22/02/26(土)16:00:24 [不定期... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1645858824205.jpg 22/02/26(土)16:00:24 No.901318424
[不定期] 関係ねぇ、きりたんを産卵させてパンケーキを作りてぇ [成分] ・ゆかきり ・コッショリ ・淫紋
1 22/02/26(土)16:00:41 No.901318485
結月ゆかりと名乗った彼女は、私の手を引いて部屋の奥へ奥へと進んでいきます。 部屋の中は大きさの割に、とても丁寧な作りをしていて混乱を誘いました。 普段見る家とは違って壁にレンガの継ぎ目は無く、木材はどれも丁寧に漆塗りをしていて肌に刺さることはありません。 こういった上等な家を持っているのは、街では貴族や宗教に関わる人間のみだけ。 それにそういった家はとても上等な資材をふんだんに使って、無駄に広く作られるものです。 ですがこの家はどうしてだか、廊下の広さは人が二人分並べる程度しか無く、天井も椅子に乗れば届く程度しかありません。 偉いのか、それとも偉いわけではないのか、それともそこそこお金のある商人の家なのでしょうか。 ですがそれはそれとして、あんな作りの壁は見たことはありません。 家の壁とはレンガを組み上げて作るもの、あんな一枚岩を剥がしたような壁など見たことがありません。 あるとすれは同じ大きさの岩を切り出すくらいでしょうか。 何から何まで全てが奇妙な家の中、見たことが有るとすれば廊下に輝く薄い板に包まれたロウソクのようなものくらい。
2 22/02/26(土)16:01:03 No.901318593
……ですがロウソクにしては揺らぎがなく、しかも廊下を隅々まで明るく照らすのです。 お陰で足の踏み場に困ることはありませんが、それもまた不思議でした。 そんな妙な家ですが居心地は悪くないだろうな、と思いました。 普段の家とは違って足元に湿り気を帯びた寒さは漂っていませんし、踏んで歩く柔らかな毛皮は心地の良い感触を返しています。 何より、何処を踏んでも木の軋む音がしないのが素晴らしい。 ……ですが、気分はいつまでも浮いついてはくれません。 私は腰に下げている得物の頼り無さを感じながら、少女の後をゆっくりと進んでいきます。 「それじゃあ、まずはお姉ちゃんに挨拶しよっか」 「……はぁ……」 暫し家の様子を眺めていると、少女はそう言って私の方を振り返ってまた笑みを零しました。 彼女の姉という初耳の言葉に気を取られた私は、彼女の正体を探ることも諦めて生返事を返してしまいます。
3 22/02/26(土)16:01:14 No.901318641
……一体、この人は何者なんだろう。 私の名前を先手を打つように把握していたり、私の両親の事を知っていたり。 まるで私がここに来ることが決まっていたかのような振る舞いをする少女に、私はしばしば戸惑います。 それとも、彼女は本当は村の偉い人物なのでしょうか? ……いや、ですがそうであったとして、一介の村人である私をどうしようというのか。 それに私を浚ったり殺したりしたいならば、こんな回りくどい事をしないでしょう。 そんな事をつらつらと考えていると、少女が一枚の木彫りのドアを押して開きました。 ドアが開くと、部屋の中からはほのかに甘い匂いが漂ってきます。 爽やかで鼻に付かない程度の甘い匂いに目を細めると、部屋の中に椅子に腰掛けた女性が私の方を見てにこりと笑みを零しました。 「ああ、おかえりなさい」 「きりたんを連れて来たよ」 「ええ、お疲れさまです雫」 「はぁい」
4 22/02/26(土)16:01:25 No.901318690
そう言って少女は私から手を離して、姉と呼んでいたであろう人の元に駆け寄って行きます。 そうして私は暫し、少女とそっくりな顔立ちの女性が駆け寄った雫の頭を撫でているのを眺めていました。 ……何なんだ? そんな事をぼんやりと思いながら、姉と呼ばれた人が立ち上がるのを見届けます。 似たような表情が2つもあって混乱する。 ……推測するならばこの人が結月ゆかりと普段、雫と呼ばれた少女が呼んでいる人でしょう。 「いらっしゃい、きりたんさん」 「……貴女は一体何者ですか?」 私は我慢しきれずに、そう言って彼女に問いかけました。 その問いに対して彼女は、暫し私を見つめた後満足気に頷きます。 「……まあ、色々と長くなる話だから、暫くここで過ごしてゆっくり話をしたいな」
5 22/02/26(土)16:01:36 No.901318733
そう言いながら彼女は、椅子から立ち上がってこちらにゆっくりと近寄ってきます。 何なんだ……。 そう思ってこちらに歩いてくる彼女を眺めていましたが、特に何かをするわけでもなくさっと手を差し出しました。 そうしてこちらを見つめながら笑みを浮かべている彼女の顔を見ていると、彼女はゆっくりと口を動かします。 「挨拶って、大事でしょ」 「……は、はぁ……」 そうして彼女の作り出すペースに流されるまま、自分の手で彼女の差し出した手を握りました。 隣で私のことをニコニコと見つめている少女と同じく、暖かく柔らかな手のひら。 ……それで、これが何だというのか。 もしかしたら……私は自分から大蛇の口の中に飛び込んでしまったのかもしれない。 そんな気持ちを浮かべながら、手を差し出した女性の表情を眺めます。
6 22/02/26(土)16:01:48 No.901318793
「改めて、結月ゆかりと申します」 「は、はぁ……東北きりたんです」 私はそう言って返して、彼女の手の引くまま近くにある椅子に座らされました。 木彫りに見える椅子の上には、クッションが敷かれておりお尻をふわふわとした感触が包みます。 ……どうにも、違和感を覚える。 何だか色々な事がちぐはぐなような気がしつつも、私は椅子を引いて私の対面に腰掛けた女性と、隣の部屋から椅子を取ってきて私の隣に腰掛けた少女を見比べました。 そうして見たとしても、顔の似通ったただの綺麗な姉妹にしか見えない二人。 だが名前は同じく結月ゆかりと言って、背丈の小さなほうが雫と名乗っている。 私のことを知っていることもそうだが、彼女たちの関係もまた分からない。 ……姉だと雫は言っていたが、本当にそうなのだろうか? 「まずは……何からお話をしましょうか」 「……まずは何故私の名前を知っているのか、教えて下さい」
7 22/02/26(土)16:02:08 No.901318877
そう言って口を開いた女性は、私の顔を見ながら何処かとぼけたような様子で口を開きます。 ……何だか調子が狂う。 これも偽装なのか? そんな事を思いつつ、腰に掛けた鉈の重さを確認しつつ彼女に言葉を返しました。 そんな私に彼女は少しだけ笑みを漏らしながら、私の顔を見つめます。 「ええ、ええ、よく存じています……というよりも、貴女の母親の事もよく知っているのです」 「えっ、お母様のことをですか」 「……あ、いえ……正しくは生みの親の方ですが……」 「……はぁ……」 思わずそんな声を漏らしてしまいました。 育ての親だと主張する母のことは知らずに、私の母親のことは知っているという。 一体何のことだか。 私の母親はあの日確かに、火葬されたあの人一人だけだ。 それ以外にどうして母親などがいようものか。
8 22/02/26(土)16:02:22 No.901318943
「まずは幾つかの他の疑問に答える必要がありますね……えぇっと、貴女の母親……生みの親の方ですよ?」 「……そんな人は、私は先に火葬された母しか知りませんが」 「まあまあ、貴女の生みの親は私と恋仲にありました」 「……はぁ……?」 一体何を言い出すのかと思えば、女同士で恋人? こいつは一体何を言っているんだ? だが、そんな私の様子など気にもとめずに、彼女はゆっくりと語り口を広げていきました。 「そして彼女は私との子を産み、暫く後に寿命で亡くなってしまいました」 「……それで、私があの村に居た理由が分からないのですが」
9 22/02/26(土)16:02:36 No.901319016
それだけだと、私が村に居たことと繋がりが無くなってしまう。 ……やっぱりただ支離滅裂な、頭のおかしい女達なのだろうか。 「それは追々説明いたします」 「……まあ、好きにすれば良いんじゃないですか」 段々話を追うのも面倒になってきたが、とにかく私の本当の母親は既に死んでいるという。 では育ての母のもとに私が行った理由がわからない。 「その証拠として、こんな写真もあるのですよ」 そう言って彼女は私に一枚の写真を取り出して見せました。 その中には小さな赤子を抱く、80歳ほどの老婆の姿と今と変わらぬ外見の彼女が映っています。 ……ただの偽装ではないか? そう思っていると、雫と呼ばれる少女がその写真を見て笑みを浮かべてみせました。
10 22/02/26(土)16:02:53 No.901319083
「わぁ、ちっちゃい」 「……このおばあちゃんが私の母親だと言うんですか?」 「ええ、昔はとても勇敢で……それこそ様々な土地を歩いて、金銀財宝の山を築いた人物なのですよ」 ……彼女の中では、きっとそうなのだろう。 いや、だがそれだけなら話の繋がりが見えてこない。 不思議な家、そして彼女たち自身の生活にも関連性が生まれないのだ。 ……酷く混乱している気がする。 「……貴女は歳を取って居るように見えませんが」 「それはそうでしょう、だって村の住民が信仰する神々の指す所の悪魔のようなものですから」
11 22/02/26(土)16:05:28 No.901319716
今日はここまで (修正前の本文で書き込みしちゃったので、アップロードしたものは修正版です) fu840770.txt 娘を! 産卵させろ!
12 22/02/26(土)16:14:35 No.901321967
絶対に悪いゆかりさんだよこれ 双子の弟ぶっ壊した時と同じ匂い感じるよ期待出来る
13 22/02/26(土)16:19:59 No.901323293
なかなか夢のある話だ
14 22/02/26(土)16:57:00 No.901332890
前回綺麗だったのに今回のテーマはひでぇな!
15 <a href="mailto:s">22/02/26(土)17:06:42</a> [s] No.901335506
多分、今回は笑いながら見れるんじゃないかな…… っていう期待を込めて書いてるので、遠慮なく笑ってほしい
16 22/02/26(土)17:12:56 No.901337192
嘘だ