22/02/03(木)00:32:33 ある朝... のスレッド詳細
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22/02/03(木)00:32:33 No.893203487
ある朝、マンハッタンカフェが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一人の事後っぽい美女に変わってしまっているのに気づきました。 「こ、これは……!?」 私は自身の姿を見直します。 乱れた着衣。記憶のない夜。荒れたベッド。チュンチュンと窓の外からは小鳥のさえずり。 ついでにサイドテーブルの花瓶に挿された、名前はよく分かりませんが綺麗な花の花弁がぽとりと落ちました。 そして何より、ここはトレーナーさんの寝室。ここまで状況証拠があれば間違いありません。 「私、とうとう食べられちゃったんですね……!」 よっしゃあ!とカフェちゃんはガッツポーズを取りました。全く記憶はないんですけど。 初めてはロマンチックに、と思っていましたが、覚えていないということはそれだけハンターに狩られる恐暴竜の如き荒れ具合だったのでしょう。あのトレーナーさんとそこまで暴れられたのなら、それはそれで……。 まぁこの際、既成事実を作れただけでも満足ですけどね。カフェちゃん大勝利! サティスファクション! インフェルニティ!
1 22/02/03(木)00:32:56 No.893203609
「ざまあみやがれです、お友だち!」 私は一人、寝室で声高に勝鬨を上げました。するとガチャリとドアが開いて。 「お、ようやく起きたかカフェ」 「全く、アナタもあれだけインモラルを禁止しておきながら、やはり男の子なんですね……妖艶で魅力的すぎるカフェちゃんを前に食欲を抑えられませんでしたか」 「ん? まぁ昨夜は随分とストレスを発散させてもらったよ。カフェは辛くないのか?」 「全然。むしろカモンカモンバッチコイセンター!って感じです」 「そうか……なら、まだちょっと物足りないんだけど、延長戦といくか?」 「えっ……えぇぇっ…………!?」 なんということでしょう。さしもの私も、トレーナーさんより朝からそんなお誘いがあるとは思ってもいませんでした。 ……え、ちょっと待ってください。延長戦ということは、あの、その、これからトレーナーさんと、ここで……。 「……ぁぅ」
2 22/02/03(木)00:33:30 No.893203774
私の脳内に欧州美術館にごまんとある宗教画のような光景が展開されます。 天に昇る私。その手を引く羽の生えたトレーナーさん。下から私を槍で突こうとする堕天なお友だち。 そりゃあいくらカフェちゃんでも、諸事情につきsexyな絵を皆様に具体的にお伝えすることはできません。 逞しい想像力でもって年齢指定なしの寓意的な絵画を読み解いてください。 ……なんて早口でまくし立てるくらいには私は動揺していて。顔を真っ赤にして俯いてしまいました。私、自分から押すのは抵抗ありませんが、受けには弱いんです……。 「その……優しくしてくださいね……?」 「優しく? 昨夜はカフェが、もっと本気でって何度も叫んでたじゃないか」 「本気で!? どんな本気ですか!? というか私は一体何を……!?」 「え、覚えてないのか。あんなに声を出して叫んでたのに」 「待ってください待ってください近隣に聞かれてるんですか!?」 「うん、多分。隣室は顔見知りだしあっちもいつも煩いから問題ないと思うけど」 「何なんですかこのアパート破廉恥な学園ですか?! このえっち!!」 「今更どの口で言うんだカフェえ……!?」
3 22/02/03(木)00:33:53 No.893203899
ウソでしょ。私の中で、アナタは太陽のSuzuka Angelが呟きました。 「でも……私はそんなアナタも受け入れます……さぁ……」 恥ずかしがる少女を心に秘めて。私という蛹は今、羽化して蝶となりましょう。ベッドに倒れ込み、その身をトレーナーさんに差し出すと。 「よっしゃ、なら続きやるか。俺1Pな」 「一人でするんですか……!?」 驚愕。衝撃。私は耳を疑いました。えっ、それどういう趣味なんですか? 私に一人遊びを見せつけて……何が楽しいんですか……いや、私はちょっと楽しいかもしれませんけど……。 「あ、カフェは2Pでいいか?」 「お友だちと!?」 「いや、今お友だちはいないだろう」 「えっ……どういうこと……」
4 22/02/03(木)00:34:19 No.893204037
その時、ぴんぽーんとインターホンが鳴って。トレーナーさんはいそいそと対応に向かいました。 「お、タキオンか? 鍵開いてるから上がって上がって」 「タキオンさんと……?!」 ウソでしょ!? 私の中で、アナタは太陽のSuzuka Angelが絶叫しました。 トレーナーさん、そんな特殊な趣味をお持ちだったんですか……!? 流石にいくら私でも、タキオンさんとのやり取りをダシにアナタを天へ召させるのは……いや、それはそれでありかも……。 着衣を整えて居間に恐る恐る入ると、見慣れた二人がソファーに腰掛けていました。 「ヤク狂い二銃士を呼んできたよ」 「ヤク狂い二銃士……?!」 「売人、アグネスタキオン」 「世紀の頭脳に向かって失礼な言い方だねぇ」 「ヤク中、モルモット」
5 22/02/03(木)00:35:19 No.893204305
モルモットさんがニヒルな笑みを浮かべました。アナタはいいんですかそれで。 と、いうか……!! 「やあ、トレーナー君にカフェ。モルモット君も連れてきたよ」 「何ですって……タキオンさんだけでなく……!?」 耐えられないよー! 私の中で、アナタは太陽のDigital Angelが白目になりました。 それで……二人? 二人なんですか? タキオンさんとですよね? まさかまさかそんなことは……ソンナコトハ……。 「よし、始めようかカフェ! モルモットは3Pな!」 「待ってください! それは余りにインモラル!」 「本当に今更何言ってんだカフェえ……!? みんな準備万端だぞ!」 「あのあのあのあの! やっぱり私、トレーナーさんと、二人きりで……」
6 22/02/03(木)00:35:39 No.893204404
私の中の乙女が帰還しました。 やっぱりインモラルはいけません。愛し合う二人はお互いの合意の上、清純な愛を育むべきです。古事記にも民明書房にもそう書かれています。 私が涙目で切実に訴えると。 「そ、そうか、そこまで言うなら……悪い、紅茶でも淹れるから、二人はのんびりしててくれるか?」 えっ、それでも声とか二人に聞かれるんですか? 「私は構わないよ、元々得意ではないからねぇ。モルモット君も構わないだろう?」 モルモットさんが頷きました。いや、アナタたちはお役御免ですよ。帰っていいですよ。帰ってください。 でもでも……うーん……冷静に考えると、そういうのもちょっとありかも……。 「カフェと二人なら……そうだなあ、石炭投入でもする?」 「アナタの魂に火をつけるんですか!?」
7 22/02/03(木)00:36:28 No.893204648
あ、あれですかね……まっ青にこおりついちゃう前にFIREなBALLにしてア・ゲ・ル・♡というような……BALL……ぼーるですか……どうしてあげましょうかね……。 「……ふふ、ふふふふふ……」 「そんなに楽しみなのかアレが……!?」 甘いですねトレーナーさん。覚悟を決め、スペさんに賄賂人参を渡して会得した全身全霊がヨガフレイムしている私は、どんなことでも笑顔で成し遂げられますよ……。 そう、愛しいアナタのためなら、衆人環視下でもなんのその……! 「むしろカモンカモンバッチコイピッチャー返しですよ……!」 「よっしゃあ! なかなか相手をしてくれるヤツがいなくてな……なら、今日の相棒はコイツだ!」 「ッ……!」 えっ、ここでおっ始める気ですか!? き、今日のトレーナーさんはなんて積極的……さしものmade in 悪霊な私といえど、一瞬の躊躇はあります。ですが、made in 深淵的な世界観だと思えば、こんなのまだまだ軽い方ですね。 とはいえ、未経験なインモラルセカイに足を踏み入れるのに、若干の怖さがあります。私は、強く目を瞑りながら、トレーナーさんの手を握って。
8 22/02/03(木)00:36:57 No.893204817
「……ちゃんと、リードしてくださいね……!」 「え? あ、うん、まぁカフェは初めてだしね」 私は小さな声で叫びます。それを聞いたトレーナーさんは、呆けたような声を出して。やけに軽いですね。ですが、アナタがそう言ってくれるなら……。 って、待ってください。 え? 初めてって? オトナの階段上るカフェちゃんはまだシンデレラだったんですか? え? じゃあ、あの寝室の惨状は……。 その時、耳に響いた聴き馴染みのあるメロディ。 ぶぅーーーん……きらりきらりきらりきらり……ひゅぅぅうん……。 ひゅぃぃいんきらり……ぽーぽぽーーーぽーーーーー……。 「初代プレステの起動音…………!?」 「じゃ、始めようか……マンハッタンカフェ、一世一代のがんばり物語を……!」
9 22/02/03(木)00:37:21 No.893204942
画面にでかでかとタイトルが表示されます。そのタイトルは……。 「某SLでGo!だ!」 「アナタ、正気ですか……!?」 不毛なゲーム好きとして聞いたことがあります。意味なく複雑な操作性。謎な収録路線。無駄な難易度。 そして、2Pは……。 「私の作業は、石炭を入れるだけ……!!」 「カフェ、こういう不毛な作業ゲー好きだろ?」 「好きですよ、大好きですよ。ですけど……!!」 某アメリカン・ギャングスターなゲームではハト撃ってるだけだったりしますし。 それはさておき、私は、恐ろしい結論に至ろうとしていました。
10 22/02/03(木)00:37:51 No.893205098
「あの……私、昨夜何してました?」 「ん? 二時くらいまで最終剣やって、それ以降は明け方まで大乱闘やってただろ」 「ええと、ストレス発散っていうのは……」 「カフェ、流行りのゲームは下手だから……何度も挑んできたところ申し訳ないけど、色々と浪漫技でサンドバックにして爽快だったよ」 「ぁ……」 「ん?」 「あああああああ!!!」 「どうしたんだカフェえ!?」 思い出しました……全部、全部思い出しました!! 私は何時間もトレーナーさんに蹂躙され! プライドを打ち砕かれ! ウマ娘権を奪われ! ベッドの上でヤケコーラを飲んでポテチを食い漁ってたんでした!! 「乱れた着衣は……」 「いや、寝てるカフェの寝相凄かったよ……悪夢でも見てるのかってくらい捻れに捻れて……」
11 22/02/03(木)00:38:29 No.893205277
「ちっ……騙しましたねトレーナーさん……!!」 「騙して悪いがトレーナーなんでな……って俺は何もしてないぞカフェえ……!?」 そりゃあ記憶もないわけです、トラウマと化した悪夢の一夜を、私の脳は記録することを拒否したのでしょう。 そういえば実際、悪夢も見た気がします。ひたすらメテオで堕とされる夢を。そこではお友だちが悪の親玉みたいな歪んだ笑みで高笑いをしていました。遠隔で人のこと嘲笑ってんじゃないですよ……! 滑稽でしょう? 笑うといいですよ……笑えばいいじゃないですか……あーっはっはっはって!! 「あーっはっはっは!」 「カフェが壊れた!」 「このトレーナーでなしだねぇ!」 トレーナーさんとタキオンさんが叫びます。私はしばらく一人で笑ったあと、深いため息をつきました。 頭の中の天使な宗教画は焚書的に消滅し、その展示スペースはヴァニタス画に取って代わられました。写実的に描かれた空虚で虚しい髑髏が、愚かな私を見つめます。……ムカつきますね、石投げますよ。
12 22/02/03(木)00:39:01 No.893205459
「……はぁ、やっぱり四人でゲームしましょうか。赤髭カートやりましょう」 「いいのか? あれも苦手だろう?」 「まぁいいです、タキオンさんには勝てるので」 「随分屈辱的なことを言ってくれるねぇ……!?」 プレステの電源は切られ、トレーナーさんとモルモットさんは既にコントローラーを準備しています。そのコントローラーは……勿論、史上最大級に独特な形状をした、花札屋のアレ。本体に刺さっているのは初代赤髭カートです。 「これなら……カフェも少しは闘えるだろう?」 「敵に塩を送るとは嘗められたものですね……!」 「えっ……このコントローラー、どうやって持つんだい?」 モルモットさんがタキオンさんに持ち方を教えています。……真ん中をスルーして左右の持ち手を持たせるのは、あまりにも意地悪じゃないですか? 「いいでしょう……最下位を脱して、サンドバックにし返してあげますよ……!」 「当時毎日友だちと殺り合った現役世代を甘く見るなよカフェ……!」
13 <a href="mailto:おしまい">22/02/03(木)00:39:27</a> [おしまい] No.893205580
その後続いたのは、数時間に及ぶ熱狂。 飛び散る火花。交錯する駆け引き。ショートカットにバグ技の応酬。一人泣きながら一度もゴールできないタキオンさん。 昼頃には熱戦を終えて。 泣き疲れて寝てしまったタキオンさんを、モルモットさんが背負って連れ帰りました。 残された私とトレーナーさんは睡眠時間が足らず、ソファーでコーヒーを飲んでいる内に二人揃ってウトウトと寝てしまって。 ……インモラルではないですが、トレーナーさんの肩に身体を預けてぐっすり眠るのは、とても暖かで心地良いひとときでした。 まあ、結果オーライということで。 それじゃあ今夜もトレーナーさんのベッドで寝るのでおやすみなさい。 「明日は普通に授業あるだろうが。外泊届け出してないし帰りなさい」 ちっ……お堅いやろーですね、トレーナーさん……。
14 <a href="mailto:s">22/02/03(木)00:40:35</a> [s] No.893205889
押されると弱いけどやっぱり頭の中はインモラルだねカフェ クソゲー作業ゲー不毛ゲー色々あるけど好きなラーメンは貴様ら~?
15 22/02/03(木)00:40:57 No.893205984
あれ?描写的にSFCじゃなくて64マリカ?
16 22/02/03(木)00:41:53 No.893206238
あの独特なシルエットは
17 22/02/03(木)00:42:37 No.893206420
貴様!?俺は豚骨醤油
18 22/02/03(木)00:45:16 No.893207181
めっちゃ凄い力作が来た…いつもありがとう…
19 22/02/03(木)00:46:13 No.893207458
治安の悪いカフェありがたい....
20 <a href="mailto:s">22/02/03(木)00:48:02</a> [s] No.893207949
>あれ?描写的にSFCじゃなくて64マリカ? SFCより64の方がタキオン曇らせられるかなって…
21 22/02/03(木)00:48:31 No.893208086
初代ではなくない…?
22 <a href="mailto:s">22/02/03(木)00:48:43</a> [s] No.893208135
アッ!赤髭カート初代じゃないですねぇ!? ごめんね…
23 22/02/03(木)01:02:00 No.893211692
>事後っぽい美女 初手から図々しいねぇ… 図々しいぞーーーー!!
24 22/02/03(木)01:06:37 No.893212847
>>事後っぽい美女 >初手から図々しいねぇ… >図々しいぞーーーー!! 君は誰だい?
25 22/02/03(木)01:08:54 No.893213438
>>>事後っぽい美女 >>初手から図々しいねぇ… >>図々しいぞーーーー!! >君は誰だい? 知らない人ですね… 知らない人だねぇ…
26 22/02/03(木)01:09:26 No.893213605
久しぶりにリアタイで読めた テンポ良くて好き
27 22/02/03(木)01:11:18 No.893214100
当時は投炭の技術向上のため 競技会があったという
28 22/02/03(木)01:12:55 No.893214468
オデ オシツヨイノニ オシニヨワイオナゴ スキ
29 22/02/03(木)01:15:38 No.893215120
>>事後っぽい美女 >初手から図々しいねぇ… >図々しいぞーーーー!! 図々しいのはお前だぞ
30 22/02/03(木)01:17:39 No.893215574
ちっ…何だか煩くなってきましたね…
31 22/02/03(木)01:26:22 No.893217602
しかし仲いいなこいつら
32 22/02/03(木)01:31:20 No.893218734
すぐ舌打ちするなこのカフェ 好き
33 22/02/03(木)01:38:25 No.893220054
JAMの誓いを忘れたのかーーー!!!!
34 22/02/03(木)01:39:47 No.893220291
cv水樹奈々の美少女ウマ娘だぞーーーー!!!!
35 22/02/03(木)01:40:43 No.893220420
図々しいねえ…
36 22/02/03(木)01:48:43 No.893221808
>JAMの誓いを忘れたのかーーー!!!! そういうことは社台に話を通してからにしてください…
37 22/02/03(木)01:53:31 No.893222526
>>JAMの誓いを忘れたのかーーー!!!! >そういうことは社台に話を通してからにしてください… ヒヒーン