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22/02/13(日)06:14:39 [不定期... のスレッド詳細

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22/02/13(日)06:14:39 No.896660670

[不定期] 会社から逃げて、幼女に拾われようシリーズだった [成分] ・きりゆか ・コッショリ ・年上誘い受け ・終わり

1 22/02/13(日)06:15:01 No.896660687

それから空の太陽と月が移り変わり、部屋の中までそろそろ夏の熱気が迫ろうとしていた。 私は目が覚めると、ぼぅっとする頭を動かして起き上がる。 隣で眠っている少女は、いつもの通り私の体に裸で抱きついていた。 ……少女の裸も、自分の裸もすっかり見慣れたものだ。 だが本当にそれでいいのだろうか、なんて疑問が時折思い浮かぶ。 とはいえ、何かをすべきかも思いつかずにただぼんやりとしていた。 ふと、視線を窓の外に走らせる。 窓から差し込む日差しは日に日に熱を増していて、今では家で寝転んでいると軽く汗ばむほど。 ああ、もうすぐ夏が来るのだろう。 思い返せば春の時のことなど、あっという間の出来事のように思えた。 ……あの時は少女に抱かれて、抱かれて、抱き潰されてもまだ抱きしめられて。 それである程度の飽きが来た頃には、外は春になっていた。 少女と私は一度行為を止めて、また飲食と風呂に入る。

2 22/02/13(日)06:15:15 No.896660701

不意に小さな手が目線に止まると、思わず顔を赤くしてしまう。 彼女の手が触れていない場所など無いのだと、ぼんやり思うと頭が熱を孕んだように揺れた。 だけどその時にそう思ったのは私だけのようで、少女は何時ものように遠慮がちな笑みを浮かべて私を見上げている。 ……ああ、調子が狂う。 そう思いながら、私は髪を洗っていた少女にあの時はシャワーを掛けて誤魔化したものだ。 ─── 何は無くても、いや無くなったからこそ決めるべき行動というのはある。 情に流された私だからこそ、この少女の今後を決定づけなければいけない。 とはいえ、何からやったものか。 そう思っていた春先に、私はまたあの役場へと赴いていた。

3 22/02/13(日)06:15:41 No.896660726

「……あら」 そう言ってこちらを見て笑みを浮かべていたのは、先日見た女性であった。 言外の内に色々とニュアンスを含んだような言葉の一つに、間に合ったのねという言葉が見え隠れしていた気がする。 一方の隣に立っている少女は、少しだけ不安げにその様子を見守っていた。 「今日はどんなご用事でしょうか?」 そう言って、相変わらず品の良さを滲ませながら彼女は私に語りかけてくる。 ……わかっているだろうに、とは言えそういった事を口に出させるのも彼女の仕事なのだろう。 「……その、支援を」 私がそう言って、彼女に対して口を開くと女性は一度言葉を断ち切るように口を開きます。

4 22/02/13(日)06:15:53 No.896660737

「養子縁組では無さそうですね、だって離れ離れになりたいようには見えませんから」 「っと……そ、そうですね……」 彼女がそう言うと、隣に立っていた少女が私の手をぎゅっと握りしめる。 女性はそんな少女の様子を見てから笑みを浮かべてみせた。 「……中の良い、家族さんですね」 「えっ、あ……は、はい……」 そう言って、まるで彼女は何かを促すように口を開いてみせる。 ……この人は何処まで把握しているんだろう、そんな事を少しぼんやりと思い始めた。 ……まさか、私が……いやいや、そんなはずは無いだろう。 そう思いながら何かを見定めるかのように、私の事をじぃっと見る彼女に対して口を開く。 「……この子の学業支援と、生活の支援制度を活用したいのですが」

5 22/02/13(日)06:16:03 No.896660746

私がそう言うと、目の前の人は小さく首を縦に振る。 それからまるでわかりきっている事かのように、近くに置いてあるチューブファイルを手にとってこちらに差し出した。 「ここらへんには学校はありませんが、最近では遠隔地でも授業が認められているので先ずはその制度を活用しましょう」 そう言って差し出されたファイリングされた冊子の中には、学業の補助申請制度と、教育プログラムが書かれた紙が挟まれている。 ……妙な手際の良さ。 恐らくここの人も、ずっと少女のことを待っていたのかもしれない。 そんな事を思いながら、公共性に縛られた人を見上げる。 「それと……相続処理に、生活支援サービスの申請もありますから、暫くは大変かもしれませんね」 そう言って、彼女は差し出した書類に目線を下ろしている。 ……恐らく、それが彼女の精一杯なのだろう。 彼らは公共性を謳う以上、自分たちから積極的に動くことは難しいのだ。

6 22/02/13(日)06:16:13 No.896660757

「……ええ、そうですね」 「……ええっと……一応、法定上の保護者のお名前は伺っても宜しいでしょうか?」 そう言って、顔を上げた彼女に私は少し間を空けてから口を開く。 「……結月ゆかり」 「承知いたしました」 そう言って、彼女はまた顔を上げてにこりを笑みを湛える。 ……底しれぬ人だ。 そんな事を思いながら、私は隣で立っている少女と共に書類整理の席についた。 そうして幾日か過ぎた。 法務機関やら、なにやらの手続きで色々とドタバタになったが、一応の一通りの整理がつく。

7 22/02/13(日)06:16:26 No.896660771

つまりは、今や私は少女の家に住む同居人であり、家主の少女の知人兼保護者という関係になっているらしい。 ……一応、別の手立てで恋人同士という手立てもあったのそうだが、少女の年齢が不適切に見えるから止めておきましょうとなった。 少女はその時だけは少しだけ露骨に残念そうな表情をしていたが、兎に角私と一緒に過ごせると納得してはいる。 家系図でもあれば別の保護者が居たのかもしれませんが、生憎昔に焼けてしまったらしいですからと、役場の女性はなにかすっとぼけるような事を言っていた。 ……もしや、見つからない振りをしているのではないかとは疑ってはみたが、まあそういうことにしておこう。 見つからなくてもいい資料だって、世の中にはあるのかもしれない。 ……失敗するべき仕事も、世の中にはあるものだ。 そんな事を思いながら、私達は日々役場で書類と色々とにらめっこを続けていた。 「凍結遺産?」 「ええ、以前に東北さんの遺産について凍結されていると伺っていますから、相続処理が完了したら戸籍謄本を持って銀行さんに伺っては如何でしょうか」 「……はぁ……」

8 22/02/13(日)06:16:37 No.896660783

何故そんな事を知っているのだろうか。 そんな事を思うが、おそらくは田舎故の社会ネットワークの狭さだろう。 社会が狭いから、人の口に戸が立つ前に話だけは回ってしまったのかもしれない。 「……ええっと、そうですか」 私はそう言って、相変わらず底の読めない顔を見つめ返す。 ……もしかしたら、家での事すら知られてしまっているのだろうか。 いやいや、流石にそんな事はないだろう。 「……それにしても、東北さんがね……」

9 22/02/13(日)06:16:48 No.896660794

そう言って彼女は私を何だか値踏みするように見つめた。 ……まるで私自身を見て、それが少女の趣味だと言っているようで癪に障る。 「……何の話でしょうか」 私がそう言って見せると、彼女はしらを切るように別の書類を差し出した。 目の前の書類には、就労不能者向けの支援制度の文字が踊っている。 「いえいえ、いいお友達が見つかって良かったですね、というお話ですよ」 「……そうですか」 ……やっぱり、何処か気に食わない。 助けてもらってはいるのだが……この人は、一体何処まで把握しているのだろうか。

10 22/02/13(日)06:17:01 No.896660806

「……あ、そうそうそろそろ、家のリフォームも必要かしら」 「……え? あ、はぁ」 そういいながら彼女が差し出した紙には、防音施工という文字に指が乗っている。 ……顔が熱くなる。 もしかしたら、本当に家から声が漏れていたのだろうか。 そう思いながら、彼女の方を見る。 「ぅ、あ……」 「……他意は、ありませんよ」 そう言ってこちらを見る目は、少しだけ冷ややかだ。 ……軽蔑というには柔らかすぎるし、見つめているというには刺々しい。 精々軽く罵倒でもしているような目線。 ……思わず頭を抱えそうになるが、彼女が中身の書類を取り出してからそっと口を動かす。

11 22/02/13(日)06:20:21 No.896660960

お終い fu800072.txt タイトル候補が酷すぎる ・我が家にワンちゃんが来るまで ・そんな私にも理解力のある彼女(13)が居ます ・ロリおね東北異伝 よし、次

12 22/02/13(日)08:23:47 No.896670559

全部諦めたもの同士が生き直すのいいよね…希望を貰える… それはそれとしてタイトルひどいな…

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