ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
22/02/12(土)19:32:27 No.896468179
ニシノフラワーは学園生活4年目に入り、高等部になると同時に ドリームトロフィーリーグへと移籍した。トゥインクルシリーズに比べ 若干の余裕が生まれる事もあり、トレーナーはフラワーにも相談の上で チームを組むことにした 中央トレセン学園には様々な経歴の生徒がおり、誰もがここで 自身の才能を花開かせようとしているのだが、一方でトレーナーの数は慢性的に不足している 理由の最たるものは、性別に関わらず担当とくっついて寿退職する …いや、退職させられるトレーナーが後を絶たないせいだ トレーナーと結ばれたウマ娘は、後輩達がトレーナーに脳破壊され想いを寄せるようになることも 場合によっては力づくでモノにしようとする場合もあることも知り尽くしている 故に、大抵は自身の目が届かない肉食獣だらけの学園からパートナーを遠ざける道を選ぶのである
1 22/02/12(土)19:33:13 No.896468493
こうしてトレセン学園には、契約できずメイクデビューもままならないウマ娘が少なからず居る 今回、我がチームではそんなウマ娘の中から3名を迎えることになった 経歴は様々とはいえ、中央にやって来た以上、誰もが才能の種を持っている筈だ そんな彼女たちに寄り添って土を耕し、水を撒き、時には折れないよう支え棒となって 才能を芽吹かせ、綺麗に花開かせる フラワーと二人三脚で過ごしてきた3年間で、トレーナーはそれこそが自らの 役割なのだと理解するようになった 聞けば、3人とも自主練は欠かさず続けてきたとのこと。ならば先ずは耕す段階 彼女たちの足捌きを確認するため、ニシノフラワーと並走を行って貰う事にした 飛行ドローンを追従させてピッチを測ってみると、予想したとおり3人とも不規則になってしまっていた 自主練オンリーでは我流に陥りがちであり、それがこのように足運びの乱れとなって表れているのだ
2 22/02/12(土)19:33:58 No.896468771
「歩幅やピッチは、スタート直後は短く、ゴールへ向かうにつれて徐々に上げて行くようにすると スピードが上がり、スタミナの消費も最小限に抑えられるのです」 綺麗なカーブを描いて上昇していく、フラワーのピッチをグラフで示しながら3人へ説明する 理想的なピッチに矯正するため、しばらくはイヤホンを装着し リズムに合わせて足運びをするトレーニングをして貰うことになった もう1つ力を入れたのは、姿勢と重心バランスのとり方である 「身体が上下に大きく揺れるのは、地面を蹴るエネルギーを前に進む力に変換しきれずに 垂直方向に逃げてしまっているからです。滞空時間が長いとその分ロスになります より前屈みになり、まずはつま先―――蹄鉄だけで駆ける事をイメージしましょう」 百聞は一見にしかず。こちらもドローンから撮った映像で、フラワーとの対比により 今の姿勢と理想の姿勢の違いを確認してもらった デビュー戦までの期間は短い。この2項目に絞って、 彼女たちが今持っているポテンシャルを100%発揮させる事に注力させる方針を採り 忙しい日々を送りながらついにレース当日を迎えた
3 22/02/12(土)19:35:33 No.896469420
「あぁ~~~❤このマッサージ器、超気持ち良いわぁ~~~」 「フラワーさん、そんないけませんって。耳掻きまでしてくれるなんて悪いですよ」 「いえいえ。私がしたくてやっているんですから。お付き合いして頂けて、 むしろこちらが感謝する側です」 「Zzz……」 デビュー戦を終えたトレーナー室は、賑やかながらも穏やかな雰囲気だった 1着を飾ることこそできなかったものの、3人とも無事、入着を果たせたからである 悪くない滑り出しであり、次なる未勝利戦では1着になるウマ娘も出てくるに違いない 今は3人ともバンド式のマッサージ器を身に着けて筋肉のこりをほぐし それが終わったウマ娘から、順次フラワーの耳掻きの洗礼を受けている 自分もプライベートではよくお世話になっているが リラックス効果が高く、両耳とも終わる頃には意識を手放してしまっている程だ
4 22/02/12(土)19:36:15 No.896469688
「スーッ、スーッ」 「うぅん…ムニャムニャ」 「Zzz……」 フラワーの耳掻きにより、チームメンバーは次々と夢の世界へと引き摺りこまれた 彼女たちの安眠を確認すると、フラワーは先程までの無垢な表情とはうってかわり まるで獲物を追い詰めた獣のように、妖しげな目線でこちらへと向き直った 「はい、次はトレーナーさんの番ですよ。皆さんが目覚める前に済ましてしまいましょうね❤」 フラワーは慣れた手付きでトレーナーのベルトを外し、チャックを降ろすと 待ちかねたように、あーん❤と大きく口を開け… ⏰ 「……ふあーっ、良く寝たーっ!」 「お目覚めになられましたか?気付けのコーヒーを淹れてありますのでどうぞ♪」 「あっフラワーさん!頂きます!…んーっ、良い香り~」
5 22/02/12(土)19:37:08 No.896470050
小一時間後、チームメンバーはコーヒーの香りに誘われたかのように次々と目を覚ました コーヒーを飲みながら談笑している様子からすると、寝ている間にその横で フラワーがトレーナーから秘密の栄養補給をしていた事は露呈していないようである オーガニックな栄養ドリンクは全てフラワーの喉奥に飲み干され その独特な臭いも、充満するコーヒーの香りによって上書きされた 「けぷっ❤」 本当は夜まで我慢する約束のはずが、フラワーはいけない子に育ってしまったので つまみ食いをしたい気持ちをコントロールできなかったのである 背徳感やスリルが営みのエッセンスになるのはその通りとはいえ 何事も過ぎたるは及ばざるが如し、現行犯は言い訳が一切通用しないので絶対に避けなければならない トレーナーは一心不乱にキーボードを叩いて書類を処理しながら 大胆になり過ぎたフラワーを抑えるため、今晩どのように再調きょ指導すべきか、必死に考えるのであった
6 22/02/12(土)19:38:55 No.896470804
ウワーッ!!?
7 22/02/12(土)19:40:13 No.896471382
ダーク・フラワーは >つまみ食いをしたい気持ちをコントロールできなかったのである …