虹裏img歴史資料館

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。新しいログはこちらにあります

22/03/01(火)23:47:40 「クリ... のスレッド詳細

削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。

画像ファイル名:1646146060502.jpg 22/03/01(火)23:47:40 No.902464275

「クリスエスくん、どうしたプイ?さっきから様子がおかしいプイ」 「ああ…プイちゃん…ボクのことなんかほっといてくれ…」 ある休日の夜。寮の自室に戻ると、同室のシンボリクリスエスが明らかに落ち込んでいた。 夕食を済ませて部屋に戻っても同じ姿勢でベッドに腰かけたまま、さらに入浴を終えても同じ様子。明らかに普通ではない。 「話してみるだけ話してほしいプイ。そうすれば気持ちが楽になるかもしれないプイ」 「…そうだね。じゃあ、聞いてもらおうかな」 そう言って、彼女は少しずつ事情を話し始めた。

1 22/03/01(火)23:48:12 No.902464412

今日、クリスエスはトレーニング用のシューズを見るために出かけていた。 目当ての店に向かう途中、彼女は街中で見覚えのある2つの後姿が並んで歩いているのを見かけた。 それは私の同期でもあるシーザリオと、変則2冠という偉業を成し遂げたキングカメハメハだった。 はっきりいってあまり交友関係が広いとは言えないシーザリオが誰かと二人で歩いているのを不思議に思ったクリスエスは、後をつけてこっそり様子を見ていたそうだ。 二人は一緒に映画館に入り、食事をして、服やスポーツ用品を見て回り… 「そう、二人はデートしていたんだ!」

2 22/03/01(火)23:49:02 No.902464655

はっきり言ってドン引きである。どれほど長い間つけまわっていたのだろうか。 彼女がシーザリオを想う気持ちと、奥手なのはなんとなく知っていたが、そんなことまでしなくても… とにかく、今は彼女をフォローする。 「でもカメハメハ先輩は誰にでもちょっかいかけるって聞いたプイ。シーザリオも嫌々付き合ってただけなんじゃないプイ?」 「確かにそのつもりだったのかもしれない…でもボクにはわかる。シーザリオは普段ボクといる時よりも明らかに楽しそうな顔をしていた!」

3 22/03/01(火)23:49:33 No.902464833

「…多分いつもと変わんないプイ」 私には目に浮かぶようにイメージできる。 シーザリオの前で緊張して固まって何も話せないクリスエスくん、そしてペラペラと話し続けるカメハメハ先輩。 さらにそのどちらの前でも、全く表情を崩さず、真顔でそっけない態度をとり続けるシーザリオの姿が。 「しかもカメハメハがザリオと手を繋ごうとしても、腰に手を回しても嫌がったりしてなかった!」 「めんどくさがってされるがままになってただけだと思うプイ」

4 22/03/01(火)23:50:04 No.902465005

その後も色々と話し続けるクリスエスだったが、聞いた限りはやはりしつこく誘ってくるカメハメハに一度付き合ってやっただけ、というように思えた。 長話に飽きた私は、そんなに気になるなら今度シーザリオを誘って同じように出かけてみればいい、と突き放し、床に就いた。 はっきり言ってそういう話題は全く分からない。これ以上は彼女の同級生にでも任せよう。 ほとんど話したこともないシーザリオのことは良く知らないし、キングカメハメハについても走りに興味はあっても、交友関係なんかどうでもいいと思っていたし。

5 22/03/01(火)23:50:35 No.902465186

~~~~~~~~~~~~~~~~ 次の日、私はトレーニングコースに向かっていた。 さっきデュランダルに聞いたところによると、オルフェちゃんがさきにトレーニングに向かったらしい。 昨晩長話を聞いて体が強張っていたところだ。今日はとことん併走に付き合ってもらおう。 そう思ってコースに向かうと、オルフェちゃんが走っているのを見つけた。どうやらすでに誰かと併走しているようだ。 その相手は、昨日さんざん話に出た褐色のウマ娘、キングカメハメハだった。

6 22/03/01(火)23:51:21 No.902465391

「ふー…カメハ先輩、今日は付き合ってもらってありがとうございますッス!」 「いいんだよオルフェちゃん。それにしても、三冠馬のオルフェちゃんは私と一緒に走って物足りなくないのかい?」 「そんなことないッスよ!ウチ、カメハ先輩のことずっと尊敬してたんス!いつか一緒に走らせてもらいたいって思ってて…」 「ふふ、ありがとう。キミにそこまで行ってもらえるなんて嬉しいな」

7 22/03/01(火)23:51:51 No.902465542

そう言ってカメハメハは、オルフェちゃんの頭をそっと撫でる。 オルフェちゃんから併走に誘った?私もほとんど誘われたことないのに。 尊敬?そんなことは一度も言われたことがない。

8 22/03/01(火)23:52:23 No.902465692

「ウチの髪そんなに触らないで欲しいッス…くせ毛でボサボサで恥ずかしいッス」 「どうして?かわいい髪だと思うよ。癖があるのは私も一緒だし」 「か、かわいい…?いやでも、カメハ先輩とは全然違うじゃないッスか!きれいにセットしてあるし、ウェーブもかかってるし、ウチはそういうの全然…」 「私みたいな髪に興味があるの?…そうだ!今度オルフェちゃんも同じ風にセットしてみない?髪にウェーブかけてみたりしてさ」 「え、ウチが…先輩みたいに?」 「そうそう!お揃いにしようよ!もっとかわいくなれるよ!」

9 22/03/01(火)23:52:51 No.902465810

そう言いながらカメハメハは、私の大好きなふわふわの栗毛を撫でる。 オルフェちゃんとあの女がお揃い?私を放っておいて?

10 22/03/01(火)23:53:22 No.902465957

「へへ…いいかもしれないッスね!先輩!また走りたくなってきたんでもう一周付き合ってもらっていいッスか?」 「もちろん!何度だって付き合うよ。かわいい後輩のためだからね」

11 22/03/01(火)23:53:55 No.902466097

それを聞いたオルフェちゃんは、照れ臭そうに笑っている。 オルフェちゃんがあの女と走ろうとしている。私を置いて。 行かないで。取らないで。イヤだ、イヤだ、イヤだ。 どうすれば取り返せる? …そうだ。

12 22/03/01(火)23:54:25 No.902466231

「オルフェちゃん!」 私はオルフェちゃんに声をかけた。 ピンと耳を動かし、こちらを向いたオルフェちゃんとカメハメハは、少し驚いたような、怯えたような顔をする。 やめて。そいつと同じ表情をしないで。

13 22/03/01(火)23:54:57 No.902466377

「私も一緒に併走させてもらってもいいかな?」 そいつより私の走りがスゴイって分かれば、もう興味なんかなくなるよね?

14 22/03/01(火)23:55:55 No.902466673

不器用すぎる…

15 22/03/01(火)23:56:16 No.902466771

モテないんだよだから

16 <a href="mailto:s">22/03/01(火)23:56:18</a> [s] No.902466783

舎弟は原作ではどっちかというとキンカメにちょっかい出してたみたいなので書いてみました なんか過激なのも増えてるしちょっとディープなプイ先輩もいいよね?

↑Top