虹裏img歴史資料館

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22/02/27(日)21:58:07 ポケモ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1645966687327.png 22/02/27(日)21:58:07 No.901820512

ポケモンダイレクトに向けてコウヒカにコウマズを目に焼きつけましょう 前回と前々回 https://docs.google.com/document/d/1Ksyw02LdYOFjhIg5edNKUN2ue0LxnXq2CDSvYfJloeU/edit?usp=drivesdk https://docs.google.com/document/d/18PiQbyuzuS0tJqICYmGGVOxBSFCQOgG1ItGP19LR6JI/edit?usp=drivesdk

1 22/02/27(日)21:58:45 No.901820793

「……そんな顔してどうしたの~?」 マーズの余りにもおちょくるような口ぶりに、コウキは激怒しかけた。 「……やっぱり付き合うんじゃなかった。」  オープンカフェの店先で二人が話し込んでいるが、コウキのみ立ち上がって帰路につこうとした。 「……。」 マーズは去る姿を見ているだけだった。

2 22/02/27(日)21:58:58 No.901820883

また後日。 ジュンはコウキと世間話をしていた。 「ところでさー!」 ジュンが大っぴらに口を開いたところで、コウキは背中にじっとりとした汗をかいた気分になった。 「お前もしかして……ヒカリの事が好きなのかー!?」 これが噂に聞く恋バナかとコウキは心の中で頭を抱えた。 「お前最近付き合いが悪いだろ?」 「ヒカリも最近お前と一緒の場所にいないだろ?」 「言えよー!お前のアタックでヒカリがメロメロなんだろー!」 微妙にこれまでの出来事に合致しているジュンの推理にコウキは苛立ちを隠せなかった。 「言え……フゴっ!」 口をコウキの手で覆われたジュンは振り払おうと腕を振り回し始めた。 「……もう口を出さないで……」 らしくもなく眼力でジュンを完全に黙らせたコウキは家に帰っていった。

3 22/02/27(日)21:59:10 No.901820969

コウキは自室でヒカリとマーズに言われた言葉を反芻していた。 ヒカリが旅立ちの際に母親に挨拶を言い忘れた事、ポケモンをマーズに取られた事、ヒカリの殿堂入りのニュース…… これまでの風景も頭の中を回り始めた。 マーズとの再開、ヒカリが去る後姿…… 更に浮かんできたところでマーズに言われたある言葉が一時期忘れられなかったのを思い出した。

4 22/02/27(日)21:59:31 No.901821118

マーズとの再開からヒカリに関係がバレるまでのちょうど中間の時期の事だった。 「おはよー!」 出くわして即コウキの帽子が取り除かれた。 「……髪伸びた?」 伸びてしまった髪をポニーテールにして帽子の中に収めていた為確認出来なかったのだ。 「床屋さんも美容院も近くになくてさ。」 「じゃああたしが切ってあげる!」 「え」 こうしてマーズの潜伏先である森の洋館にて即興での散髪が始まった。 道具はいかにも床屋にありそうな普通の鋏に櫛だったが、見事な手付きであっという間に元通りの短髪に切り揃えられた。 「…………」 切られた髪を片付ける中、コウキはどうしてこれほどの腕前を持つ女がギンガ団に甘んじていたのかが気になっていた。 ヒカリやジュンのように、自分の特技を活かせる環境にいればいいのに。とも思っていた。 「そんな事気にしてるの?」

5 22/02/27(日)21:59:50 No.901821259

つい口に出してしまったようで、マーズから返答が来た。 「昔は色気出して真面目に美容師目指してたけど、考えた髪型は奇をてらい過ぎとか言われるし、先生の上から目線もウザいし。」  マーズは目線をゴミ箱からコウキに変えた。 「思い切って学校辞めたらこれが大成功!アカギ様に拾って貰えたのよ!」 目を輝せながら話が続いていく。 「……で!今こそこんなボロい屋敷に身を潜めてるけど、昔は新世界の為に色々頑張ってたんだから!」 粗方話したい事を消化出来たのを見計らって、コウキは口を開いた。 「……やり直したらどうだ。」 「へ?」 「夢を叶えるの、普通の女の子に戻るんだろ?」 「……あなたが一緒にいるならそれもいいかもね。」 「アカギ様が戻ってくるまで暇だし。」

6 22/02/27(日)22:00:03 No.901821347

その後の会話はいまいち覚えていないが、その一環でアイデアを描いておくノートと一緒に発せられた 「なかなか理解されないのよね。」 「あなたもわかってくれないでしょ? ちょっと 悲しいけどね……」 という言葉は、今でもコウキの胸に刻まれている。 「もしかして……俺にシンパシーでも感じてたのか……?」 あれだけ自分に突っかかってきた真意を、コウキは知った気がした。 一人だと寂しい。 ジュンの事も突っぱねてしまった自分こそ、マーズにお似合いでは無いのかと思い始めていたコウキだった。

7 22/02/27(日)22:00:19 No.901821473

「一人だと寂しい。」 一方、ヒカリも自室で自分に対しての禅問答を行っていた。 「サターンさんは……」 ちょうど彼女が思い返したのはマーズの元同僚のサターンだった。 チャンピオン就任後のスポンサーへの挨拶回りをしていた所、アカギ亡き後ギンガ団を健全なエネルギー研究機関として再建させた彼と話をしたことがあったのだが、その帰り際に覗いた社屋では、幹部用と思われる机が三つ並んでいた。 彼なりに帰る場所を用意しているのかと思っているヒカリだった。 「ジュンは……」 幼馴染みにしてコウキとも仲のいいジュンは、いつも平常運転だが、コウキに突っぱねられた件を愚痴った時もいつもと変わらぬ調子だった。 やはり彼なりの帰る場所を用意しているのだろうとヒカリは思った。 「私も……」

8 22/02/27(日)22:00:50 No.901821690

次の日の朝、二人共お互いを訪ねようと思っていた。 その思いは通じたのか、自然と足はハクタイの森へと進んでいた。 最深部まで来たところで並走していた二人はとうとう足を止め、口を開いた。 「コウキくん、私……」 「……ヒカリ!」 声を大きくしてコウキは発声した。 「……俺、お前と一緒に居たいんだ……」 「お前と一緒じゃないと……」 「……時間が……空間が……」 「私」 コウキが言葉に詰まったところでヒカリも発声した。 「コウキくんが好き。」

9 22/02/27(日)22:01:09 No.901821789

「優しくて、何にでも一生懸命で、強くて……」 食いしばって涙を堪えながら続けた。 「そんなコウキくんが好きだから一緒に居たいって思うの。」 「だから、だから」 コウキは自身の肩を掴むヒカリの手を動かし、胸元辺りで自分の手で覆った。 『……一緒に帰ろう。』 「あら、いい返答じゃない。」 近くの木によじ登って監視していたマーズは微笑んだ。 アカギと離れ離れになってしまった自分を重ねたのだろう。

10 22/02/27(日)22:01:25 No.901821910

「……よろしくお願いします。」 「まさかあなたがここまで行けるなんてね。」 「苦労したんですよ、五年くらい。」 「ま、昔なら十五だととっくに働いてるらしいしベストなタイミングじゃない。」 「それでもだいぶ若いって思われてたり……」 「ま、幸せは自分から掴まないとね!」 「……マーズさんは私の事どう思ってるんですか?」 「何?」 「だって、コウキくん、あなたと一緒に居たとき、満更でもない笑顔で……」 「でもあたし結局アカギ様見つけるのにシフトしたしー。」 「夢にも清算付けたしー。」 「はいっ!髪結い終わり!」 「……綺麗!」 「行っておいで、せっかくの晴れの日よ?」 「はいっ!」

11 22/02/27(日)22:01:45 No.901822054

「コウキくん。」 「……強くて、美しい。」 「…………」 ー では、誓いのキスを ー

12 <a href="mailto:s">22/02/27(日)22:02:02</a> [s] No.901822164

以上となります 駄文にお付き合いいただきありがとうございました

13 <a href="mailto:s">22/02/27(日)22:06:31</a> [s] No.901823891

すみませんこっちが >https://docs.google.com/document/d/1Ksyw02LdYOFjhIg5edNKUN2ue0LxnXq2CDSvYfJloeU/edit?usp=drivesdk 前々回で >https://docs.google.com/document/d/18PiQbyuzuS0tJqICYmGGVOxBSFCQOgG1ItGP19LR6JI/edit?usp=drivesdk こっちが前回でした…

14 22/02/27(日)22:15:10 No.901827265

やっぱマーズの先祖はヒナツの路線か あの見た目で他人のそら似だったら暴動が起きそうだけど

15 22/02/27(日)22:15:34 No.901827420

>近くの木によじ登って監視していたマーズ ここでダメだった けどお前そういうやつだよな…

16 22/02/27(日)22:22:53 No.901830271

幹部は色々知ってただろうし本気でアカギの作る新世界望むような過去があるんだろうな

17 22/02/27(日)22:24:46 No.901831052

>幹部は色々知ってただろうし本気でアカギの作る新世界望むような過去があるんだろうな でも何も知らない人に掻い摘んで知ってる人全容知ってる人も全員アカギのカリスマでついてきててほしくはある

18 22/02/27(日)22:31:39 No.901833870

アカギ様はあれで他人を先導することにかけてはピカイチだぞ プラチナの下っ端たちへの演説とか マーズなんてその代表例だと思ってる

19 <a href="mailto:s">22/02/27(日)22:34:11</a> [s] No.901834869

>アカギ様はあれで他人を先導することにかけてはピカイチだぞ >プラチナの下っ端たちへの演説とか >マーズなんてその代表例だと思ってる ハンサムもあれで27とか信じられんとか言ってる辺りかなりの物ですよね それで今回も後書き代わりに聞きたいんですけどテルショウの方で何かこうなって欲しい展開とかありますか?

20 22/02/27(日)22:39:38 No.901836957

>幹部は色々知ってただろうし本気でアカギの作る新世界望むような過去があるんだろうな fu845115.jpg マンガのオリキャラだけど明らかに孤児とか浮浪児っぽかった身罪ちゃん アニメじゃ「この世界はいらないの!」って即答したり悲鳴上げながらアカギと心中しようとしてたマーズに ポケスペだと解散宣言に対して「最後までBOSSとして責任を取れ!!」「ギンガ団がなくなったらどうやって生きていけばいいのか、わからない!!」とまで言ったジュピター 辺りはたぶん悲しき過去…って感じだけど表の顔維持に奔走できるくらい社会性あるっぽいサターンは何なんだろうね…

21 22/02/27(日)22:39:47 No.901837019

そもそも胡散臭い組織のはずなのに都会にあんなデカいビルと地下研究所持ってテレビCMやってる時点でアカギの能力やばいよ…

22 <a href="mailto:s">22/02/27(日)22:52:06</a> [s] No.901841749

次回はテルショウの方にしようと思ってるんですけど23時と24時だとどっちが見やすいのか聞きたい… 個人的には一番imgが活発化しそうな24時

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