22/03/02(水)04:05:15 No.902508419

    「気になる?」 「……何が、ですか」 そう言ってわざとらしく主語を欠いて話しかける彼女は、すっかり昨日の調子を取り戻したようだ。 だが、その主語が何を指しているのかは私自身、何となく分かっている。 「何って……ゆかりのことだけど」 「……知ってますよ」 少し呆れたような表情をして、彼女に言葉を返す。 少女は少しだけ目を細めながら、口を動かした。 「……不安なだけだよ」 「……その……何がですか?」 「言わなくても分かるでしょ?」

    10 22/03/02(水)04:05:27 No.902508436

    そう言って、彼女はまた私の手を引いて歩き出す。 ……全く、何もかも説明不足でしょうに。 そんな事を思いながら、彼女の手に引かれて道を進む。 「好かれたい、けど全てを知られていない状況で好かれるのは、彼女自身人形遊びと変わらないって分かってる」 「……はぁ」 そう言って歩きながら口を開く少女は、見た目とは裏腹に饒舌に語りかけている。 落ち着いて静かにしていれば、ただの読書好きにしか見えないだろうに。 「……まあ、そういう所は好感に値するんじゃないですか」 「けどね、だからこそは自分を騙すのが一番苦手なの」 「そんなもんですかね」

    11 22/03/02(水)04:06:50 No.902508527

    今日はここまで fu851553.txt もう3月だぞ

    12 22/03/02(水)05:23:40 No.902512791

    いい…

    13 22/03/02(水)06:10:50 No.902514746

    絆されろ!優しさに漬け込まれろ!って気持ちときりたんもゆかりさんも幸せになってほしい気持ち

    14 22/03/02(水)07:26:33 No.902519968

    きっと幸せに産卵してくれるさ…

    15 22/03/02(水)08:17:36 No.902526251

    冷静に考えたらいつものきりたんの服はたしかにおかしいわな まぁ可愛ければいいかぁ!