22/02/06(日)00:53:04 一人の... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1644076384188.jpg 22/02/06(日)00:53:04 No.894170554
一人の少年が夜空を見上げていた。白髪に褐色の肌、赤い瞳を持つ彼は何処か寂しそうな空気を纏っている。 「勇者様?」 そんな彼に声をかける存在があった。青い髪と蒼の瞳、尖った長い耳が特徴の彼女は『聖殿の水遣い』と言う。 「……ん、水遣い殿か」 何処か遠くに思いを馳せていた少年は近づいていた彼女にたった今気がついた。水遣いは心配そうに問いかけた。 「元の世界の事を考えていらしたのですか?」 少年は言葉を濁した、不安そうな彼女を安心させる言葉を選ぶべきか正直に話すべきか、少年が選んだのは後者だった。 「……そうだな、あの世界に残してしまった人達について考えていた」 少年の生まれは特殊だった。自分が何者なのか分からず他者から忌避され迫害された。龍へと変われる我が身を疎ましく感じたこともある、けれど沢山の人との出会いが彼の価値観を変えた。 『貴方の力はきっと誰を守るためにあるんです。優しい貴方なら正しくその力を使いこなせる、私はそう信じています』 なによりかの聖女の慈愛がなにより少年の心を癒やした。
1 22/02/06(日)00:53:53 No.894170847
だからこそ帰らなければならない、まだ自分はなにも彼女に恩を返せていない。彼女と話したい、彼女の笑顔が見たい、彼女の助けになりたい。 「……エクレシア」 無意識にポツリと少年はその名を呟いた。 (どうして) 水遣いは心にズキリとした痛みが走るのを感じた。既に彼とは数多くの冒険をくぐり抜けた、その中で何度も彼に助けられた。いつしか勇者への憧れが仲間への友情が、恋心へと変化するのはそれ程時間がかからなかった。けれど彼の中には既に心に決めた女性がいる。自分が入り込む隙間はどこにもないと水遣いは理解せざるを得なかった。 (どうして彼と最初に出会ったのが私ではなかったの?) 彼と出会ったのが私なら、彼の心を癒せたのが私なら、彼は私を選んでくれただろうか。
2 22/02/06(日)00:54:18 No.894171046
無意味な仮定だ、水遣いは頭から雑念を振り払った。 「さあ戻りましょう勇者様。今宵は冷えます、もう休みましょう」 少女は少年の手を取り来た道を引き返す。少年は少女に手を引かれるままに歩いて行く。 少年は思う、異世界で右も左も分からない自分をここまで導いてくれた彼女にも恩を返さなければならないと。 自分の手を引き前を歩く水遣いを見てそう固く誓った。 少年は気が付かない、水遣いの目の端に光る雫があることを。彼女の後ろ姿しかみれなかったから。
3 <a href="mailto:sage">22/02/06(日)00:57:50</a> [sage] No.894172331
青髪ヒロインは敗北ヒロインの法則 遊戯王デッキレシピの一つ【烙印勇者】から着想を得た作品です 既に固い絆で結ばれたアルバスとエクレシアに外から恋慕を募らせることしかできない聖殿の水遣いという構図が浮かびました
4 22/02/06(日)01:01:09 No.894173314
アルバスくん怪文書初めて見た
5 22/02/06(日)01:02:24 No.894173696
テキストアイコン付けて見分けやすくしてくれ
6 22/02/06(日)01:10:23 No.894176084
この水遣いちゃんにアルエクトークンとか烙印の絆見せたら芸術が出来上がりますよ
7 22/02/06(日)01:25:53 No.894180317
どうして現地の女になるぐらい押さねえんだ
8 22/02/06(日)01:27:47 No.894180782
でもこいつら融合したんでしょう
9 22/02/06(日)01:30:08 No.894181413
>でもこいつら融合したんでしょう 水遣いちゃんはスプリンドにしかなれない アルエクが2人で乗ってるスプリンドにしか
10 22/02/06(日)01:38:25 No.894183771
>アルエクが2人で乗ってるスプリンドにしか 美しい…